6かかし

2009年7月13日 (月)

株式市場調整後の姿を思い描く : かかし

 日米ともに株式市場の調整が続きます。先週は、ダウ平均株価が1.6%の下げにとどまったのに対して、日経平均株価は5.4%と大きく下落してしまいました。20090712

 株式市場の調整に歩調を合わせるように、最近3週間は「会社四季報を考える(その1)」「会社四季報を考える(その2)」「日米両国の株式市場の調整について考える」など「ひと休みモード」のテーマで書き進めてきました。

 

しかし、いつまでも調整というわけではないでしょう。

 そこで今日は株式市場の調整後の姿を思い描いておこうと思います。

 歴史的な経済混乱からの回復ですから、以前とまったく同じ姿に戻ると考えている人は少ないと思います。ではどういう姿になるのか? 明確なイメージを描いている人は多くないでしょう。

 その観点から、実に面白く、有意義な書籍を見つけました。現在は東京大学の特任教授をなさっておられる村沢義久氏が書かれた「日本経済の勝ち方 太陽エネルギー革命」(文芸春秋社、2009年3月)という本です。

 詳細にご報告するゆとりも紙面もないため、とりあえずポイントだけをご紹介します。

*世界経済は、これまでの常識をはるかに越えて大きく変化する。

20世紀を象徴した「石油を燃やす」文明の時代は終わりを告げる。

*石油に代替するエネルギー源は太陽。

*ガソリン車から電気自動車へ

*エンジンからモーターへのシフトが、メカトロニクス産業に大打撃を与える。

*一方、自動車の内外装関連産業は大きく成長する。

*ガソリンスタンドが消える。電源にコンセントを差し込むだけのためにスタンドは不要。

*発電所を中心とする電力事業は大きく変貌する。

*多様なエネルギー源、蓄電装置を組み合わせたネットワーク(マイクロ・グリッド)の運用が電力会社の収益源に。

*ガス事業は存亡の危機に。

*石油産業の規模は、自動車や家庭用などの需要減少で5分の1に縮小する。

*資源戦争が緩和される。産油地域に偏在したエネルギーから、世界中がエネルギー保有国に。

*オイルマネーが消える

*二酸化炭素の排出枠を巡る南北問題がなくなる。

実は、まだまだ興味深い論点があるのですが、ぜひ書店で目を通して見てください。

 かなり長い時間軸が必要な構図だと思うのですが、20世紀の資本主義を象徴する「石油」と「自動車」の位置づけが大きく変貌するという村沢氏の議論には、強い説得力があります。

 

 そういえば、英国石油(British Petroleum)が2001年に社名を「BP」とした時のキャッチフレーズが「Beyond Petroleum」(石油を越えて)。 石油業界の人たちのほうが、石油の将来を真剣に見つめていることは言うまでもありません。

 そのような変化の中で見ると、GMに莫大な資金を注ぎ込み必死の再生を図る米国の産業政策の行方が注目されます。過去の鉄鋼産業や自動車産業に対する強力な保護政策の成果は、今日の両産業の状況を見れば明らかです。

 そこで現実に戻って、現在の株式市場の調整について考えてみたいと思います。

 

 下の図は、大恐慌時代のダウ平均株価の底値(1932年)と、日本の株価が大底を付けた時とを重ね合わせて見たものです。実は、日経平均株価が10,000円を付けた直後に「ひと休みモード」スタンスを転換した理由がここにあります。1932200920090712

 この調整は、あと数カ月続く可能性があります。

 

 ただし、弱気は禁物です。理由は、1930年代の米国の株式市場のその後の展開です。丸で囲った部分が調整局面の位置です。19295420090712

 となれば、歴史的な下落を記録した日本の株式市場が1930年代の米国のように上昇するのかどうか知りたくなりますね。 もし、以前の経済への単純な復帰であるならば、その可能性は高くないでしょう。しかし、村沢氏の指摘されているような大変化をともなう回復であるならば、その可能性は十分高いと考えています。

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2009年7月 6日 (月)

日米両国の株式市場調整について考える

 日米の両市場とも調整局面が続いています。先週の日経平均株価は0.6%下げました。ダウ平均株価の下落率は日経平均株価を上回る1.8%となっています。終値ベースで直近の高値から見ると、日経平均株価は3.2%、ダウ平均株価は5.9%低くなったことになります。20090706_2

 興味深いのは、両市場とも3月に底値をつけてから基調としては上昇局面にあるのですが、日経平均株価の上昇率が高く、下落率が小さいのです。そのため、日米の株価乖離の拡大が続きます。底値から現在までの上昇率は日経平均株価が39.1%、ダウ平均株価が26.4%とかなり大きな格差がついてしまいました。

 そこで今日は、なぜダウ平均株価がもたついているのかについて考えてみたいと思います。

 結論を先に申し上げておけば、意外に思われるかもしれませんが、米国経済の回復のペースが日本経済に比べて遅いのです。

 米国の景気の状況を在庫循環モメンタムで見てみましょう。出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いた指標です。

 使用するデータは米国商務省の「出荷・在庫・受注統計」(Manufacturers’  shipments, Inventories and Orders)、一般に「3M」と呼ばれる統計です。最新のものは7月3日に出た5月分です。発表の時期が多少遅いこともあって、どうも人気のある統計とは言えないのですが、その中の一部のデータが一足早く発表されます。「耐久財受注」として人気のある指標です。

 それでは、全製造業の在庫循環モメンタムです。その指標を構成する出荷の増減率は細い実線、在庫の増減率を細い点線で示してあります。20090706

 出荷が大きく落ち込んでいます。これは売上高の推移と看做すことができますから、米国製造業の減収幅はかなり大きく膨らんでいるようです。一方、在庫も大幅に減少していて、厳しいコスト削減と資産圧縮の努力を示唆しています。

 このような状況下ですから、在庫循環モメンタムは明確な底打ちはしたものの、反騰に勢いがつきません。

この在庫循環モメンタムとダウ平均株価の動きを見るとかなり強く連動しています。

7月3日に発表された5月の統計を用いた在庫循環モメンタムは-15.42と前月の-15.24をわずかに下回ってしまいました。ダウ平均株価もしばらくの間は停滞気味に推移する可能性が高いことを示唆しています。

それでは日本はどうなのか? 経済産業省の発表する「鉱工業生産・出荷・在庫指数」(「鉱工業生産動向」と呼ばれます)と日本銀行の「製造業部門別投入・産出物価指数」を用いて作成した在庫循環モメンタムを、米国のものと比較すると明らかな差が目につきます。20090608

赤い太線が日本の鉱工業在庫循環モメンタムです。大底をつけた後の反発力の強さが際立っています。

どうもこの差が、両国の株式市場の展開の差になって表れているように思われます。

より詳細な議論を、私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ の中で、「なぜ日経平均の上昇率はダウ平均を凌ぐのか?」という表題でしてみました。ご興味があればご参照いただければ幸いです。

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2009年6月29日 (月)

「会社四季報」を考える(その2) : かかし

 日米ともに株価の動きが一休みです。先週の日経平均株価は0.9%上昇して、その前の週に3.4%下落した分を幾分取り戻しました。一方、ダウ平均株価は2.9%。1.2%と2週連続で下げています。20090629

 この結果、日経平均株価の上昇率がダウ平均株価を上回る状況が続き、日米の株価乖離の拡大が止まりません。20090629_2

 チャートから見ても、日米両市場の調整の動きは明らかですね。となれば、この先をどう読むべきなのか気になるところです。

 日経平均株価は3か月ほどで底値から40%上昇しました。ダウ平均株価も同様に29%上げています。調整が入ってもおかしくない時期です。

 ところが、この調整の小ささは実に驚くべきことと言わざるをえません。実際のところ、「調整」というより、動きが多少緩慢になったという程度です。

 日経平均株価のザラバの動きを追っていると、下値を支える買いエネルギーの強さに驚かされます。

 マーケットを素直に読めば、現在の動きを本格的な調整の始りと見て悲観的になりすぎるのはリスクが大きいと言わざるをえません。

 ただ、現在は一休みの時期であるとは見ていますので、先週に続いて「会社四季報」について考えてみたいと思います。

 ブーメラン原稿

 「会社四季報」の特徴は、上場全銘柄について2期分の業績を予想していることです。この業績数字の中の営業利益の変動を記述したのが「記事」として掲載されます。特殊な事情がない限り、経常利益や当期(税引き後)利益ではありません。

 元編集長は、業績数字を会社予想と比べて見るだけでなく、四季報の前号と比べてみてほしいと強調しています。

 その業績を説明するものとして「記事」があるわけですが、編集長を含め7-8人のチェックが入ります。

 若い記者にとっては、このチェックが地獄だそうです。何度も何度も突き返されます。そのような原稿を「ブーメラン原稿」と呼びます。

 短い記事ではあるのですが、このような苦労が背景にあることを知ると、読者としては読む楽しみが増すような気がします。

元編集長のボヤキ

 田北氏はかなり力をこめてボヤきます。「個別銘柄も大切だが、巻頭にある『XX号のポイント』や、業績集計表、さらにその詳細を示す業種別業績展望をぜひ読んでほしい」。

 よほど読まれていないのですかね。

 ただ、今回の夏号では、2010年3月期の営業利益が16.6%の減少になると記してあります。2009年期が53.9%の減益ですから、大幅な改善が見込まれているわけです。

 ところが、この16.6%減益という数字は、実のところ前号と比べれば下方修正になっているのです。つまり、期待された回復のペースに遅れが生じていると読めるわけです。

 偶然でしょうが、発売日以降株式市場に停滞色が強まりました。

 株式市場での個人投資家の存在感が高まっています。「四季報相場」が話題となることがあるかもしれません。念のために申し上げておきますが、私は一読者であって、決して東洋経済の社員ではありません!

「会社四季報」の欠陥

 元編集長によれば、「会社四季報」には大きな欠陥が2つあるそうです。

 ひとつは中長期の業績予想がないこと。試みたこともあるのですが、あきらめたそうです。金利や為替の動向など前提条件が読み切れないことがネックでした。そこで、次善の策として、田北氏は「設備投資増加率ランキング」を利用してほしいと提案しています。成長性の高い企業は、設備投資に対する積極性から、ある程度見極めることができると指摘されています。

 もうひとつの欠陥は、「経営者の器」を測ることができないこと。数値化しにくいということが最大の理由なのですが、たしかに最も重要でありながら、最も難しい領域と言えます。田北氏も良いアイデアをお持ちというわけではありませんでした。

 しかしながら、面白いことをおっしゃっていました。「企業のホームページを見て、社長の顔写真と経営理念が明確に記載されていること」。やましいところのある企業のホームページには社長の顔写真が載っていないことが多いのだそうです。それから、「企業理念と現実のビジネスが整合的であること」。土地勘のない分野でバタバタしているのは良くないのだそうです。なるほど!という感じですね。

財務分析指標はROAとROE

「会社四季報」の限られた紙面の中で、削りに削って精選された財務分析指標はROAとROEでした。それには重要な理由があるのですが、長くなりすぎるので、私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/で、「『会社四季報』が選び抜いた財務分析指標の意味」というタイトルで書きました。ただし、これは、田北氏の見方ではなく、私自身の見方をまとめたものです。もし時間が許すようでしたら、お眼を通していただければ幸いです。

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2009年6月22日 (月)

「会社四季報」を考える(その1) : かかし

 東洋経済新報社の顔ともいえる「会社四季報」の編集長をなさっておられた田北浩章氏のお話を伺う機会がありました。実に興味深い内容で、その一端をお伝えしてみたいと思います。

「会社四季報」って何?

 日本の全上場会社(3803社)について、会社の業績や財務のデータ、記者の会社に関するコメントなどを記載したものです。元編集長の田北氏は強調しています。「『会社四季報』は決してデータ集ではない」「記者の眼を通して作られた評論誌だ」。

 確かに、ライバルであるN社は新聞も発行しているため、それとの整合性の問題もあって、記述の自由度が小さくなると言えるかもしれません。その点では、「会社四季報」は、より大胆に意見を述べることができそうです。

「会社四季報」はどうやって作るの?

 記者120人、データ処理250人、計370人で作ります。これだけ大人数でも、締切間際には昼夜の区別がつかなくなるそうです。

 昭和11年、2.26事件の年に創刊されました。それから今まで続いています。実は、正確に言うと昭和20年は発刊されませんでした。終戦の年で、印刷する紙がなったからです。

 ちなみに、編集の激務は言語に絶するそうです。「もう二度と編集長はごめんだ」と繰り返しておられました。

「会社四季報」はいつ出るの?

 年に4回出ます。春、夏、秋、新春の4回です。「冬」という言葉は使わないそうです。まあ、理由はわかりますが。

 月で言うと、3月-6月-9月-12月の4回です。

 ところで、この4回のうちどれが一番売れるかわかりますか?

 夏号、つまり6月だそうです。理由は企業の3月本決算のデータが記載されるためです。

 それでは、一番売れないのは?

 秋号(9月)です。3月の本決算の結果が記載される夏号、9月中間決算の内容を確認できる新春号との間にあるために、投資家の興味が弱まるためです。

 ならば、田北元編集長の一番のおすすめは?

 面白いことに、これが売れ行きとは大分違うのです。もしご興味をお持ちでしたら、詳細を私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/  に「年4回の『会社四季報』どれが一番?」というタイトルで多少詳細に書いておきましたので、ご覧いただければ幸いです。

 次回は「会社四季報」の内容の特色とその読み方について、田北氏のお話と、読者である私自身の考え方を取り混ぜてご報告したいと思います。

 追伸

「会社四季報」の売れ行きは?

 田北氏のお話を伺った日は、ちょうど夏号の発売日当日でした。当然のことですが、氏も相当に気になっていらっしゃったようで、紀伊国屋での販売部数が正確に頭にインプットされていました。

 雨でも降れば、売上は一挙に1-2割は落ちてしまうそうです。

 幸い雨は降らず、株式市場の上昇もあって、販売は絶好調。ライバル社に格差をつけているようです。しかも、「圧倒的」な格差なんだそうです。もちろん、私は別に確認したわけではないのですが・・・ 

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2009年6月15日 (月)

日経平均株価10,000円到達の意味を考える : かかし

先週の米国ダウ平均株価はわずか0.4%の上昇にとどまったのですが、日経平均は約3.8%上昇して、とうとう10,000円の大台を突破しました。終値ベースで310日の7,054.98円から見ると44%弱上がったことになります。

このブログでの最初の投稿は昨年121日。タイトルは「嵐の船出」。厳しい相場環境でした。その後「不況に負けない元気な株を探し出す」、「次の一手を考える」、「さらに一歩」「ちょっと一息」そして「匍匐前進」と書き進んできました。20090615_2

 そして、次にどのようなタイトルで話を進めようかと思案中なのですが、なかなかいいアイデアが浮かんできません。

 そこで、今日は日経平均株価が44%近く上昇したことの意味を考えてみたいと思います。

 実は、この程度の上昇率は個別銘柄では決して珍しいことではありません。

 私事にわたることで恐縮なのですが、みずほ証券という証券会社で株式のストラテジストをしていた時のことです。

 2003年4月から5月にかけて銀行株が安いと感じで思い切って買いました。仕事の制約から従業員持ち株を通じて買うことしかできなかったので、みずほ銀行株を買ったのです。 一株6万円近辺。4月の安値が5万8千3百円でした。

 1年後に所用のため持ち株の半分を売りました。一株35万円。その月の高値は45万5千円でしたから、うまい売り方ではありませんでしたが、それなりに満足でした。

 さらに1年後、残りの半分を売りました。1株50万円。その月の高値は51万6千円でしたから、ちょっと自慢でした。

 しかし、その翌年には株価が102万円を付けたため、自慢は止めてしまいました。

 個別銘柄はこのくらい動きます。現在も、すでに動きだしているように見えます。

 でも、市場全体が44%も上昇するというのは、かなりすごいことです。現在対ドル円レートは98円。もし円の価値が44%下がると141円。こうなると、世の中がだいぶ変わって見えてきます。これに匹敵するような変化がわずか3か月の間に現実に起こったわけです。

 そこで、株式市場の変化による影響を考えてみたいと思います。

 考える材料は、1991年(平成3年)に経済企画庁が発表した年次経済報告。タイトルは「長期拡大の条件と国際社会における役割」となっています。そこでは、資産価格の変動と景気循環に焦点をあてて、資産価格の変動が実体経済に与える影響をかなり詳細に論じています。

 バブルの崩壊で株価が急落していることの影響を分析しているのですが、要はその分析を「逆さ読み」しようというわけです。

 まず、「富効果」。経済企画庁はケインズ、ピグー、モディリアーニなどの経済理論を用いながら、株式市場の10%の下落が消費を0.4%低下させると指摘しています。ということは、43%の株式市場の上昇は消費を1.7%増加させるインパクトを持つと考えてもよいかもしれません。

 もっとも、ブラックマンデーの時のように短期的な変化であれば、消費への影響は限定的であることに注意し負ければなりません。

 次に企業行動への影響です。株価の下落で、エクイティーファイナンスが中断し、借入需要が減少し、資金調達も困難になるとしています。ということは、エクイティーファイナンスの復活、借入需要の増加、資金調達の円滑化が視野に入ってくるかもしれません。

 三つ目は投資行動です。経済企画庁はトービン効果を論拠に、株価の下落が設備投資の減少を引き起こすと述べています。であれば、株価の上昇が設備投資の増加を導く可能性があると言えそうです。

 これらの効果が表れて、新聞や雑誌が書き立てるのは、まだ何か月も先になるのでしょうね。しかし、3か月前とは状況が大きく変わったということは間違いないと考えてもよさそうです。

 ところで、本当の問題はこれからです。どうもこの10,000円台到達が終着点ではなさそうなのです。むしろ、もっと大きな変化の出発点にすぎないのかもしれません。さて、これから一体どうなるのでしょう? その予測は、これからのお楽しみということに・・・・・

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2009年6月 8日 (月)

米国の出荷・在庫の動向を読む : かかし

日米の株式市場が堅調さを維持しています。先週は日経平均株価が2.6%、ダウ平均株価は3.1%の上昇となりました。これで、3月上旬の底値から見ると日経平均で38%強、ダウ平均で34%弱上げたことになります。20090608_2

個別銘柄ならともかく、市場全体がわずか3か月という短期間に4割近くも高騰するという事態はそう頻繁に発生するわけではありません。

 前回は景気指標と株価の高い連動性から、景気指標の底打ちが、この株式市場の高騰の重要な要因の一つになっているとお話しました。

 その時に用いた景気指標が「在庫循環モメンタム」です。出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いて作る比較的に簡単なものです。

 そこで今回は、3日に米国商務省が発表した4月の出荷・在庫統計、正確には‘Manufacturers’ ShipmentsInventories and Orders’と呼ばれる統計を用いて、米国の全製造業在庫循環モメンタムの動向を見てみたいと思います。

 最初に結論を申し上げておくと、日本と同様に米国の景気指標も鮮明な底打ちを示しています。これが、日本と同様に上昇を続ける米国株式市場の重要な理由の一つであろうと考えられます。

 それでは、米国の全製造業在庫循環モメンタムを長期的な視点から見てみましょう。2つのオイルショック、ITバブルの崩壊、サブプライム問題の深刻化、そして今回と何度か大きく下落したことがわかります。20090608_3

 次に、最近の動きをもう少し詳細に見てみましょう。かなり変化が出てきたことが鮮明に浮かび上がります。底打ちが鮮明になっているのです。4月は前月に比べわずかに下落したのですが、基調に変化はありません。20090608_4

 さて、問題はここからです。果たしてこの上昇は続くのか、あるいは下落に転じるのか?

 私は上昇が続くと考えています。全製造業の内訳をここにチェックしてみると、上昇に転じる分野が次第に増えています。ですから、その集積体である全製造業の在庫循環モメンタムは下落ではなく上昇の可能性が高いと見ます。

 

参考までに、ハイテクの代表として、コンピュータ及びその関連製品の在庫循環モメンタムの動向をご覧ください。底打ち反騰の傾向が全製造業以上に鮮明であることがわかります。20090608_5

 注目の自動車はどうでしょう? この厳しい業界でさえ在庫循環モメンタムは底打ちが明確です。もっとも、出荷の基調は依然として弱く、懸命な在庫圧縮の努力が在庫循環モメンタムの底打ちを支えています。2009060800000

 というわけで、米国の在庫循環モメンタムの底打ちが、米国の株式市場の上昇を担う重要な要因のひとつであること、そして指標の反騰が続くため、株式市場の上昇基調も続く可能性が高いことがおわかりいただけたと思います。

 もちろん、短期的な株式市場の調整はあると思いますが、基調は強く、強気で臨みたいと考えています。

 そうなると、日米の在庫循環モメンタムを比べてみるとどうなのかという興味が湧いてくるかもしれません。

 実は私もそこに一番注目しています。

 面白いことに、日本の指標の上昇率が米国を上回っています。それに呼応するかのように、日本の株式市場の上昇率が米国を上回り、日米の株価乖離が恒常化する兆しさえ見えています。

 このあたりの多少詳しい分析を、私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ で「日米の在庫循環モメンタムが示す株価の方向性」というタイトルで昨日書きました。合わせてご参照願えれば幸いです。

 最後に蛇足ですが、「在庫循環モメンタム」などオリジナルな指標を使うことが多いため、もしご興味をお持ちでしたら、日本経営合理化協会で発行している私のCD「景気循環で株式を読むCD」をご覧いただけると幸いです。指標の解説にもかなり時間を割いています。詳細はこちらです。 http://www.jmca.jp/prod/1002/1033/

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2009年6月 1日 (月)

4月の鉱工業生産動向を読む : かかし

先週は日米とも堅調でした。日経平均株価の上昇率は3.2%とダウ平均株価の2.7%を上回っています。2009053100000

 ダウ平均株価の伸び率を日経平均株価が上回る状況が2月中旬以降続いており、どうやら日米の株価乖離が恒常化しそうな気配です。20090531

 個人的には日経平均株価の短期的な調整リスク、つまりスピード調整がいつあってもおかしくないと思っています。そのリスクは常に念頭に置くとして、はたして基調はどうなのでしょう?

 先週金曜日に発表された4月の鉱工業生産動向を通して、株式市場の方向性を見てみたいと思います。

 まず、鉱工業生産の動向です。原指数の前年同月の水準を31.2%と大きく下回っています。とても底打ちを確信させるような力強さは見えません。2009053100001

 ところが、鉱工業出荷や在庫の動きを見ると、まったく異なった姿が浮かび上がってきます。

 出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いたものを「在庫循環モメンタム」と呼ぶことは、これまで何度か説明させていただきました。

 鉱工業の在庫循環モメンタムがかなり鮮明に底打ち、反騰の動きを見せ始めています。図をご覧いただければお解りのとおり、点線で示した在庫金額が大きく減少している中で、細い実線の示す出荷金額がようやく底打ちの気配を見せ始めました。そのため、赤い太線の示す在庫循環モメンタムが大きく反発したのです。20090531_2

 なぜこの指標を、株式市場の基調判断の重要な材料にするのか? 言うまでもないことですが、この指標と日経平均株価がほとんど同じ動きをしているからです。R20090531

 そこで、ちょっと細かな話になって恐縮なのですが、在庫循環モメンタムを構成する要素について、それぞれの動きを追ってみましょう。太い青線は出荷数量の増減率の推移を示します。細い赤の実線は在庫数量の増減率です。そして、細く青い点線が産出価格、つまり出荷価格の推移です。最後に細く赤い点線が投入価格、すなわち原料調達価格の推移です。これらが、在庫循環モメンタムを構成しています。20090531_3

 このグラフから読み取れるのは、在庫数量の減少が続く中で、ようやく出荷数量にも底打ちの気配が見えだしたこと。そして、出荷価格の下落はつづいているものの、下落率はわずかに緩やかになりはじめる一方で、投入価格つまり原料購入価格は一段と下落しています。

 とりわけ重要なのが、在庫数量に投入価格を掛け合わせて算出する在庫金額の動向であることは言うまでもありません。

 このように、ひとつひとつの要因をチェックしていくと、在庫循環モメンタムの今後の方向性は上昇基調であって、下落基調ではないことが確認できます。

 そして、この指標と日経平均株価との連動性を考えれば、株式市場の基調としての方向性は上昇であって下落ではないということになりそうです。。

 鉱工業生産動向について、主要セクター別に多少詳しく分析したものを、昨日(5月31日)私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ に「鉱工業生産動向が6月相場の牽引役に?」というタイトルで掲載してあります。もしお時間があるようでしたら、合わせてご参照願えれば幸いです。  

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2009年5月25日 (月)

匍匐前進(その4) : かかし

 先週の日経平均株価とダウ平均株価は一時大きく動いたのですが、結局は小動きに終わりました。日経平均株価が0.4%下落したのに対して、ダウ平均株価は0.9%の上昇でした。20090525

両者の動きが小さかったため、乖離幅は一向に縮まる気配がありません。短期的にみれば、両者の連動性は非常に高いと言えます。したがって、私たちは日々米国の動向に一喜一憂しながら、投資戦略を練っています。ところが、日経平均株価の上昇ペースがダウ平均を上回る状況が続き、乖離幅が拡大したまま恒常化しそうな雰囲気も出てきました。20090525_2

そこで、果たして乖離が恒常化する可能性があるのかどうか?それを考えてみたいと思います。

結論を先に言っておきますが、恒常化すると断定する勇気はとてもありません。ただ、その可能性が無いわけではないということです。

先日、フィデリティというボストンに拠点を持つ世界的な投資運用会社が日経新聞に一面全部を使った巨大な広告を載せたのでびっくりしました。「世界の視野で日本を見つめて40年」、「日本は負けない」「フィデリティは日本を応援しています」・・・そんな内容の広告でした。もちろん日本株投信の販売促進のためです。

すでに、春先から、証券界の友人を通して日本株ファンドにお金が集まり始めていることは聞いていました。それでも、さすがにびっくりでした。フイデリティは、かなり先を読んでアグレッシブに動くのが特色です。かつてわたしは、そのフィデリティ日本拠点の調査部長をしていた時期もあるので、その意気込みを肌で感じます。

 

もし、日経平均株価がダウ平均株価に連動しているだけなら、なにもそんなに力を入れる必要もないでしょう。

では、なぜか?当然ですが、日経平均株価がダウ平均株価を大きく上回る可能性があるからです。すでに、このブログでお話させていただいていますが、長期的に見れば日米の株価の動きは全く逆であるところがポイントです。Ny20090525_2

日本がバブルの絶頂期に40,000円近い株価に浮かれていた頃、ダウは2000ドル台半ばでした。そんなに昔のことではありませんね。そして、日本は7000円を瞬間的に切る水準まで下落する一方で、ダウは14,000ドルに上昇しました。

この動きの背景には長期の景気サイクルがあるのですが、すでにお話させていただいたことでもあり、今回は割愛させていただきます。

その視点から見れば、実は現在生じている両指標の乖離が、恒常的というより、さらに拡大していく可能性さえあるのです。

といっても、私にはそこまで断定する勇気もありませんし、データも不足しています。短期的にはGMの展開が気になってしようがありません。ただ、「まだはもうなり」「強気相場は悲観のなかに生まれ、懐疑のなかに育つ」とも言われます。アクティブなお金は、私たちを待っていてはくれないようです。

この長期的な視点からの見方については、先日ご紹介させていただいた私の講演CD「『景気循環』から株価を読む」(日本経営合理化協会)で、かなり詳細に述べました。もしご興味をお持ちでしたら。こちらをご参照ください。http://www.jmca.jp/prod/1002/1033/ 

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2009年5月18日 (月)

匍匐前進(その3) : かかし

先週は調整でした。日経平均株価は約1.8%、ダウ平均株価も約3.6%下落しました。果たして、この調整局面は長引いて、大幅な株価下落になる可能性があるのか?気になるところですね。20090518

 結論から言えば、調整は多少長引く可能性がありますが、それは次の上昇のために不可避なプロセスであって、構造的悲観論は避けるべきだということです。私は現在のスタンスを「前進」ではなく「匍匐(ほふく)前進」としているのですが、なぜ「匍匐」なのかというと、このような調整局面が想定の中にあるからなのです。

 まず、先週の調整について考えます。これは、先々週の大幅な株価上昇の反動という要素が大きいと思います。日経平均株価は5%強、ダウ平均株価は4.4%も上昇したのです。加えて、3月上旬の底値から日経平均株価で31%、ダウ平均株価で26%も高い水準にあるわけですから、この程度の調整はあって当然という感じです。

 ただし、おそらく調整はこれで終了というわけには行かないでしょう。しばらく続く可能性が高いと考えます。

 その最大の理由は、日本の株式市場が上昇の拠り所としてきた米国市場が調整局面の可能性が高いことです。ストレステストという大きなテーマが織り込まれてしまったあと、それを引き継ぐ大きなテーマが見えないのです。CNNは投資運用会社スティフェル・ニコラス社のトム・シュレーダー氏の「私たちは次のカタリスト(触媒=市場牽引役)を待ち望んでいる」という言葉を引用して市場動向を解説していますが、まさにそのとおりです。

 

2つ目の理由は、日本独自に株式市場をリードするテーマが見当たらないことです。しかも、日本株の上昇率が米国株を上回ってきた結果、日米の株価乖離幅が大きく拡大してしまったことです。20090518_2

 3つ目は、豚インフルエンザ。それ自体は弱毒性とはいっても、2次感染のため、学校の休校、イベントの中止、外出の手控えなどが、当然消費動向に影響を及ぼしますし、株式市場のセンチメントを重苦しいものにする可能性が高いと考えられます。

 最後に、5月20日の朝発表される第1四半期のGDP1次速報値です。

他にも理由はあるのですが、いずれにせよ調整を念頭において株式市場に臨みたいと考えています。

 ただし、この調整が中期的な上昇局面において必然的に生じるものであって、構造的な悲観論は避けるべきだということを頭に入れておくことが必要です。なぜ中期的な上昇局面と言えるのかという点については、すでに在庫循環モメンタムという指標をつかって説明させていただいたとおりです。

「匍匐」の姿勢を忘れないよう心がけています。

 ところで、話は変わるのですが、私(「かかし」)がCDを作りました。といっても歌を歌うわけではありません。タイトルは「景気循環で株式を読むCD」。日本経営合理化協会から出ます。120090515

 景気サイクルと株価の関係を基本的な視点として、歴史的な転換点にある日本経済と株式市場の現状と今後を、思い切って分析してみました。

 詳細については、お手数ですがこちらでご確認ください。http://www.jmca.jp/prod/1002/1033/

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2009年5月11日 (月)

匍匐前進(その2) : かかし

 先週は日米とも好調でした。日経平均株価は5%強、NYダウ平均株価は4.4%上昇しています。20090511

 今日は株式相場のローテーションについて考えてみたいと思います。これまで、ディフェンシブ銘柄とか景気敏感銘柄などを、特に説明することもなく使ってきましたので、ここである程度まとめておいたほうが良いと考えました。

 以前お話させていただいたと思いますが、景気と株価には強い連動性があります。その関係を要領よくまとめた書籍として、「ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え」(2002年、ダイヤモンド社)があります。カリフォルニア大学のピーター・ナヴァロ教授が書かれたもので、私もおおいに参考にさせてもらっています。

 その内容を詳細にご紹介する時間もスペースもないのですが、私なりに図解したものがこれです。20090511_2

 ポイントは、景気と株価が連動しており、景気の局面に応じて共通の特色を持ついくつかのカテゴリーが異なった変動をするということです。

 たとえば、景気が悪いときは、不況抵抗力の強いディフェンシブな銘柄群の株価が堅調に推移するケースが多く、景気が良いときには、成長性の高い元気な銘柄群(景気敏感株やハイテク株など)の株価が好調であることが多いと言えます。

 ナヴァロ教授は、この図からもお解りのとおり、景気サイクルにたいして株式市場のサイクルが先行すると指摘しています。ただし、その先行性(ギャップ)については、必ずしも明確に説明されているわけではありません。

 実は、私が「在庫循環モメンタム」という指標を多用する理由がここにあります。この指標が一般の景気指標に対して先行性を持つためなのです。

 なぜ先行性をもつのか? 単純な理由です。出荷や在庫の動きを水準ではなく変化率で把握するからなのです。

 そして、その在庫循環モメンタムは、前回にも指摘しましたが、反騰に転じました。そのため景気敏感循環株に注目しています。

 もう少し具体的に、どのようなカテゴリーに注目したら良いのでしょうか?

 ナヴァロ教授の図からは、自動車などの輸送用機器、金融などが浮かび上がります。

 私は、不況克服のための公共投資や減税の恩恵大きな分野に注目しています。住宅関連などが面白いと見ています。また、グローバルに見た公共投資という観点からは、地球環境にやさしいグリーン・インダストリーにも注目しています。排気ガス除去装置の日本ガイシなどです。

 さらに、不況によるリストラや業界再編成の恩恵を受ける分野についても注目していますが、これについては私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ で「なぜリストラで株価が上昇するのか?」というタイトルで述べています。併せてご覧いただければ幸甚です。

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2009年5月 8日 (金)

かかしさま、どうもありがとうございました

「かかしさま、どうもありがとうございました」

早速のお答えどうもありがとうございました。

世界景気回復後の景色が気になったもので。このどん底でも儲かっている企業の強さがないと、今後も元オールジャパンも米国の自動車や金融のようになっていくのではないかという不安があるのではないかと思いました。

 中国の自動車は4月は過去最高の売上だったそうです。どこの国でも作れるものは人件費の安い国にシフトしていくのですね。

ということで頭を整理していただいてありがとうございます。

明日は名古屋に行ってきます。お休みなさい。

野村

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オールジャパンの回復はあるか? : 野村様へ かかしより

 世界景気の回復で、オールジャパンもそれなりに回復すると思います。

 ただ、世界経済を恐怖に落し入れた大規模な景気調整からの回復では、元の姿のとおりに復旧するということはないのでしょうね。

 経済の姿も、企業の姿も、これまでとは異なったものになりそうです。

 自動車はハイブリッド化、小型化が進み、インテリジェント化も加速しそうです。トヨタがこれまでと同じような地位を享受できるかどうかは不透明です。

 野村をリーダーとする証券業界は、金融再編の只中にあり、いかに野村とて安閑としているわけにはいられません。

 総合電機という業態の存在理由が問われています。日立は「何でも日立」から「日立でなければ」という戦略にシフトすべきでしょう。

 全体としてみれば、製品の差別化が難しい分野では、コストの優位性がポイントであり、それが確保できない事業であれば、国内でやる必要はないかもしれません。

 汎用化学製品や、ベースメタルの精錬などが該当するのかもしれません。また、鉄鋼や電機は、はたして現在のような企業数が本当に必要なのか、考えてみるのも良いかもしれません。

 一方で、任天堂の製品の値打ちは、決して製造のための人件費で決まるのではありません。ゲームソフトの質であり、アイデアに溢れたゲーム機器なのです。

 ユニクロの製品に対して、消費者はスーパーの安売り洋品とは異なった魅力を見出しています。

 ディズニーランドの魅力は、それをまねした遊園地を作ったところで、決して同じレベルまで到達することはできないでしょう。

 ということは、やはり製品の差別化がキーになりそうです。「なぜ日本で作らなければならないのか?」ーーー日本企業はこれに対する答えをしっかりと持っていることが不可欠になります。

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2009年5月 4日 (月)

匍匐前進(その1) : かかし

「かかし」です。 

 先週はダウ平均株価、日経平均株価ともに堅調でした。ダウは1.7%弱、日経は3.1%弱の上昇。ダウに比べて日経の上昇ペースが速いのが目立ちました。20090501

 ただし、このチャートを見ていると、日経平均株価は9000円の厚い壁を前に、非常に重要なポイントにいることがわかります。

 果たして、9000円の壁をブレークして急上昇の局面に入るのか? それとも、壁に押し返されて調整局面となるのか?

 私は、壁をブレークする可能性が従来よりも高まったのではないかと見ています。したがって、「ちょっと一息」から「匍匐(ほふく)前進」というスタンスに変えようと考えています。

 「前進」とする理由は景気指標にあります。次の図をご覧ください。鉱工業在庫循環モメンタムと日経平均株価を描いたものです。ほぼ同じ動きですね。つまり、株価は景気指標に連動しているということです。20090501_2

 特に注目しているのは、先週金曜日に発表された3月の鉱工業生産動向の数字です。この統計により作成した3月の在庫循環モメンタムは明らかに底打ちを示し始めました。しかも、在庫の減少に加えて、出荷の下げ止まりも見えてきたのです。もう少し詳細に在庫循環モメンタムの動きを見てみましょう。細い点線で示した在庫と細い実線の出荷の動きにご注目ください。20090501_3

 それならば、なぜ「前進」とせず、「匍匐前進」とするのでしょう?

 理由は日経平均株価の上昇率がダウ平均株価を大きく上回るためです。ある程度の短期的な調整の可能性は常に念頭に置いておく必要があるでしょう。20090501_4

 在庫循環モメンタムについては、これまで何度か御説明させていただいているために、今回は省略させていただきました。ただし、その内容を再確認なさりたい方もいらっしゃると思いますので、私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ で、比較的に詳細な解説を昨日掲載しておきました(「上がる株が見つかる投資理論(その3)」ので是非ご参照ください。

 また、注目度の高い半導体(集積回路)と乗用車の在庫循環モメンタムも、ご参考までに掲載してあります。

かかし

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2009年4月27日 (月)

ちょっと一息(その2)

「かかし」です。

  先週の日経平均株価は2.24%の下落でした。全体が下落する中で、紙パルプなど円高メリット株が堅調でしたから、やはり対ドルと対ユーロでの円高の流れが株式市場に大きく影響したようです。一方、NYダウ平均株価も下落したのですが、下落幅はわずか0.7%弱の下げにとどまりました。20090426_2

 日本の株式市場では、紙パルプのような景気敏感循環株が物色されていることから、景気の底打ちに対する期待感が強く、市場のセンチメントは強いと見ることができます。

 もし経済の状況に対する不安が原因となるような株価下落であるならば、景気敏感循環株ではなくディフェンシブな銘柄のパフォーマンスが改善するはずです。ところが、ディフェンシブな銘柄群は値を消しました。

 ということで、日経平均株価は9000円の厚い壁を前にして「ちょっと一息」という段階にあると考えれば良いと思います。

 それでは、私たちも「ちょっと一息」ついて、普段はあまり考えることにない長期的な視点から日本の株式市場を眺めてみたいと思います。

 まずこの図をご覧ください。Basic20090425_2

これは1998年に公文俊平という社会システム論の先生が書いた「2005年日本浮上――長期波動で読む再生のダイナミズム」という本に記載されているものです。

 この本によれば、幕末以降の日本社会の動きには60年程度の周期をもつ長期波動がみられるのだそうです。

 さすがに60年というスパンは長く、株式投資にそのまま応用するわけにはいかないかもしれませんが、コンドラチエフの長期波動と重なるところがあり、興味がつきません。

 簡単にこの波動の背景にある時代の動きを見ておきましょう。

1855-1885: 勤皇佐幕。鞍馬天狗の時代です。公文氏は土佐の出身のせいか、薩摩や長州の人たちが活躍する時代の話が好きなようです。幕末の混乱期で長期波動は下落しました。

1885-1915: 殖産興業、富国強兵の時代です。司馬遼太郎の「坂の上の雲」の時代です。大日本帝国憲法が制定され、日清、日露の戦争があり、第一次世界大戦の勃発のころまで上昇期が続きました。

1915-1945: 日本の金融恐慌、1929年の「暗黒の木曜日」から第二次世界大戦への突入。そして原爆の投下で終止符が打たれるまで長期波動の下落が続きました。

1945-1975: 戦後の復興、朝鮮動乱を経て、高度成長、三種の神器、東京タワー、東京オリンピックの時代です。「ALWAYS」(三丁目の夕日)の時代と言えそうです。長期波動は力強く上昇しました。

1975-2005: 2度にわたる石油危機、バブルの崩壊、金融システム不安にかき回された混乱期です。長期波動は大きく下落しました。

そして、公文氏は、日本経済が2005年以降30年にわたる長期的な上昇局面に入ると指摘しています。その入口で世界同時不況に見舞われたわけですが、勝負はこれからです。幕末から数えて1回目の上昇期は「坂の上の雲」の時代でした。2回目は「ALWAYS」(三丁目の夕日)の時代でした。はじまったばかりの、幕末以降3回目となるこの上昇期を、後世の人たちは何の時代と名付けるのでしょう。楽しみなことです。

ここに引用した公文氏のチャートに、自分で勝手に重要ポイントの書き込みをしたものを、「スケアクロウ投資経済研究所」 http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ という私のブログに載せておきました。ブログのスペースの関係で小さくて見にくいチャートなのですが、ご興味があれば参照いただけると幸いです。

かかし

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2009年4月20日 (月)

ちょっと一息(その1): かかし

「かかし」です。

 先週の日経平均株価は0.6%とわずかながら下落しました。9000円の壁は重そうな気配ですね。一方、NYダウ平均株価は続伸したものの、0.6%の伸びにとどまりました。日米とも急上昇を続けた後の「ちょっと一息」といったところです。20090420

 さて問題はここからです。すぐに急上昇に復帰する、しばらく調整を続ける、本格的な反落局面に入る。どれもあり得るシナリオです。水晶玉があればよいのですが・・・

 私はしばらく調整が続くと見ています。より正確に言えば、日経平均株価が9000円の壁をブレークして力強く上昇するためには、何となくダラダラと上がり続けるよりも、一度調整したほうが良いと思っています。

 日経平均株価が調整すると見る最大の理由は、かなり長期にわたってほぼ同期してきた日米の株価が大きく乖離してきたことです。日本の株価の上昇が速すぎるのです。下の図はその乖離幅の推移を示したものです。Ny20090420

 ただし、日経平均株価が本格的な下落局面に入るとは考えていません。それについては、先週かなり詳細にお話させていただきました。

 そこで、今日は米国の景気の状態を見ておきましょう。米国商務省の全製造業ベースのデータを用いて議論しますので、あくまでも製造業サイドから見た景況感であることにご注意願います。

 まず長期的な景気変動です。出荷金額の変動率から在庫金額の変動率を差し引いた「全製造業在庫循環モメンタム」にご注目ください。赤い太線で示してあります。20090420_2

 直近の下落が大幅ですね。ただ、気になることがあります。在庫循環モメンタムの水準は第2次石油危機のころのほうが低いのです。決して「100年に一度」の大幅な悪化ではないのです。

 なぜでしょうか? 図を見ればわかるのですが、第2次石油危機のころは在庫調整が遅れました。景気の悪化に対する危機感が比較的に薄かったようです。だから在庫が積みあがってしまいました。

 今回は、「100年に一度」説の流布で、製造業は物を作るのをやめてしまいました。売れないのですが、作ってもいないのです。だから、在庫は増えるどころか、減りました。皮肉ですが、「100年に一度」の危機感が「100年に一度」の経済危機を食い止めたのです。もちろん製造業から見た視点ですが・・・

 次に短期的な動きをもう少し拡大して見てみましょう。2009042000000

 出荷金額(細い実線)は低迷が続いています。売上高は低迷しているということです。ところが、在庫金額(細い点線)の減少が急速です。そのため、在庫循環モメンタムは底打ちを鮮明にしています。株式市場はこのような展開を大変に好みます。

 このように見てくると、日本と同様に、米国の景況感も底打ち局面に入りつつありますので、株価が本格的な下落局面に突入することはないのだろうと思っています。

 最後に、気になる米国の自動車の状況を見ておきましょう。ここでも在庫調整の進展から需給バランスは改善しつつあります。だからGMOKというわけでは決してありませんが、日本の自動車メーカーにとってはあまり悪い話ではないようです。20090420_3

 長くなってしまったので、ここでやめておきますが、半導体などハイテクの需給バランスは、さらに鮮明に改善してきています。ハイテク株が好調なのは、決して理由がないわけではないのです。これについては、私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/ で、「ハイテク株の上昇について考える」と題して、日米の状況を比較して論じています。ぜひ合わせて目を通していただけたら幸いです。

かかし

 

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2009年4月13日 (月)

さらに一歩(その5):かかし

「かかし」です。

先週の日経平均株価も堅調でした。1週間で約2.4%5週連続の上昇となりました。直近の底値からわずか1か月で約28%上昇したことになります。NYダウ平均株価も先週は0.8%ほど上がりました。こちらも直近の底値から約25%の上昇です。2009041300000

さて、問題はここからでしょう。このような急ピッチな上昇がずっと続いてくれればよいのですが、そううまくいくものかどうか・・・。9000円の大台に乗って、上昇率も多少鈍ってきたようです。

「さらに一歩」とする強気のスタンスは維持するにしても、一時的な調整があってもおかしくない水準に差し掛かっていると考えています。

そこで、当面の基本的なスタンスを確かめるために、少し長い目で現状を確認しておきましょう。

3月2日にも申し上げたのですが、株価は景気に連動します。株価は経済の動向を映す鏡であると言われますから、当然のことなのでしょう。景気指標と日経平均株価の動きを見ると、きれいに連動しています。景気指標のわずかな変化と株価が実に敏感に連動しています。2009041300000_2

ここで用いた景気指標は「鉱工業在庫循環モメンタム」と呼んでいるもので、出荷金額の前年同期比増減率から在庫金額の前年同期比増減率を差し引いたものです。金額ベースであることに注意してください。詳細な説明は昨年12月8日にさせてもらっています。

この在庫循環モメンタムを、もう少し詳しく見ると、次のようになります。2009041300000_3

ここから読み取れることは、出荷の減少が続くにもかかわらず、在庫が大幅に減少しているため、在庫循環モメンタムが下げ止まりの兆しを見せ始めたということです。

特に注目しているのは、ハイテクの分野です。半導体集積回路の出荷と在庫の動きを見てください。これは数量ベースなのですが、出荷がわずかながら反転するとともに、在庫も大幅に減少したため、景気指標が明確に反騰に転じました。2009041300000_4

この動きに株価が反応しないわけがありません。住友ベークライトという半導体封止材のメーカーがあります。この分野では世界でトップです。昨年1028日の株価を底値に、気がつけば先週金曜日までに何と51%も上昇しています。

エレクトロニクス分野の戻りには、確かに売り方の買い戻しによる踏み上げという要素があり、油断はできません。しかし、株価は在庫の減少が大好きです。何よりも、弱気のコンセンサスの中でたたき売られたことが、皮肉な買い安心感の源になっています。

ここは欲張らずに、パナソニック、アルプス、ローム、そして住友ベークライトなど質の高いエレクトロニクス分野から銘柄を選び出すのもいいのではないでしょうか?

余談ですが、野村様にご紹介いただきましたとおり、私のブログを立ち上げることになりました。ちょっとした事情があって、プロとして証券分析をやっていた仲間たちが集まることになったのが、ブログ立ち上げのきっかけでした。もしお時間があれば、ちょっと立ち寄ってみてください。よろしくお願いいたします。http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/

かかし

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2009年4月 8日 (水)

株のスケアクロウのブログのご紹介

「株のスケアクロウのブログのご紹介」

本ブログの楽しい仲間達のお一人で証券アナリストの「かかしさん」が、

株のアナリスト仲間と新しいブログ「スケアクロウ投資経済研究所」を始められました。

http://kakashi490123.cocolog-nifty.com/blog/

25年にわたり第一線で活躍なされた「かかしさん」を軸にプロのアナリスト集団が結集して作ったサイトです。私はかかしさんとは大学の金融講座を一緒に担当させていただいております。

 為替ディーラーは株価を見ながら、一方株式ディーラーは株を見ながら取引しています。情報を交換していけばそれぞれの取引に厚みが出てくると思います。

私も株価のことはよくわからないので早速勉強のため毎日読ませていただいております。

皆様もどうぞご覧ください。(右下のお勧めサイトにあります)

FX湘南

野村

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2009年4月 6日 (月)

さらに一歩(その4):かかし

 「かかし」です。

 米国ダウ平均株価は先週3.1%上昇しました。気がつきませんでしたが、4週間連続の上昇で、21.5%という上昇率は、CNNマネーによると1933年以来最大なのだそうです。

 日経平均株価も先週は1.4%上昇しました。週初月曜と火曜日に大きく調整したのですが、切り返して調整を埋めてしまうところに、基調の強さがうかがえます。

 下のチャートが示すように、日経平均株価の上昇が目立ちます。過去4週間の上昇率は22%と米国ダウを上回っています。20090406

 では、これからの動きは?

 先週も書きましたが、日経平均株価の上昇ピッチが速すぎるのが気がかりです。確かに、調整らしきものはあったのですが、不十分だと見ています。基本的なスタンスは「強気」で良いのですが、短期的には調整を念頭に入れておくべきだと思います。

 そのように見る根拠は、日経平均株価から米国ダウ平均株価を差し引いた両市場の乖離水準の動向にあります。Ny090406

 特徴は2つあると思います。

(1)  乖離幅が拡大すると必ず調整が生ずる。○印で示したところがそのような局面です。単純なのですが、かなりの投資収益が確保できます。

(2)  日本株の上方への乖離が著しくなっている。→で動きを示しました。2週間ほど前に、「日本株は上に行きたがっている」と指摘しましたが、その動きです。

2つ目の動きは重要です。株価の長期波動は日米が全く逆といえるからです。この点については、昨年121日に書きました。念のため、その時に用いたチャートを再掲します。この流れから見ると、日本株は長期上昇、米国株は長期下落となる可能性があります。 225ny2009040600000

ところで、現在の日本株の上方乖離の傾向は(2)の動きを示すものなのでしょうか?実は判断は不可能です。そう判断するためには、株価を含めてあまりにもデータが不足しています。ただ、私が想定する調整が全く見られないまま、一方通行の上昇が続くならば、この視点を真剣に考慮する必要があるかもしれません。

 そこで、現実的な投資戦略です。(2)が示す長期的な観点を念頭におきつつも、(1)の短期的な動きを重視して、調整局面のもたらす投資チャンスを追及したいと思います。もちろん、基調の強さを勘案して、調整局面のもたらす「売り」の利益は欲張らないこと。そして、調整終了後はただちに買い」に復帰すべきだと考えています。

かかし

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2009年4月 2日 (木)

かかし様、株のことありがとうございました

「かかし様、株のことありがとうございました」

かかし様詳しく適格な解説ありがとうございました。

米国のHIAは昨年は議会を通過しなかったようです。

所期の経済効果が2005年では得られなかったという反省からです。

おそらく意図していなかった為替相場だけが動いたのでしょう。

 今また運動してきましたが、骨折の次は、目痛、ひざの故障とやはり歳には勝てません。もう少しスロースポーツにしようかと思っています。

サウナではなじみの人に何で短観悪化したのに株上がってんのと聞かれました。

かかしさんのブログを読んでもらいます

ではまたよろしくお願いします。お忙しい時は質問は無視してください。

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野村さん、ひとつ言い忘れていました

 野村さん、ひとつ言い忘れていました。

 証券アナリストの習性なのですが、企業の業績を評価する場合、税引き後利益より営業利益をみる傾向があります。そのせいか、決算短信や有価証券報告書でも、セグメント情報という詳細な事業部門別のデータも、売上高と営業利益が対象になっています。

 本当は、海外の事業からもたらされる受取配当金なども重要なのですが、営業外収益として対象から外されます。

 総合商社などでは税引き後利益ベースでセグメント情報を提供していますが、今のところはほんの一部の業界にすぎません。

 蛇足とは思うのですか、一応付け加えさせていただきます。

かかし

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野村さん、日本版HIAですか?:かかし

日本版HIAですか?実は、勉強不足のため、適切なコメントをする自信がありません。野村さんが別のブログで書かれていた記事を読んで、なるほどと思った次第です。ご期待に添えずすみません。

2005年のユーロドルへのインパクトはすごかったのですね。

今回のケースで円ドルへの影響度は、確かに三菱東京UFJの方が試算したとおりになるなら、資金還流額は5兆円というすごい数字になりますから、確かに大きいのでしょうね。

すごいニュースではあるのですが、日本企業のサイドに立って見てみると、気になる点がいくつかあります。

1.基軸通貨であるドルを保有する必要性に比べて、円を保有するメリットが薄いような気がします。2005年は何といっても米企業がドルを集めたのですから、このような問題はありませんでした。

2.海外で事業を展開しているグローバル企業にとって、業績の足枷となる円高をを加速する戦略を積極的に推進するかどうか、少しばかり疑問です。

3.成長性の高い新興国市場における事業では高い収益率が期待できるのに、わざわざ収益性が低く、金利も低い日本へ資金を集中するメリットは大きくないかもしれません。

4.研究開発などの活動がどんどんグローバル化しています。以前のエレクトロニクス企業に見られたような、世界を席巻する技術もすっかり少なくなりました。むしろ、海外の重要な市場で、マーケット・オリエンテッドな研究開発を手がけるニーズが高くなっています。

このような観点からみると、世界中の留保利益を日本国内に呼び戻すニーズは必ずしも十分に高いものではないかもしれません。

何分、勉強不足なため、ピント外れなコメントはご容赦ください。

かかし

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日銀政府の株買い、かかしさん

「日銀政府の株買い、かかしさん」

政府の銀行等保有株式取得機構が、3月買い取り額は415億円だったと発表した。

  日銀も2月下旬に主要銀行を対象にした株式の買い取りを始めているが買い取り総額は11億円だ。

竹中大臣の7000円の日経平均の時代にも日銀は株の買取を行い日系平均1万8千円の原動力となった。竹中大臣はETF(ETCではないと思う)を買えと推奨して怒られていたが。FX業者なら推奨はコンプライアンス上まずいわけである。

 本ブログの日本株の専門家のかかしさんは12月から「不況下の株高」と称していろいろな兆しを取り上げて、株高を見ていたわけです。

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日経上昇の要因はFXと関係ないよう

「日経上昇の要因はFXとは今回は関係ないよう」

先ほどの日経平均の上昇の要因で海外からの配当が非課税になること

日本版HIAですが。今回は予定納税していた分が戻ってくるので企業収益にプラスということです。

 今後非課税ということで日本により多く送金してくれば2005年の米国のように(米国はドル高)円高要因ですが、今後企業財務がどう判断するか、また海外で儲かっていないと始まらない話です。

でもETCとか重量税とか、このHIAとか、結構税金とか手数料下げられるものですね。

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あれっ? HIA?

「あれっ? HIA?」

ロイターによれば海外子会社からの配当を実質非課税とする税制改正の影響で09年3月期の収益が押し上げられることでトヨタなどの株に買いが入っているとのこと

日本版HIAは09年度から実施だと思っていたが。かかしさんどうでしょうか。

でも海外で収益が上がっていないと配当も出ないですよね。HIAと違う税制でしょうか。

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2009年3月30日 (月)

さらに一歩(その3):かかし

 「かかし」です。

 日米の株式市場はともに順調に上昇しています。先週の日経平均株価は約8.6%上昇しました。NYダウ平均株価も約6.8%の伸びでした。20090330

 日経平均株価は3月10日のザラバ安値7021.28円を直近の底値に短期間に約23%上昇しました。ピッチが速すぎる気がします。4月に入ってちょっと一休みしたほうが良いと個人的には思っていますが、そうも言っていられないようです。

 株式市場の基調の変化を物語る興味深いニュースが先週金曜日に出ました。北越製紙が紀州製紙の買収を発表したのです。これに対するメディアの反応は決して明るいものではありませんでした。

 「不況下の需要減少に促された再編」、「中堅製紙会社が身を守るための生き残り策」、「5つの生産ライン停止に追い込まれる」などなど・・・・

 しかし、かつて王子製紙による強硬な買収提案を断固として撥ね退けた北越製紙の経営陣に決してそのような後ろ向きの姿勢は見えません。不況をテコに成長戦略を加速する意思が鮮明なのです。

 それは、北越と紀州両社の生産設備の配置を見ると理解できます。

 今回の買収でいくつかの生産ラインを停止します。北越の新潟長岡と千葉市川、そして紀州の大阪吹田が停止になるラインです。これらはすべて内陸立地で海から離れています。これらを停止することで、北越は主力の新潟工場、紀州も主力の三重紀州工場が中心になりますが、これらは臨海工場です。

 かつての製紙工場は、原料である木材の調達に便利な内陸部に立地していました。歴史のある製紙会社はいまだにこのような内陸工場を数多く抱えています。

 ところが、現在では製紙原料は米国、ロシア、豪州から輸入します。臨海工場のコスト競争力が内陸工場に対して圧倒的に高くなりました。

 北越製紙は不況を利用して、臨海工場を中心とするコスト競争力の強化戦略を急速に展開しています。

 しかも北越製紙は得意な量産型の洋紙に特化して、多品種少量型の特殊紙を紀州製紙に集約します。もちろん、紀州製紙の得意分野は多品種少量生産です。地理的な補完関係も理想的です。

 そのようなわけで、新聞などメディアの論調とは異なり、この買収が決して後ろ向きではないことが明らかなのです。

 買収発表のあった27日の株価は、紀州製紙がここに示したように約35%上昇しました。Photo

 北越製紙は約3%の上昇にとどまりましたが、3月10日を直近の底として約35%上昇した水準にあります。ちなみに27日の日経平均株価は2%弱の下落でした。

 この買収に対する株式市場の反応が前向きなものであったという点が重要です。市場の基調が悪い時には、決してこのような株価の動きは期待できません。買収期待から、三菱製紙の株価まで9%近く上昇するという状況は、明らかに基調が好転していることを強く示唆しています。

 「さらに一歩」を進める中で、不況を逆手に取った業界再編の動きに注目したいと思います。紙パルプ産業だけでなく、石油精製産業や中小型液晶などのエレクトロニクス産業など注目すべき分野はかなりの数になります。

 これ以上書くと長くなりすぎるので、今回はこのくらいで。

 かかし

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2009年3月23日 (月)

敏感株です、野村さん

敏感株です、野村さん。

ご指摘のとおり、金やWTIなどだけでなく、工業資源の上昇をとても重視しています。

昨年末に一時金価格を下回ったプラチナの価格が着実に回復してきました。非鉄金属の代表選手である銅、合成繊維原料の高純度テレフタル酸、汎用化学のポリプロピレンなどの基調も改善しています。これは、野村さんが指摘されていた中国向けの輸出増加が大きく影響しているようです。

手放しで楽観できる状況にはほど遠いにしても、景気の変化を敏感に映し出す商品市況の状況から目が離せません。

かかし

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デフェンシブから敏感株ですか、かかしさん

「デフェンシブから敏感株ですか、かかしさん」

 かかしさん

そういえば最近私の保有する食品&医薬品株が冴えなかったです。

これからは景気敏感株ですか。時々書いていますがCRB指数、工業資源、穀物などが反騰しているのが気になっています。

ニュージランドや南アは食品価格の高騰に頭を痛めているようです。もちろん日米欧はデフレ懸念の話が絶えませんが

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さらに一歩(その2):かかし

 「かかし」です。

 堅調な株式市場が続きます。先週一週間で日経平均株価は約5%上昇しました。一方、米国のダウ平均株価は1%弱の上昇にとどまりました。この堅調さは持続するのでしょうか?それを考えてみたいと思います。

 まず日米の株価動向を見てみましょう。

20090323

 最近になって注目すべき動きが出てきました。これまで見事なまでに連動してきた日米の株価が独自に動き始めたように見えます。

 米国株が上げても日本株は下げたり、米国株が下げても日本株は上げたりすることが頻繁になっているようです。

 これをどう理解すればよいのか?「世界同時恐慌」のパニックが鎮まり、各国の株式市場が自国独自の要因で動き始めたのだと、私は理解しています。

 AIG役員のボーナスが多すぎるという批判が米国内で高まっていることが、日本の金融株の直接的な売り材料になるわけではないのではと、冷静に考えるゆとりがようやく出てきたようです。

 ならば、これからどうなるのか?ここはひとつ株式市場に聞いてみましょう。まず先週大きく上げた銘柄です。

              銘柄名                                業種                     株価上昇率(%)

              大京                                   不動産                  +53.85

              オリックス                         その他金融           +43.96

              パイオニア                         電気機器              +32.96

              長谷工コーポ                     建設                     +31.71

              日立国際電気                     電気機器              +24.96

 次に、大きく下げた銘柄です。

              銘柄名                                業種                     株価下落率(%)

              不二製油                            食品                     -9.69

              日清オイリオ                     食品                     -9.05

              ドンキホーテ                     小売                     -6.82

              プリマハム                         食品                     -5.69

              中外製薬                            医薬品                  -5.20

 これまで低迷していた銘柄群が回復すると同時に、不況抵抗力の強い銘柄の株価が低迷しています。株式市場は景気の底打ちを先取りしはじめました。

 この展開に沿って、先週は景気回復に敏感に反応する商品市況関連株についてお話しました。とくに原油価格の動向に注目すべきだと指摘しました。

 当面はこのスタンスを継続すれば良いと考えています。ただし、今の段階から、その次に予想される展開を頭に入れておくことは決して無駄ではないでしょう。

 一つは極端に株価が下落したハイテク株の反騰です。すでにその動きは出ています。パイオニア、日立国際電気、大日本スクリーンなど半導体や液晶関連が注目されます。ただし、電子部品業界はいまだに在庫水準が高く、減産の継続は不可避と見られるため、大底からのテクニカルなリバウンドを越えて,趨勢的な上昇局面が長期間続く可能性は低いと予想されます。

 二つ目は公共投資関連銘柄。財政面からの景気テコ入れによってメリットを受ける銘柄群です。実は、昨年秋口に理想買いの局面があったことを記憶している方も多いと思います。ただ、その後の株式市場の大幅調整で、織り込まれていた理想買いの部分が消えてしまいました。そのため、今春以降の現実買いの局面でしかるべき投資収益が期待できそうです。

 私は、公共投資による需要増加の恩恵をストレートに受ける前田道路などの道路株や、住宅ローン減税が業績の下支えとなる積水化学工業などの住宅関連株に注目しています。

 だが注意してください。短絡的なイケイケどんどんは避けましょう。歴史に残る反騰相場を前に、投資収益を確保する機会は十分にあります。落ち着いて株式市場と向き合いましょう。

 かかし

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2009年3月16日 (月)

さらに一歩(その1):かかし

 「かかし」です。

 昨年12月に「嵐の船出」をしてもう4か月になろうとしています。最初は、「不況に負けない元気な株」を探し出して嵐に備えました。そして、しだいに嵐から抜け出す気配を感じ、底打ちの兆しを確かめつつ、「次の一手を考える」ことに集中してきました。今回から「さらに一歩」進めてみようと思います。

 まず最近3週間の日米株価動向です。日経平均株価は赤い太線で示しました。

090316

 日経平均株価は、先週にも申し上げた通り、NYダウ平均株価から離れて上に行きたがっている様子です。金曜日には、ようやく25日移動平均線を上回りました。1月中旬以降ずっと下回っていただけに、基調の転換を予感させます。もっとも、NYダウも急速に追いついてきました。

 では、このような局面では、どのように対処すればよいのでしょうか?百人百様の考え方があるでしょう。私は景気動向と株価との関連性に注目しています。

 カリフォルニア大学アービン校で公共経済学を担当されているピーター・ナヴァロ教授が2002年に書かれた「ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え」(IF IT'S RAINING IN BRAZIL, BUY  STARBACKS PETER NAVARO ,  McGraw-Hill, 2002) という本が景気と株価について、非常に明快で示唆に富む記述にあふれていて参考になります。株好きの大学教授は結構多いのですかね?

 教授の考え方を詳細にお伝えするのはまたの機会にして、ここでは、景気の底打ち局面でどのようなセクターの株価が動くかという点だけに焦点を絞らせていただきます。景気の大底で金融、その後強気相場初期に輸送機器、そしてテクノロジーと続くのだそうです。

 金融、輸送機器と最もダメージの大きいセクターが反発に転じれば、株価パフォーマンスはすごい数字になりますから、教授の見方が正しいのかも知れません。

 景気と株価の関係は、米国だけでなく、日本でも同様に見出せるので、重要な参考書としてとても大切にしています。ただし、米国も日本も、現在までのところ鉱工業の出荷に基調転換が確認できないため、教授の理論をそのまま使ってポートフォリオを作る勇気が出てきません。

 そこで、私が現在頼りにしているのが商品市況です。すでに底打ちが鮮明です。まずCRB指数を見てみましょう。上昇に転じたとは言えませんが底堅さが鮮明です。

Crb_index_20090316

 次に原油。WTIはすでに反騰局面に入ったように見えます。

Wti20090316

 バルチック海運指数もWTI同様に反騰局面に入ったようです。

20090316

フィラデルフィア半導体指数まで上昇に転じています。これで、インテル株も上昇しているようですが、これはちょっと出来すぎかも。ハイテク分野の在庫は依然として高水準にあるからです。

20090316_2

 以上の動向を見れば、商品市況、特に原油の底打ちに対する興味が湧いてきます。国際石油開発帝石などの石油開発株だけでなく、新日本石油などの石油精製株も注目です。商社株も石油価格との連動性が高く注目しているのですが、三菱商事は原料炭の価格低下によるダメージが懸念され、三井物産も鉄鋼石価格の低下が株価を抑えそうです。ただし、住友商事は、もともと不動産会社が発祥のため、原料炭や鉄鉱石の比重が低く、事業のバランスが良いので注目しています。

 かかし

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2009年3月 9日 (月)

次の一手を考える(その4):かかし

 「かかし」です。

 出版社系の会社にいるせいか、日本株に対する投資意欲がいかに減退しているかが肌身にしみて感じられます。

 最近2週間の日米の株式市場の動向を見てれば、いつもどおり米国株式市場の影響を大きく受けています。

Ny20090309

 この連動性は、日本株独自のダイナミズムが失われた結果と見ることができます。ただ、この間に、日本経済にとって悪いニュースが山のように出てきたにも関わらず、株式市場が大きく下げていないことに注目したいと思います。いつもこのような展開になるわけではないからです。大底圏に達したシグナルかもしれません。

 同時に、どうも日本株は米国株から離れて上に行きたがっている感じがするのはわたしだけでしょうか?米国株が大きく下げても、日本株が思ったより下げない場合が増えてきたような気がします。ひょっとすると、これも大底圏に達したシグナルかもしれません。

 では、大底に達した場合のシグナルとは何か?明確な決め手があるわけではありませんが、市場が発してくれるシグナルをどう受け止めるかに尽きるようです。ポイントは、「悪いニュースに反応しない、もしくは逆行して上昇することさえある―――という状況が頻繁に生じる」ということです。

 ついでに、大天井をつける場合には、「良いニュースに反応しない、もしくは逆行して下落することさえある―――という状況が頻繁に生じる」ということが言えるように思います。

 同志社大学の浜矩子教授が「グローバル恐慌」(岩波新書)という本の中で述べられていますが、現在の「恐慌」を理解するには、1970年代の初めのころがとても重要なのだそうです。1970年にはジニーメイ(GNMA)と呼ばれる米国の政府抵当金庫が融資債権の証券化を始めました。翌年にはニクソン大統領がブレトンウッズ体制の終焉を告げました。ドルが金のくびきから逃れることになったのです。その結果生じた金融の急激な自己増殖が破綻清算されているのが現在の状況だと教授は指摘しています。

 その観点で、1971年から現在までの日米株式市場の動向を見てみると、なかなか興味深いチャートですね。情けない話ではあるのですが、日本株の最大の魅力は極めて安くなってしまっているということくらいです。そして、日本のゼロ金利がこの恐慌の重要な原因の1つであるという浜教授の指摘どおりの展開がチャートに表れている気もします。重要だと思うのは、1971年初めの日経平均株価を100とすると、現在はおよそ300強にすぎない水準になってしまったということです。ずいぶん差が縮まりました。ちなみに、NYダウ平均の水準は1971年のおよそ8倍弱です。

Ny197120090309

 もう一歩話を進めてみましょう。1971年にはラーメン一杯が100円で食べられました。今は500円です。もっとも、私がたまに行く北千住駅の地下鉄構内の食堂は380円ですが。このような物価の動きをGDPデフレータという道具を使って修正して、実質日経平均株価というのを作ってみました。

20090309_2 

 実質日経平均株価はすでに1971年の水準近くまで低下してしまいました。つまり、長期にわたる物価上昇の影響を考慮すると、現在荒れ狂っている「恐慌」の原因が発生した当初の水準まで株価が逆戻りしてしまっているのです。この水準を非常に魅力的だと思いませんか?「大底」のシグナルを注意深く観察しながら、「次の一手を考える」ということで話を進めさせていただいている理由の一つがここにあります。

かかし

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2009年3月 2日 (月)

次の一手を考える(その3)追加コメント:かかし

 「かかし」です。

 今朝お送りしたレポートの中で、重要な図が抜けておりました。申し訳ありません。

200901

 2009年1月の鉱工業在庫循環モメンタムです。太い実線が在庫循環モメンタムです。そして細い実線が出荷の前年同月比、破線(点線)が在庫の前年同月比となります。

ポイントは破線の在庫の動きです。金額ベースでみた在庫の伸びには急ブレーキがかかっています。経済産業省の数字は数量ベースなので、この動きが鮮明に見えません。

もう1つのポイントは、この在庫循環モメンタムと株価が連動すること。株価が経済のダイナミズムを映す鏡であることを考えれば当然なのでしょうが・・・・

090227

かかし

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次の一手を考える(その3):かかし

 「かかし」です。

 先週の株式市場は堅調でしたね。日経平均株価は、わずか0.4%の上昇とはいえ、米国のダウ平均株価が4.1%も下落する中での上昇でした。しかも鉱工業生産が、季節調整済み前月比で10%という過去最大の下げを記録したのを無視するかのような動きでした。

 そこで今日は、「悪い経済指標にもかかわらず、なぜ株式市場は堅調なのか?」、そして「悪い経済指標の代表格である鉱工業生産をどう見るか?」の2つに焦点を絞って考えてみたいと思います。

 まず、株式市場の動きです。太線が日経平均株価、破線がNYダウ平均株価です。週後半の乖離が鮮明です。090227_3

 

 その要因は円安にあるようです。円/ドルの動向と株価を重ね合わせてみると、輸出関連銘柄の堅調ぶりを思わせます。円/ユーロも同様の動きでした。090227_4

 次に鉱工業生産を見てみましょう。1月は季節調整済み前月比10.0%、原指数の前年同月比30.8%の下落でした。過去最大とのことです。200901

 次に、数量ベースで出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた「出荷在庫バランス」を見てみましょう。この「出荷在庫バランス」は三菱東京UFJ銀行のエコノミストである嶋中雄二氏が提唱されている指標です。200901_2

 細い実線で示される出荷が大きく下落していますね。でも破線で示される在庫に注目してください。若干低下しています。つまり、出荷が弱いのですが、生産がうまく抑制されたため、在庫の伸びが止まったのです。この点が重要です。鉱工業生産の増加が望ましいのは、出荷が十分に強い時だけです。出荷が弱い時には、株式市場は鉱工業生産の減少を「良いニュース」と判断する傾向があります。

 もう少し詳細にみてみましょう。乗用車の出荷在庫バランスです。ちょっと見にくいのですが、破線の在庫に注目してください。増加したとはいえ、ほぼ前年同月の水準にあります。つまり減産で在庫が抑制出来ているのです。減産を緩和の動きを予想するのが合理的でしょう。200901_3

 次に集積回路です。破線の在庫が大幅に上昇しています。減産が不十分です。半導体などハイテク産業の厳しい状況はしばらく続きそうですね。200901_4

 それでは、金額ベースで出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた「在庫循環モメンタム」を見てみましょう。嶋中氏の「出荷在庫バランス」と比べて異なっているところがおわかりになりますか?破線の在庫です。金額ベースでみた在庫が、原材料価格の低下を反映して大きく減少しているのです。この在庫金額の減少は好ましい展開といえます。

 なぜ在庫循環モメンタムなどという、一見すると面倒な指標にこだわるのでしょうか?理由は簡単です。株式市場が在庫循環モメンタムに連動するのです。090227_5

 今後の株式市場は、多少の下落余地があるものの、すでに十分に低いといえます。更なる下落を考えることに貴重な時間を費やすより、反騰に備えたシナリオをたくさん用意することに時間を割いたほうが意味があるでしょう。「次の一手」を考えましょう。

かかし

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2009年2月23日 (月)

次の一手を考える(その2):かかし

 「かかし」です。

 先週もお話しましたが、私の所属する出版社の雑誌の関係で、四半期決算の時期には、約1か月の間は決算書に埋もれて企業分析に追われます。それがやっとおわりました。1か月ぶりの休日を楽しんでいます。

 そのようなわけで、このブログも、そして株式市場の動向も十分にフォローできていません。申し訳ありません。しっかりキャッチアップします。

 この1か月の株式市場を振り返ってみると、興味深い動向でしたね。実線は日経平均、点線がNYダウ平均です。

Photo

 何が興味深いかというと、まったく同じ動きだからです。日本では、政治不信、酔っ払い大臣問題、2けたのGDP下落、大赤字の企業収益、貿易黒字の大幅減少などなど、悪い話が山のようにありました。でも株価は単に米国に連動しただけです。日本の特別な要因に株式市場は反応していないのです。感覚的には日本の株式市場のほうが大きく下げていないと具合が悪いような気がするのですが・・・・面白いものです。

 ということは、「次の一手」を考えるというこれまでの方針を変更する必要はないようです。

 そこで、大赤字の企業収益の問題を考えてみるための話題として、新日本石油を見てみましょう。日本最大の石油精製会社で、ENEOSというブランドでガソリンを売っています。この1か月の株価は太い線、日経平均が細線です。

Photo_2

 株価が上げていますね。ところがこの間にとんでもない展開がありました。1月30日に10-12月決算を発表したのですが、同時に20093月期の業績予想を大幅に下方修正したのです。120億円の営業赤字という従来の予想を3040億円の営業赤字としました。赤字が一挙になんと2090億円も膨らんだのです。前年は2639億円の営業黒字でした。

 これは、会社側が公式に発表したもので、正しい会計プロセスを経ているものですから、決して文句をつけるようなものではありません。

 でも考えるべき問題があります。石油会社は大量の原油を持っています。その価値が原油価格の変動で大きく動きます。会計原則では、その価値が変動した場合は、その変動分を、たとえ実際に販売していなくても損益として計上しなければなりません。「在庫影響」が損益に重大な影響を及ぼします。

 その在庫影響を除くと全く違った構図が浮かびあがるのです。「在庫影響」を除くと3040億円の営業赤字どころか、1060億円の営業黒字になります。前年の「在庫影響」を除く営業利益が961億円でしたから、何と10%の増益なのです。

 株価が上昇したわけが見えてきます。

 10月には新日鉱ホールディングと経営統合します。JOMOのブランドでガソリンを売っている会社です。石油部門はジャパンエナジー。女子バスケットが強いです。以前はam.pmというコンビニの親会社でもありました。

 その新日鉱ホールディングの20093月期の公式な業績予想は1080億円の営業赤字。赤字会社と一緒になってどうすると思われるかも知れませんが、同じメカニズムが隠されています。「在庫影響」を除くと400億円程度の黒字なのです。

 新日本石油の株をいつ売るかということも考えておく必要があります。もし、経済の低迷が続き、原油価格も底這いのまま1年が過ぎると、原油価格の前年と比較した変化率はゼロになります。そうすると「在庫影響」がなくなります。つまり、経済の回復がなくても「在庫影響」がなくなるため、約4100億円の増益になるのです。

 投資家のなかには「減益は売り」「増益は買い」と考える人たちがいっぱいいます。大幅増益を好感して買いに入る投資家は多いはずです。その人たちに気持ちよく買ってもらうために、売り払ってください。それで取引は完結です。

かかし。

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2009年2月22日 (日)

ディフェンシブ特集について:かかし

野村さん、明日10時に出す予定の投稿記事にも書いておいたのですが、ここ1か月仕事で缶詰状態であったため、このブログのフォローが出来ておらず、大変に申し訳ありません。雑誌の編集ではデッドラインの圧力はまさに地獄です。

ディフェンシブ特集がありましたね。野村さんのおっしゃる通り、陰でひっそりと楽しむというスタンスに大賛成です。何しろ周りの人達が損失でもがき苦しむなかで着々と利益の蓄積が可能になるという性格の株ですから、ひっそりと楽しむにかぎります。

ですから、新聞で大きく取り上げられて、人々の注目が集まるというのはあまり良いシグナルとは言えません。一休みすべき時が近づいているのかなと思います。

薬品会社も風邪薬や化粧品の優待券があるといいですね。

それから、時々出てくる景気反転のシグナルには、私も注目しています。ご指摘のとおり、背後に中国の需要がある点も全く同感です。海運市況の底打ち、プラチナの価格上昇、合成繊維原料市況の反転、トヨタの減産終了・・・・・・・・・

株式市場は悪い話には鈍感になっています。ということは、良い話には敏感になってきているのだと思います。明日はその観点から、新日本石油の株価の動きのお話をさせていただくつもりです。

かかし

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kakko

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2009年2月21日 (土)

かかしさん、デフェンシブ特集ありましたが

「かかしさん、デフェンシブ特集ありましたが」

土曜日の日経朝刊の市場欄に大きくデフェンシブ株が特集されていました。かかしさんが12月から取り上げていた件ですね。

 私の保有のアステラス(配当3.67%)は配当順位が8位でした。エーザイの4.61%が首位でした。

これらがデフェンシブ株なんですね。

でもデフェンシブ株なんであまりハデに取り上げて欲しくないですね。影でひっそり楽しみたいです。

また株式や為替情報に強いフィスコ社は14営業日連続上昇というのにはびっくりしました。個人が買い上げているようです。リッチな個人ですね。

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2009年2月16日 (月)

ディフェンシブ下落同様の兆し、かかし様

「ディフェンシブ下落同様の兆し、かかし様」

かかし様

 日本株のディフェンシブが下落し、成長株?が上昇しているのですか。

それと同じ意味かどうかわかりませんが世界各国の(日本を除く)PMIがまだ景気判断の分かれ目の50以下ですが最近反発していたり、金のような資産でも宝飾でもない工業資源のプラチナ、パラジウムが上昇しています。

まだ大きく各国株式には影響していませんが、いい兆しになればと思っています

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次の一手を考える(その1):かかし

「かかし」です。

10-12月期の決算がようやく終わりに近づきました。私は経済雑誌系の調査会社で企業調査を担当しているので、この時期は大忙しです。徹夜こそしませんが、もう1か月近く土日返上で朝から晩まで決算書類と格闘しています。

それにしても悪い決算です。日経新聞では2009年3月期は460を上回る会社が最終赤字になると指摘していました。投資有価証券評価損など特別損失も大きいので、最終赤字やむなしというところです。

気になるのは、会社の公表する通期の予想と、4月-12月の実績数字を比較すれば、この1-3月について相当数の会社の営業損益が赤字になることです。最終赤字はともかくとして、営業赤字というのはとんでもないことです。

決算数字を見ていて背筋が寒くなります。経営者の方々は背筋どころか全身に戦慄が走っているのではないでしょうか?

このような状況のなかで、驚くべきことがあります。株式市場はこの決算に深刻な反応をしていないのです。もちろん悪い決算で下げる銘柄は多いのですが、先週の日経平均はわずか3.7%しか下げませんでした。NYダウが5.2%下げたことを見れば、日経平均は決算内容を無視したといえます。また、10-12月のGDP予測も問題としませんでした。

このような場合、株式市場が間違っていると考えたくなるのですが、市場に敵対して勝ち目はありません。株式市場は底打ちのサインを送り始めました。

市場が底を打つときの重要なサインは他にもいくつかありますが、その中でも特に重要なのがディフェンシブ株の動きです。底打ちの局面ではディフェンシブ株が値を消します。

ディフェンシブ株が値を消すのは大きく見て2つの場合です。

    株式市場が本当に悪い時。ディフェンシブだろうと成長株だろうと株という株はすべて売られます。当然、株式市場は大暴落の只中です。

    底打ちで主役が交代する時。ディフェンシブ株が、その役割を終え、「次の一手」を担う銘柄群にバトンタッチをする場合です。

どうも②の可能性が高くなりました。ようやく「嵐のなか」という表現を使わなくても良くなりそうです。

参考までに、先週の気になった銘柄の株価動向を書いておきます。

下落した主な銘柄

              ワタミ                                小売       -9.64(%)

              アサヒビール                     食品       -8.75

              味の素                                食品       -6.54

              キリン                                食品       -6.41

              コカコーラ・ウェスト       食品       -6.14

              第一三共                            医薬       -5.74

              花王                                   化学       -5.65

上昇した主な銘柄

              古河電池                            電機       15.92

              鶴見製作所                         機械       15.85

              GMOインターネット      通信       11.83

              イビデン                            電機      9.29

              ホシデン                            電気        8.60

              SANKYO                           機械        8.10

かかし

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2009年2月 9日 (月)

米国の在庫循環モメンタムを読む:かかし

「かかし」です。

相変わらず、悪い経済指標が続きますが、底堅い株式市場ですね。このような状況が続くと、「弱気のコンセンサス」に多少の乱れが生じます。「弱気ではない」(強気に見える?)見方も出てくるようになります。

「次の一手」を真剣に考えるべき時期にさしかかっていると思いますが、大きな転換点では油断は禁物です。嵐が完全に去ったわけではありません。

そこで、「次の一手」に入る前に、もうちょっと時間もありそうなので、米国の様子を見ておこうと思います。なにしろ、株式市場から見る限り、日本は米国の完全連結子会社なのですから。

米国商務省のM3と呼ばれる出荷在庫データを使います。日本の経済産業省のデータは数量ベースですが、米国商務省のデータは金額ベースです。金額ベースで見た出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いたものを「在庫循環モメンタム」と呼ぶのは以前お話したとおりです。

まず長期の展開から。70年代の石油危機以降に全製造業の在庫循環モメンタムがダイナミズムを失ったように見えるのは、他の成熟国にも見られる共通した動きです。現在は在庫循環モメンタムが大きく下落しています。その大きさは石油危機のころに近いですが、下落のスピードは石油危機を上回ります。

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次に、最近の動向をもう少し詳細に見ます。意外にも、底が抜けたような下落にはなっていません。それどころか、12月には若干反騰しました。もちろん、わずかですが。

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気になる自動車の動向はもっと意外です。出荷は落ちていますが、減産で在庫調整が順調です。そして、出荷でさえ下げ止まりの動きが出ています。

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IT産業の動きも見ておきましょう。自動車よりも状況は悪いのですが、在庫の積みあがりは限定的です。フィラデルフィア半導体指数を見ると、下げ止まりはもっと鮮明です。

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結論として言えることは、実体経済は確かに弱いのですが、どうも底が抜けたようなとんでもない状況ではなさそうです。ちょうどオデキができた時のように、腫れがひどい時には、命にかかわる重大なことに思えるのですが、腫れが引くと本当の患部に限局してきます。同じような展開になるのではないでしょうか?

かかし

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2009年2月 4日 (水)

野村さまへ:かかしより

 ディフェンシブ銘柄はどうやら世界中で活躍していたようです。米国のジョンソン&ジョンソンなども良かったみたいです。つまり世界的な景気減速が背景だったということなのだと思います。

武田薬品の場合は、製薬会社であると同時に、ソニーやトヨタのように日本を代表するグローバルブルーチップスとしての顔も持っています。そのため、世界経済の動きに左右されがちです。海外事業の比重が大きければ為替の影響も大きいです。

そう言えば、野村さんが指摘しておられた米国と日本の減益幅の相違も、為替の影響が大きいと思われます。輸出立国である日本企業は現在のような局面では、どうしても為替差損や評価損が大きく膨らみます。データを検証したわけではないのですが、この為替に関わる部分が日本企業の減益幅の大きさに影響しているのではないでしょうか?その点キーカレンシー国の企業はいいですよね。

話は変わって、仕手株ですが、持田のほかにも仕手株があります。というより、制がん剤やバイオなど市場のテーマしだいで、医薬関連銘柄も突然仕手株に変身してしまいます。

製薬会社やビール会社のM&Aについては、現在のところ海外での資金調達は多少引き気味なので、もし円で調達ということになると為替に影響してきそうです。円が強くなっていますから、円を使って、海外企業を安く買おうとする動きは、今後世界経済が落ち着いてくれば一段と強まるかもしれませんね。

かかし

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2009年2月 3日 (火)

デフェンシブ株上昇です、かかしさん

「デフェンシブ株上昇です、かかしさん」

かかしさま

昨日はアステラス、塩野義、持田、小林などの製薬会社、すなわちデフェンシブ銘柄の決算がありました。

 私はディフェンシブとは知らずに買っていた薬品株や優待券自給自足目的のファーストフード店の株を持っていますが、今朝はアステラス、持田、日本新薬、ワカモトなどが上がってくれているようです。武田薬品は下落ですね。

持田製薬って昔かなりの仕手株だったという記憶があります。

またそれとは関係ないですが、日本の製薬会社とビール会社の海外企業の買収の報道もよく聞きます。為替取引に関係してくるかはわかりませんが

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2009年2月 2日 (月)

12月の鉱工業生産動向をどう読む?

 「かかし」です。

 先週は悪い経済指標が相次ぎました。上場企業の10-12月決算も非常に厳しい状況です。ところが、終わってみれば日経平均株価は1週間で3.2%と大きく上昇しました。

 良い株式指標で株式市場が上昇し、悪い経済指標で株式市場が下落してくれれば、とても単純明快なのですが、なかなか教科書どおりにはいかないようです。長年アナリストをやっていて、これにはずいぶん苦しめられました。

 鉱工業生産動向という経済指標に注目してみましょう。

 生産の増加は「良いシグナル」で株式市場の上昇要因であると思われがちです。しかし、出荷、つまり需要が弱い時は、生産の増加は在庫を膨らませるだけですから、株式市場は「悪いシグナル」とみなします。

 生産の減少は「悪いシグナル」で株式市場の下落要因であると思われがちです。しかし、「悪いシグナル」であるのは、出荷の低迷に減産が追いつかない時だけです。この時にも在庫が膨らみます。

 要は、鉱工業生産の数字だけでは、それが「良い」のか「悪い」のか「中立」なのかを判断できないということなのです。

 先週金曜日に発表された12月の鉱工業生産動向はどうだったのでしょう?

 まず生産の動きですが、厳しい状況です。原指数の前年同月比は-20.6%、「生産は急速に低下している」と経済産業省も真っ青です。

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 次に、数量ベースで出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた指標である「出荷在庫バランス」を見てみましょう。やはり厳しいですね。ただ2つの点に注目しています。(1)出荷の下落に減産がほぼ追いついている。(2)そのため、在庫の伸び率に頭打ちの兆しが見える。

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 そこで、金額ベースで出荷の増減率から在庫の増減率を差し引いた指標である「在庫循環モメンタム」を見てみましょう。様子がかなり異なります。出荷の下落に減産が追いついている点は同様なのですが、在庫の減速が加速しています。そのため、「在庫循環モメンタム」に下落がほぼ止まってしまいました。

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 その理由は、産出価格、つまり製品の出荷価格に比べて、投入価格、つまり原材料コストの下落幅がはるかに大きいためです。

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 だから何なんだ?ということになるわけですが、株式投資の観点から、12月の鉱工業生産を次のように理解しています。

     (1)   生産の落ち込みは厳しい。

     (2)   しかし、出荷の減少に減産がほぼ追いついている。

     (3)   しかも、数量ベースの在庫の増加ピッチは減速している。金額ベースでの減     速は大幅。これは株式市場には「良いニュース」。

  (4)   したがって、12月の鉱工業生産動向を見て、過度に悲観的になる必要はないと思われる。

 むしろ気になるのはこれからの動向です。今から12ヶ月後に生産が落ち着きを取り戻していて、現在の水準よりわずかでもよくなると、対前年同期比では現在の-20.6%から±ゼロの近辺まで大きく戻すことになります。大きな回復ですね。株式市場は実体の経済にとって先行指標であるならば、非常に近い将来にそのような展開を織り込み始める可能性があります。

 悪い経済指標に過度に悲観的にならず、冷静に「次の一手」を考えたいものです。

かかし

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2009年1月26日 (月)

日本の株式市場の調整について考える:かかし

「かかし」です。

株式市場の調整がきついですね。今年17日に9325円をつけてから約17%下げました。一方、ニューヨークダウ平均、ナスダックともほぼ同じ期間におよそ11%の下落でした。

米国株の下落と対ドル(対ユーロもですが)円高の相乗効果で、日本株の下げが大きくなりましたが、チャートを見ると日米の動きはウリ二つです。日本は米国の完全連結子会社といった感じです。

この日本の株価の動きをどう見るかについて考えて見たいと思います。

この動きの背景として重要なものの一つとして、20004月に日経平均の構成銘柄を入れ替えたことが挙げられるでしょう。30銘柄と大規模な入れ替えでした。住友石炭、富士紡績、旭電化、三井倉庫などが外され、TDK、アドバンテスト、カシオ電気、東京エレクトロンなどが新たに採用されました。

今から思えば、よりによってITバブルの絶頂期に、IT関連銘柄を中心とする「輸出型値がさ株」を大量に組み込んだのです。そのため、日経平均という指標そのものが円高に弱い指標となってしまいました。

その後のITバブル崩壊と日経平均の動きは説明するまでもないでしょう。なぜあのような大幅な銘柄入れ替えをしたのかを考えてもあまり大きな意味はありません。今とは反対に「強気のコンセンサス」が市場に充満していたので、やむをえないことなのでしょう。それにしても現在の円高はきついです。

当面は、内需型のディフェンシブ銘柄を軸に、「不況に負けない元気な銘柄」を組み入れるという、これまでの対応を継続する必要があります。

ただし、ITバブル期の「強気のコンセンサス」の裏返しのような「弱気のコンセンサス」が形成されていることには注意しなければなりません。次の一手をそろそろ頭に入れておく必要があることについては先週も申し上げました。

むずかしいのはそのタイミングです。正直なところとても難しい。

難しいならば、素直に市場に聞いてみるしかありません。こういう時に頼りになるのは商品市場です。気になるのは、株式市場が下げているのに、商品市場は底堅さが鮮明になっています。原油価格は昨年12月19日のバレル33.87ドルを底に基本は上昇基調です

その原油価格の動向に連動するのが、鉱業、石油精製、商社といった銘柄群です。参考までに石油価格と三井物産の株価の動向を描いてみました。石油価格は日銀のデータで、日本への輸入価格を指標化したものです。

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かなり両者の連動性が高いですね。業績はこれから悪くなります。しかし、株価は石油価格に連動して、すでに下げてしまいました。原油価格は底堅くなりました。つまり、これから業績は悪くなるというのに、株価は原油価格に連動して上昇を始める可能性が高まっているのです。

もちろん原油価格だけでなく、CRBなど商品の総合指標や、バルチック指数などの海運指標にいたるまで、昨年の秋以降は底堅くなっています。

次の展開を見据えた投資方針を真剣に検討する必要があります。

かかし

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2009年1月19日 (月)

津田さんに:かかしより

 津田さん

Financial Reviewの興味深い記事をありがとうございました。

株の世界では投資信託を選ぶときなどに同じようなことが起こります。パフォーマンスの良かったものに人気が集中するのです。ところが翌年のパフォーマンスは、ほとんどの場合、前年に低迷したものほど良いのです。

「市場が下がればもっと下、上がればもっと上」というのが投資家心理なんでしょうね。「赤信号皆で渡れば怖くない」群集心理とも言えます。

去年はねずみ年で、占いでは相場は良いはずでしたが、とんでもなく悪いものでした。今年は丑年で相場は良くないとのことですが、悲観的なコンセンサスとは異なり、とんでもなく良い年になるなんてこともあるかも(そうであってほしい!!!)しれませんよ。

米国の回復が一番早いかどうかはわかりません。ただ、これまであまりにも良かったのが気になります。しかも悪化の引き金が、経済の長期波動の根幹である住宅・不動産であるというのも気がかりです。

それに比べて、日本は金融システム不安に関しては世界に誇れる先進国です。不動産暴落に関しても大先輩ですからたいしたものです。

そのため、日本の回復が以外に早いかもしれないと期待をこめて見ています。

かかし

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かかしさん並びに株の専門家の皆さん質問です:津田

かかしさん、本日もまたわかりやすい株のレクチャーありがとうございました。いや世の中ドル円60円とかダウ5000ドルとか言う人が多くて、私も少々辟易しています。私はかなり天の邪鬼ですが、2001年豪ドルが47セントまで落ちていたとき、市場の見方豪ドル30セントには断固反対でした(といいますが50セントがボトムと言ってました)し、昨年7月の豪ドル円パリティー予想にも断固反対でした。(まあ98セントもパリティーも同じだ、、と言えばそれまでですが、、)過去を見ても1985年ポンドが対ドルでパリティー(1STG=1USD)に行くかどうか?というう大論争が起きましたが結局1STG=1.02USDあたりで止まったと記憶しています。なんで市場は下がればもっと下、上がればもっと上なのでしょうか?本当に投資目的で円を買うのでしょうか?米株を売った資金でどこの株を買うのでしょうか?景気下降局面が終了したとき米国の回復が一番早いのではないでしょうか?すみません、なんで興奮しているのか自分でもわかりません!!??

それで本題ですが、1月6日付の当地Financial Reviewに以下の記事が出ておりました。これに対するご意見はいかがでしょうか?単に偶然で、今年が最初の例外年になるのでしょうか?

「.米国の株式市場において歴史的に見て1932年以来例外なく、BEAR MARKETの翌年は最低21%株価が上昇している。これはたとえ今年米国経済が停滞する場合にも当てはまるということで38.5%下落した昨年とは違い今年は期待できるとのこと。因みに最初のBEAR な年の翌年1932年に株価平均は46%上昇している。」

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「ディーラーは成長産業かディフェンシブか」:かかし

 野村さん、かかしです。

先週は日曜日まで、出版関係の仕事でドタバタしておりました。返事が遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

「ディーラーは成長産業かディフェンシブか」というおたずね、面白い切り口ですね。いままで考えてみたことがありませんでした。

結論は、どちらでもなさそうです。

株式投資では、株価の動きの特徴から成長、ディフェンシブに加えて景気の変動に敏感な循環株(シクリカル)という分類をします。そのシクリカルにあたるのではないかと思います。

景気や市場の変動に大きく影響されるのは、私たちの仕事の宿命なのだと思います。

もっとも、個人単位のレベルでは、投資哲学や能力によって、成長、ディフェンシブ、シクリカルに加えて衰退というのもあるでしょう。

投資運用の世界では、バークシャー・ハザウェイを率いるウォーレン・バフェット氏や、かつてマゼラン・ファンドの運用で一世を風靡したフィデリティーのピーター・リンチ氏など、超優良成長株とみなされる人々もいます。その人たちをお手本に、研鑽に励みたいものです。

「今は春?夏?秋?」ーーーそうですね。冬から早春の兆しが見え始めたころではないですか。もっとも為替と株式では季節感が違うかもしれません。

かかし

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「嵐の去ったあと」の姿を思い描く : かかし

 「かかし」です。

 「嵐の船出」をしてほぼ1ヶ月半たちました。その間の株式市場といくつかの銘柄の動向を見ておきましょう。線がやたらに多く、見苦しいグラフですね。すいません。

                 Fxshonan000012                 

 このグラフが示すように、時々大きな波が押し寄せはするものの、全体としてみればむしろ意外なほど底堅い展開であったと言えそうです。東京電力や東京ガスなどの典型的なディフェンシブ銘柄のほかに、マクドナルド、エイチアイエス、ニトリなど「不況に負けない元気な株」が堅調であったことがわかります。

 この1ヶ月半程度の短いチャートでははっきりと描き出せないのですが、ディフェンシブ株が本来の働きしてきました。株式市場の下落局面で堅調な動きをしたということです。

 もし経済が破綻に瀕するほど危険な状況にあるのなら、そのようなことにはならないでしょう。ディフェンシブ株といえども売られます。株という株が売られるはずです。

 しかし、経済の代表的な先行指標である株式市場はそのような破壊的な動きをみせていません。むしろ粛々と荒波の中を前進しているようです。

 では今後の展開は? 2つの見方ができます。1つ目は、株式市場があまりにも楽観的で、悪いニュースを織り込みきっていないため、今後さらに大きく下落するだろうという見方。2つ目は、株式市場は、通常より大きな経済変動に影響されてはいるものの、基本的な循環軌道を踏み外していないため、大幅な株価下落の可能性は限定的で、早晩本格的な反騰があるだろうという見方です。

 1つ目の可能性は否定できません。ただ、株式市場が間違っていると思うのはしばしばあることですが、ほとんどの場合株式市場の方が正しいようです。もちろん、1929年にニューヨーク市場の暴落を予言したバブソンのような人もいましたが、常に極めて少数であるようです。現在の日本のように、書店の棚が「世界恐慌・・・」というタイトルの本であふれかえる状況では、かえってその可能性が低いのではと考えてしまいます。

 2つ目の見方は、株式市場が語ることに素直に耳を傾けようというものです。金融不安も実体経済の悪化も、すでに株式市場をたっぷり驚かせました。これからも、繰り返して出てくるでしょうが、もう寝耳に水というか初耳のびっくりマークのニュースというわけではないでしょう。

 私は2つ目の見方をしています。この観点からすると、あとしばらくの間は、株式投資はディフェンシブ銘柄が中心で良いのですが、そろそろ次の段階を見据える必要が出てきていると思います。

 「嵐の去った後」の姿を思い描く必要があるのです。もちろん一足飛びに景気回復シナリオとは行きません。景気底打ちの引き金となるべき、景気対策に注目しています。積極的な公共投資は世界の流れです。住宅ローン減税も大幅なもので期待が膨らみます。チャートを見れば、道路株や住宅関連の銘柄が元気な動きを見せはじめていることがわかります。

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2009年1月15日 (木)

ディーラーは成長産業かデフェンシブか

「ディーラーは成長産業かディフェンシブか」

本ブログでかかしさんにデフェンシブ株を教えてもらいました

ディーラーにも二通りあってポジションをとらない営業の方は企業が儲かっている時、景気がよくて株が上がって円安の時が儲かるので成長産業だろう。

ポジションをとるディーラーは景気の良し悪し、株高株安、円高円安でも儲けられるのディフェンシブとも呼べるし、成長産業とも呼べる万能な職業である。ということはどちらの時でも儲からないこともある。

 最近はGDP成長率が数%マイナスとか言って騒ぐが(私もだが)、ディーラーはある程度は成功報酬なので10%、20%、50%と年収が違ってくる。サドンテス的な解雇もある。

 銀行間取次ぎブロ-カーは90年代半ばまではシェアーは市場の100%であったが現在は10%未満となり多くが職を失った。今の派遣切りも厳しいがFX業界も結構タフな時代を経てきたのであった。今は春?夏?秋?

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2009年1月12日 (月)

米国雇用統計と日本株 : かかし

 「かかし」です。

 株式市場が底堅くなってきましたね。とは言え、週末にかけて弱くなってきたようにも見えます。今日はそのことについて考えて見たいと思います。

 弱くなってきた原因として最も大きいのは米国の雇用統計に対する懸念であったようです。

 実際、金曜日に発表された内容は厳しいものでした。12月の失業率は7.2%、前月の6.7%からさらに上昇しました。また、12月に職を失った人は524千人、前月に続き2ヶ月連続の50万人越えです。これは70年前に統計を開始してから初めてのことだそうです。

 このため、米国のダウ平均株価は143ドルも下げて8599ドルになってしまいました。日米の株式市場は連動性が高いですから、月曜日の米国の動きにもよりますが、休日明けとなる日本の火曜日の株式市場は安く始まる懸念が強いと思われます。

 ただし、気をつけてください。雇用統計を投資判断の材料にすることは危険です。

 理由は雇用統計が景気の動きに遅れるという特徴があるためです。この「遅行性」については、既に指摘する人も多いので重複は避けたいと思うのですが、日本の景気動向指数で、完全失業率が「遅行系列」に含まれていることは、是非念頭に置いておいてください。

 事実、11月の雇用統計の発表時には、大幅に悪化した数字にもかかわらず、米国の株式市場は下落するどころか、上昇しました。それに日本の株式市場も追随したのです。明らかに、株式市場はこの「遅行性」を織り込んで動いているようです。失業率の急増は株式市場の底打ちのシグナルと見るわけです。

 ただ、今回の米国の株式市場は、トレンドを崩すような大きなものではありませんでしたが、下落しました。前月とは、ちょっと様子が異なります。

 なぜでしょうか? 7.2%という失業率は確かに大きいには違いないのですが、1930年代の大恐慌の時代には、33年に24.9%というとんでもない数字を記録しているのです。だから、失業率が今後さらに大きなものになるかも知れないという不安があるのだと思います。

 そこはどう考えたら良いのでしょう? 本当のところは「神のみぞ知る」ですが、私はあまり大きく心配していません。

 米国の株式市場は確かに下げてはいるのですが、その下げ幅は大恐慌の時を意識しているとすればあまりにも小さいと言わざるをえません。

 1930年代には、291024日の「暗黒の木曜日」以降の金融破たんが放置されました。FRBも無力でした。本格的な対応策は、3334日にフランクリン・ルーズベルト大統領が就任したその日に成立した「銀行救済法」以降のことなのです。

 そして、33年には失業率が24.9%に達してはいるのですが、景気のほうは第1四半期を底に急速に回復を始めました。そして年率で8%を越える景気回復は37年まで続きます。当然ですが、株式市場も空前の急騰局面に入っていきます。

 今回は30年代とは違って、かなり早手回しに金融面での対応策がとられました。議会はともかく、FRBもがんばっています。米国の株式市場はそれがわかっているのでしょう。だから、12月の雇用統計が厳しいものであったにも関わらず、トレンドを大きく崩すような下げにはなっていないのだと思います。

 30年代のキーポイントは33年のルーズベルト大統領でした。彼は民主党。そして、有名な経済政策がニューディール。今回はどうでしょうか? オバマ新大統領は民主党。そして、テーマになりそうなのが、環境関連を軸とした「グリーン・ニューディール」。なんとなく期待感が膨らみます。

 では、米国に連動する傾向が依然として強い日本株をどう見るのでしょうか? 依然として嵐のなかから完全に抜け出したわけではありませんから、過剰な楽観は慎むべきでしょう。ただし、過剰な悲観も慎むべきだということです。

 これまで3回にわたってお話してきた「不況に負けない元気な企業」を中心に着実に投資を継続していきましょう。

 米国のCNNを見ていたら、エタノールの原料であるトウモロコシの生育に不可欠な農薬の会社や、不景気の憂さ晴らしに欠かせないアルコール飲料の会社を、元気な企業として一生懸命に紹介していました。世界中どこでも考えることは同じなのですね。

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2009年1月 5日 (月)

不況に負けない元気な株を探し出す(その3) 巣ごもり消費株

 「かかし」です。

 日経新聞によれば、低調な米国の年末商戦の中で、任天堂のゲーム機「Wii」が好調だったそうです。それを「巣ごもり消費」の反映と説明していました。

 「巣ごもり消費」・・・いいネーミングですね。不況に直面する消費者の行動が一言で表現されています。そして、「巣ごもり消費」の恩恵を受ける企業を探し出すことが、不況に負けない元気な株を探し出すことにつながりそうです。

 お金のかかる豪華なレジャーはあきらめて、家にとじこもる。ゲームソフトで楽しく時間が過ごせれば安上がりですね。任天堂をはじめ、いくつかのゲームソフト会社の名が浮かんできます。

 この切り口で、さらに多くの企業が芋ズル式に現れてきます。

 まず手始めにプラモデル。ゲームソフトと同様に、「巣ごもり」には最適です。経済産業省による11月の鉱工業生産動向では、全製造業の出荷は前年を17%も下回り、在庫は4%も増加しました。ところが、プラモデルの出荷は前年を約9%上回り、しかも在庫は2%も低いのです。まさに「巣ごもり消費」の恩恵が統計にも出ているというところです。ただ「タミヤ」など主力企業が上場していないのが残念です。

 不景気でボーナスが少なければ、家に閉じこもってばかりいても、フラストレーションがたまってしまうかもしれません。でも遠出はできないので近くのパチンコ屋へ。と言うわけでパチンコホールを主力とするマルハンが好調です。093月期の中間期の営業利益はなんと前年同期を68%も上回りました。通期で12%の営業増益という予想ですが、まず上方修正は固いでしょう。しかしこの企業も非上場です。

非上場企業ばかりが続きますが、ポイントは、あくまでも不況に負けない元気な企業を探し出すというところにあります。

欧米への大旅行はあきらめて、手近な韓国へ。対円ウォン安にも助けられて、安上がりで、近くて、しかも短期間で済む海外旅行として韓国が人気です。と言うわけでエイチアイエス。やっと上場企業が顔を出しました。足もとの業績は今ひとつですが、今後盛り返してきそうです。

レジャーはあきらめたけれど、ちょっとくらいおしゃれはしたい。安上がりで高品質なファッションとなれば「ユニクロ」の「ファーストリテイリング」。ヒートテックなどがいいですね。

このように挙げていけば、芋づる式にどんどん出てきます。不況に負けない元気な企業を探し出すことに没頭して楽しく時間をすごすのも「巣ごもり」の一種なんでしょうかね。

かかし

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2009年1月 4日 (日)

豪華新社屋、テニス、最後に資源:津田

どうも土日は頭のリセットに余念がないもので、失礼しました。リセットしすぎてメモリーロストなんてことも最近よくありますが、、、でも野村さんのフルマラソン参加やジムでの筋トレなど、やはり”トレーディングをやって、脳が疲れると同じように肉体も疲れさせたくなる”というのは人間の生理的欲求(ちょっと言い方がいやらしい?)のようですね。ところで新家屋→破綻(失礼)というのとちょっと違いますが、野村さんや私が昔いた東京銀行では”持ち家を新築・購入するとかならず海外転勤になる”というジンクスがありましたね。これは単に人事部の嫌がらせではなかったかと今では思っていますが。私は持ち家がなく、その心配はなく、むしろ海外赴任者の代用社宅を汚す側(?)でしたが。ただ野村さんの大学の野球部の先輩であった、当時のロンドン支店長の後藤さんのお宅に私は恐れ多くも住ませてもらっていたことがあり、ある夜突然奥さんから「後藤の家内ざます。いま一時帰国ですが明日ちょっと物を取りにうかがうざます」といわれて夜中に大掃除をしたことがありましたが。

ところで昨日もいいましたが、昨日からPerthで始まったテニスの国別対抗戦Hopman Cupでロシアからサフィン兄妹が参加しているんですが、サフィンが目黒で登場して、記者会見で「どうしたんですか」「いや1週間前モスクワでけんかをして」「で、けんかは勝ったのか」「もちろん」には笑いました。そうそう、懐かしいですね、野村さんとテニスやったこと思い出しました。30年前ですね。かかしさんはテニスのプロだったんですね??趣味は釣りとか言いながら、、、奥ゆかしいですね、、私はプロフィールの欄にも趣味として好きなものは全部書いてますが、、、これは野村さんが”趣味野球”と書かないのと同じで、日本独特の奥ゆかしさですね。勉強になりました。(?!)ああ、そういえばこちらでも年に一回日本人会のソフトボール大会があって、これは企業別とかグループとか自由参加で10グループ以上が集まり、昔野球部の本格派とかが出て、かなり盛り上がります。でもやはり飲食関係とか板さんに上手な人が多く、これはゴルフにも言えてますが、やはり日中の自由時間/練習量がものを言うみたいですね?

ということで原油価格ですが、やはり私の出席した地場のエネルギー会社Allow Energyのセミナーでも120ドルの時点でかなり下を(40ドル)見ていましたし、専門家は需給と投機の実態が分かるのでしょうね。100ドル越えでもっと声を大にして冷静さを呼びかけてもらいたかったですが、ただ為替、商品など相場物は実需ヘッジに投機の玉が乗っかるので、実需、投機の線引きをするのは困難だし、人の恐怖心理には天井も底もないように思えますね。
では。

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テニスですか、軟式野球も日本独自:かかしさん、津田さん

テニスですか、軟式野球も日本独自?:かかしさん、津田さん

 軟式テニスですか懐かしいですね。私の中学高校も軟式しかなかったように思います。
津田さんとは暇だった新入社員の頃に外為輸出課の仕事を終えて銀行を5時きっかりに退社して銀行の寮でテニスをしたことがありましたね。

 軟式テニスとともに野球にも日本しかない軟式があります。NYでは日本企業の軟式野球大会をセントラルパークでやるのですが、外人社員も参加します。何か奇妙な感触で違和感を感じている外人が多かったです。アメリカは硬式かソフトボールしかありません。カキーンではなくパカ-ンと弾む軟式のゴムボールに戸惑っていたようです。

 私のいた東京銀行もNYの大会で優勝した年がありましたが、翌年は三井銀行がメッツのバッティングピッチャーをスカウトして優勝しました。東銀もたまたま新婚旅行に来ていた大学の友人のJALのエースに出てもらって勝った試合もありました。メッツの後はJALに機内食を納入していたレストラン日本がさすが板さんの若者が多く連覇していました。今もNY軟式野球大会は続いているいるのでしょうか。皆でテニスでもやりましょう。

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+テニスの津田さんへ : かかしより

津田さん

テニスですか?楽しそうですね。じつは私も中学、高校とテニス部でした。と言っても軟式庭球、今ではソフトテニスというしゃれた名前で呼ばれています。当時は、東横線の田園調布駅の近くに田園コロシアムというテニスコートがありました。そこが硬式テニスのコートだったためか、硬式テニスはお金持ちのスポーツという感覚がいまだに残っています。

先日、高校時代のソフトテニス部の同窓会が横浜でありました。なんと43年ぶりです。でも不思議なもので、ちょっと話していると、野村さんの地元ともいえる三沢競技場で開催されていた高校時代の市大会や県大会の緊張感が生き生きとよみがえってきます。

石炭、鉄鋼石のお話ありがとうございました。New Castle のインフラの問題は、こちらでもずいぶん話題になっていました。

昨年11月には、日本でもかなり大きなエネルギーフォーラムが開催されました。多彩な顔ぶれで楽しいものでした。最も記憶に残ったのは、新日本石油の方の原油価格見通しでした。2003年までは30ドル程度(1バレルあたり)だったものが、2004年から2007年までに70ドルへ+40ドル上昇しました。これは、世界の需要が年率1.2%から3.8%へ加速したためです。

したがって、70ドルまでは実需に基づいたものでした。ところが、2007年から2008年まで一時140ドルを越えた+70ドルの上げは投機マネーによるものでした。今後はこの最後の70ドルは消えるというのが、基本的な見方でした。

出席されたサウジアラビアのアラムコの方は、石油価格についての言及はしませんでしたが、国家財政や新規開発にとって60ドルは最低ラインというムードを感じました。

資源エネルギー庁の方は、エネルギー白書の前提が60ドルと言う点を強調していました。

このような見方を総合すると、30ドルがボトム、上限は70ドル、投機資金は期待できないという結論になりそうです。と言うわけで、30ドル台になった原油価格では底打ちの可能性を探り、60ドル台を上回り70ドルに近づけばピークアウトのタイミングを見ようというのが。私の現在のスタンスです。

かかし

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2009年1月 3日 (土)

かかしさんの石炭・鉄鉱石価格+テニス:津田

いやあ、今日は午後からずっとテニス漬けで、帰ってからビール飲んで食事していままで寝ていました。失礼。これから出動です(?)いやあこの年になってもテニスは毎回向上心に燃えているんですよ。最近は1stサーブ、2ndサーブ、フォア、バックすべて変えて、今日は上々の出来で、1ゲームしか落とさず。やはり為替もスポーツも目標を持って日々向上を目指すことですね?((なんちゃって?!)こちらでは19日のテニスThe Australian Openを前に今日当たりからSydney, Melbourne,Brisbane, Perthなどで各前哨戦のゲームが開始し、徐々にムードが高まります。写真は去年のMedibank International(Sydney)。ヒューイット、ブレーク、ナバンディアン、ロブレド、ツオンガ、女子はセリーナ・ウイリアムズ、モレスモ、ダメンテイエバ、サフィナなど結構有名どこがでます。コートが10以上ありすぐ近くで世界の技を見られるのがgood。

  07012008096_3 (センターコート)

  07012008100_4

                  (who? すぐ近くで有名選手が見られます)

ところで、石炭、鉄鉱石に戻って、いやそうなんですよ。豪州鉱山は恒常的に生産のボトルネックが指摘されており、インフラが後手後手に回ります。今でも生産地から港湾までの鉄道の敷線や港湾設備工事が随所で行われており、加えて昨年年前半はご指摘のような水害や鉱山火災で生産が追いつかず、石炭の積出港で有名なNew Castle(NSW)では沖に積荷待ちのタンカーが多いときには100隻近く滞留。”滞留船ウオッチャー”が双眼鏡で船の数を報告し、それによってSPOT価格が上下動したそうです。

またご指摘のように輸入元の製鉄会社も親会社からすれば鉄鉱石や原料炭価格の下落はコスト削減になりますが、これは取りもなおさず鉄鋼ニーズの低下を意味しており、またある程度価格の絶対値が大きくないとマージンが下がるので原料価格の大きな下落は社全体としては厳しいそうです。

思い起こせば昨年5月に当地エネルギー会社のセミナーに出ましたが、そのとき原油価格は1バレル120ドル程度だったと思いますが、その会社のアナリストは「理論値は
80-90ドル程度だが、40ドルになっても驚かない」と的を射た発言をしておりました。今回原油は33ドルまで下落し、現在中東情勢もあり45ドル程度に反発しています。中期的には世界景気に底入れ感が出れば、更に上昇する可能性がありますが、今回の金融危機・経済危機で投資マネーが大きく減少しており、当面昨年前半のような投機が投機を呼ぶ展開にはならないのではないでしょうか?

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石炭、鉄鉱石価格 : かかし

津田さん、貴重な情報を大変にありがとうございます。

豪州の石炭、鉄鉱石価格が下落しそうなのですね。

三菱商事や出光興産など豪州の鉱山に権益を持つ企業には厳しい展開です。昨年は豪雨で石炭の鉱山が水浸しになり、大損害をこうむったあと、一転して年契約価格が大幅に上昇しました。地獄から天国へ。そして今年は、一転して、再び契約価格の下落ですか。

一方、新日本製鐵など鉄鋼メーカーにとっては、鉄鉱石や原料炭の下落はありがたい展開です。ただ、主要鉄鋼製品である自動車用鋼板の低迷とのシーソーゲームになるため、業績面では浮かれてばかりもいられませんね。

そこへいくと、東京電力など電力メーカーには燃料炭の下落が業績面でのプラス要因としてカウントできそうです。

資源価格の動きとしては、下げすぎた原油価格の反騰に注目しており、決して弱気ではないのですが、年契約のために依然として高値を維持している商品価格については、今後価格下落が鮮明になるため、懸念しながら動向を見ています。

かかし

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2009年1月 2日 (金)

目から鱗の本間様でした、かかし様の三位の伝より

「目から鱗の本間様でした、かかし様の三位の伝より」

 かかし様

 幡と風と心の話は感動しました。

 私が拠り所とする本間宗久様の「三昧伝」とはそういうことだったのですか。目から鱗が落ちました。ありがとうございます。いかに浅く読んでいたかと恥じ入っています。

 一昨年本間宗久様のルーツを求めて酒田に旅したのですが、お墓は酒田ではなく上野の隋徳寺という目立たないお寺にありました。キリスト教の三位、仏教の三昧とかは難しい言葉ですね。

NY株注目ですね、東京は海外が上昇した31日、2日と休場はもったいない気がします。

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三位の伝 : かかし

「かかし」です。

あけましておめでとうございます。

いよいよ5日から株式市場も動き出します。今年も激動の年になるのでしょうか?100年に一度しかない貴重な体験をしっかり頭と体に刻み込みながら、株式市場を追っていきたいと思います。

そのために「三位の伝」を肝に銘じています。野村さんの大好きな山形県は酒田のバフェットとも言われる大投資家、本間宗久が今から250年も前に「相場の奥義」としたものです。

その原典は、無門慧開という禅のお坊さんにより書かれた問答集にあります。第29則「非風非幡」という題で、大まかには次のような話です。

寺の幡が風にはためいています。2人の若い僧たちの議論が続きます。「幡が動いている」「いや、風が動いているのだ」。いっこうに埒があきません。そこに師匠が登場です。「幡ではない。風でもない。お前たちの心が動くのだ」。「なるほど!」2人の僧は言葉を失い、すっかり恐れ入ってしまいます。

宗久はこの話が気に入ったようです。「幡」を株価(為替レート?)、「風」を材料、そして「心」を市場心理としました。相場の奥義を手に入れるには、このうちどれがかけてもダメ。自らが「幡」になり、「風」になり、「心」にならなければ、と宗久は説きます。

実は、この禅問答にはオチがあります。著者である無門は、「幡」でもない、「風」でもない、そして「心」でもない、これら3つを包み込む、さらに次元の高い大きなものがあるだろうと言います。これを宗久は「三位一体」と理解して「三位の伝」としたのでしょう。

「風」を感じ、「心」を読みつつ、「幡」の動きを追っていければと思っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

「かかし」

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津田さん、中国と一心同体ですね

「津田さん、中国と一心同体ですね」

 オーストラリアはメルボルンやアデレードの市長が中国系と聞いています。去年は中国資本の豪資源会社の買収が相次ぎました。NZの大臣にも中国系の方が。

南アフリカには在留日本人は1000人程度で中国人は30万人とか、アフリカへの中国の資源外交もすさまじいですね。こうなればすべて中国経済の浮沈が資源国、農業国、いややはり世界中に影響しますね。

竜河さんの中国の見通しが益々重要性を持つでしょう(プレッシャー?)

 日本も内需拡大が叫ばれていますが人口減少では内需は無い需ですね。家を3倍くらいにするか(家屋倍増作戦)、メシを3倍食べるか(反メタボ作戦)、ああ地デジも内需拡大作戦でしょうか。日本はかかしさんのいうデフェンシブ的な国ですね。内需拡大には「埋めよ増やせよ」か新しい商品(地デジはいただけませんが)導入しかないですか。

 人口増のない日本にバブルを起こすには借金が多すぎますね。

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2008年12月31日 (水)

かかしさんありがとうございました:津田

なるほど、かなり分かりました。”規則的な波動”は為替には全く”ないものねだりで”でうらやましくもあり不思議でもあり興味深いですね!「不況にはディフェンシブETF」ですね?ただ私的にはディフェンシブETF(勝手に決めてます)がworkしなくなるような、つまり潤沢な余剰資金にあふれた市場に早く戻ってもらいたいですね。かかしさん、ご回答ありがとうございました。

さてさてこちら夜9時の1発目の花火が終わり、あとはカウントダウンと12時の2発目の花火待ちです。

それではみなさん Happy New Year!!!

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<firework (Harbor Bridge)last year>

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津田さんへ : かかしより

津田さん、こちらこそいつも為替を勉強させていただき、ありがとうございます。先日いただいた大作は私の大切な読書リストにいれて精読するつもりです。

株式市場は本当に厳しかったですね。私もここまで下げるとは思っていませんでした。

ご質問の一つ目で、「景気敏感株の対極にディフェンシブ株を置いている」という鋭いご指摘はまさにそのとおりです。「苦し紛れにディフェンシブ」というのも紛れもない事実でしょう。実は、それがディフェンシブ株の魅力でもあります。

「多通貨でクロスヘッジ」をするのと確かに似ています。ただ、「はずすタイミング」が難しく、「相場観や景況感が当たらないと儲からない」のだとすると、ちょっと厄介ですね。

ところが、株の場合は、多少対処がしやすいのかもしれません。先日、ディフェンシブの説明の追加資料で、「鉱工業在庫循環モメンタム」(逆数)と「電力・ガスセクター」の株価の動きを描いた図をお眼にかけましたね。

この図の意味するところは、基本的に「相場観」や「景況感」などのカンに頼る必要がないということなのです。着実に出荷や在庫の動向を追っていれば良いわけです。

その指標がきれいな波を打っています。ということは、経済が規則的な波動を描いているということです。したがって、ある程度予想がしやすいのです。「カン」に頼るのは危険だと思っています。

月次のデータが基本ですから、今日の指標の動きで明日の株価が読めるといった短期のものではありませんが、結構役に立ちます。しっかりした指標で状況を把握することが大切なことは言うまでもありません。

二つ目のご質問である「業界ごとのインデックスのようなもの」は存在します。ETF(Exchange Traded Fund)が最も手っ取り早いと思います。上場しているので、通常の株式と同様に売買ができます。また、大手の投資信託では、セクターファンドを設定しているので、それを購入することも可能です。

インデックスを組み合わせてポートフォリオを構築するのは、比較的に簡単です。

ご友人が職を失われたとか。繰り返しになりますが、金融業界にとって本当に厳しい1年でした。でも、永遠に続く夜はないでしょう。「ユスリカ」の生命力のようなものをしんじたいですね。ピンチはチャンスの源です。

かかし

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ユスリカかかしさんに質問:津田

かかしさん、いつも株の素人に教えていただきありがとうございます。いやあ、こちらでも見られるNHKのニュースで御手洗会長が年初に「今年の終値予想を希望的に20000円、年安値を14000円」と言ってられましたが、まさに天中殺的(古い?)一年でしたね。まあ豪ドルも60セントまでとは思いませんでしたから御手洗さんを責める気はありませんが、、、

ところで二つ質問があるのですがディフェンシブ株の話大変面白いのですが、株の投資家の間では景気敏感株の対極にこのディフェンシブ株をおいているようですが、今年日本株が42%下落したヘッジ(または苦し紛れに)としてディフェンシブ株が買われたという面はあるのでしょうか?もしそうであるならば為替で、ある通貨のポジションがアゲインストに動くと他通貨でクロスヘッジをすることがよくありますが、はずすタイミングが難しいですよね?今ディフェンシブ株を持っている人またはこれから買おうとする人は、今後日本の景気が更に悪化することを前提にするわけで、やはり今後の相場観、景況感が当たらないと儲からないということでしょうか?

二つ目は業界としてディフェンシブ株の上昇は分かったのですが、個別銘柄では騰落があると思うのですが、業界ごとのインデックスのようなものを購入することは日本株ではできるのでしょうか?

素人の質問で恐縮ですが宜しくお願いします。

こちらでは豪州の株ファンド第2位のWestfieldが外株投資から撤退してOZの知り合いが首を切られ、またドイツ系銀行証券会社の香港支店で長年日本の投資家に豪州株、アジア株を売ってきた友人も首を切られました。きびしい世の中ですね?

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かぜぐすり : かかし

野村様

貴重な情報ありがとうございました。世界的に見ても、医薬品株が上昇しているのですね。

なるほど・・・という思いです。

医薬品株は典型的なディフェンシブです。かぜぐすりは、以前にお話した「バーモントカレー」に似ています。景気が悪くてもかぜはひきます。ひけばかぜぐすり。景気が良くなっても、かぜをひく回数が多くなるわけではありません。したがって、かぜぐすりの売れ行きは景気の良し悪しに関係がないのです。

かかし

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ドルインデックス&ディフェンシブ

「ドルインデックス&デフェンシブ」

水谷様&かかし様

 水谷様

 ドルインデックスの話よくわかりました。ただドルインデックスの上下とユーロの上下は逆の動きですが円インデックスはドルと平行して動くのが難しいですね。

かかし様

 ヘラルドトリビューンの世界の主要株価100をパラっと見ていましたら、今年は殆どが数十%下落している中で、東京電力が+3.8%、米国のAMGENが+22.5%、GENETECHが+22.2%、WALMARTが+15.9%、英国のASTRAZENECAが+27.3%上昇していました。これらもデフェンシブなのかと調べています。VOLKSWAGENも+61.1%でした。VOLKSは特殊要因のようですね。(今調べたら製薬会社が多いですね)。

では本年は大変お世話になりました。来年もいろいろ教えてください。

野村

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ユスリカ : かかし

「かかし」です。

激動の1年でしたね。

振り返れば、日本株は42%の下落。米国の36%より大きな下げでした。散々な状況でした。

ところが腑に落ちないことがあります。ここまで何度か申し上げてきたことなのですが、景気の悪化に強いディフェンシブ株が、本来の特徴をきちんと発揮しているのです。

本当に経済や株式市場がダメになってしまうような事態になれば、ディフェンシブ株でさえ売られてしまうはずです。ところがそうなっていません。

ということは、株式市場は冷静かつ合理的に動いており、株式市場が持つダイナミックなエネルギーが失われていないということを意味するのかも知れません。歴史的な暴落のあとに来る歴史的な上昇を期待することが、決して馬鹿げた妄想ではないのだということです。

「ユスリカ」ってご存知ですか? 蚊の幼虫、つまり「ボウフラ」です。アフリカ原産のネムリユスリカは体内の水分をトレハロースという糖に置き換えることで保護することで環境の変化の耐え、再び蘇生することができます。

環境の変化といっても、半端なものではありません。零下197度の液体窒素の中や、熱湯の中に長時間いても再生するのです。

また、マリアナ海溝から発見された有孔虫という生き物は、わずか1箇所の遺伝子の違いで、なんと深海1万メートルの水圧に耐える体を手に入れました。

それに比べると、人類はなんと環境の変化に弱い生き物だろうと思います。

話がそれてしまいましたが、日本の株式市場がダイナミズムを失っていないと見られるのは力づけられるサインです。「ユスリカ」には遠く及ばないにしても、悪環境のなかでの力強い蘇生を期待したいですね。

来年もよろしくお願いいたします。

かかし

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2008年12月29日 (月)

不況に負けない元気な株を探し出す(その2) 原料安メリット株

 「かかし」です。

 26日金曜日の株式市場は実に興味深い1日でした。

 朝9時に経済産業省が11月の「生産・出荷・在庫指数速報」を発表しました。「鉱工業生産動向」と呼ばれている統計です。

 これがとんでもなく悪い数字でした。季節調整済みの前月比でみた鉱工業生産指数は8.1%下落したのです。なんと19532月以降で最大の下げ幅だったそうです。原指数の前年同月比下落幅は16.2%にも達します。

 経済産業省は「生産は急速に低下している」として危機感を募らせ、モニターが映し出すコメントは悲観一色。

 「これはまずいな」と思いながら、動き出した日経平均を追っていました。するとどうでしょう。どんどん上がり始めたのです。結局、その日の日経平均は上がり続け、前日比1.6%の上昇となりました。しかも高値引けです。

 なぜでしょうか?株式市場はもう悲観的なシナリオを織り込んでしまったのかもしれません。だとすれば、もう底を打った可能性があります。ただ、今はまだ嵐が完全に去ったとは言えないので油断は禁物です。

 ちょっと違った見方をしてみましょう。鉱工業の在庫に注目するのです。

 景気後退で出荷が大きく減少する場合、その減少に見合ったペースで減産が進み、在庫の伸びを抑えることができれば、需給バランスの悪化を避けることができます。そのような場合は、株式市場は生産の減少を嫌うどころか、歓迎する場合さえあるのです。

 では11月はどうだったのでしょう?出荷が前年同月比で17.0%下落したのに対して、生産も16.2%とほぼ拮抗する減少となりました。そのため、在庫の伸びは4.2%にとどまりました。10月は4.4%増加していました。在庫の伸びが減速したのです。

 日本銀行の「製造業部門別投入・産出物価指数」を用いて、金額ベースにした在庫の推移を見ると減速はさらに鮮明です。

 

                            Fxshonan00009                        

在庫金額の減速には、原料価格の下落が大きく影響していることは言うまでもありません。投入産出価格の推移を見ておきましょう。投入価格が原料調達コスト、産出価格が製品販売価格です。

                           

                 Fxshonan00010

このように見てくると、株式市場が上昇したわけが解ってきます。

そうであるならば、売り上げが堅調で、原料価格低下メリットの大きな企業の株価が元気の良いことが肯けるというものです。

景気が悪いと、会社員のお昼は高額のランチではなく菓子パン。菓子パンの原料である小麦価格は大幅に下落しています。だから山﨑製パン(2212)。

景気が悪くても、スーパーの日用食料品コーナーは主婦でいっぱい。その食料品を載せた白色のトレーの消費量は落ちません。トレーの原料は石油系の合成樹脂で、価格は急落しています。というわけで、エフピコ(4440)。

景気が悪いためか、安い家具は良く売れます。その家具を海外から輸入するニトリ(9843)の採算が向上しています。

家具だけではなく、衣料品も安くて良質なものが良い。デパートよりユニクロで。ニトリと同じ理由で、ファーストリテイリング(9983)が好調です。

このように、原料安メリットで元気の良い株は結構多いのです。

マクドナルドも同様ですが、「サクラバーガー」は戴けないですね。いっそのこと、ビーフの代わりに「桜餅」をはさんだ「桜バーガー」を販売すればいいんですよね・・・?そんなわけで、野村さんのアイデアに一票!

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2008年12月28日 (日)

バーモントカレーや子供たちの胃袋が2つになるわけではありませんので

「景気が悪くても、カレーが大好きな子供たちには関係ありません。バーモントカレーは堅調に売れます」「景気が良くなっても子供たちの胃袋が2つになるわけではありません」」=かかし様より

 カレーと子供達のお話でディフェンシブ株と成長株の特徴の違いがよくわかりました。かかし様、ありがとうございます。マックの株はここ数年は上がりませんでしたが、今は下がらないというかちょっと上がっています。

 ただマック株主としてはあの「サクラバーガー」の話は頂けません。最初は桜餅でも販売したのかと思ったのですが。こんなことをやるなら毎年「今年恵まれなかった人」に、今年なら内定取り消しの学生や解雇された派遣の方にそっと優待券を送付してあげたほうがよかったと思います、株主の一意見です。

 でもサクラで雇われた若者はすぐに漏らしてしまったのでしょう。そういえば1970年代にもマックのアルバイトには口が堅い人に限るという噂が流れたことがありました。噂の内容は忘れましたが。為替の「ここだけの情報」がすぐにみんなに知れ渡ると同様に、噂はすぐ広まるものですね。

 私の尊敬する日本マックの創業者の藤田 田さんは悲しんでおられるでしょう。

野村

 

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2008年12月27日 (土)

野村様へ   「かかし」より

 野村様

 「かかし」です。すっかり返事が遅れてしまいました。30日まで仕事が詰まっており、クリスマスも、何やら気がつかないうちに過ぎてしまいました。

 ディフェンシブ株の話を楽しんでいただけたようで、うれしく思っております。そのディフェンシブ株の代表選手である電力・ガスに優待券はないのかというお尋ねですが、残念ながらないようです。あるといいですね。

 でも、「電気うなぎ」や「スカンク」を優待券代わりに贈られても、取り扱いに困りますから、あきらめたほうが無難というものです。

 配当はまずまずです。東京電力の配当利回りは2.2%、東京ガスは1.8%。正直なところ、株価が堅調であったため、非常に良い水準とは言いがたいところです。ちなみに一部上場銘柄の平均利回りは2.7%弱。大幅な株価下落で、利回りが大幅に上昇した銘柄が数多くみつかります。

 ところで、何やら禅問答のようになって恐縮ですが、ディフェンシブ株には取り扱いに注意すべき点があります。

 株式市場の下落に強いという特徴がありますので、株式市場の上昇局面には弱いのです。そのため、業績が良くなったら「売り」、業績が悪くなったら「買い」を心がける必要があります。

 この点をディフェンシブ株の代表銘柄であるハウス食品を例に考えてみます。

 景気が悪くても、カレーが大好きな子供たちには関係ありません。「バーモントカレー」は堅調に売れます。ただ、景気が悪いため、いつもなら3%程度の増益が達成できるのに、1%の増益になってしまうかも知れません。でも業績の悪化には目もくれず「買う」べきです。なぜなら、他の企業は景気の悪化で、たとえば20%の減益になってしまっていることが多いからです。

 一方、景気が良くなると、通常なら3%程度の増益にとどまるのに、5%に高まるかもしれません。でも、景気が良くなっても、子供たちの胃袋が2つになるわけではありませんので、業績の上方修正幅は限定的になります。このような景気回復局面では、他の企業は20%以上の増益になっているかもしれません。そうなると5%の増益には魅力はありません。業績が向上しようと「売り」なのです。

 ディフェンシブ株にはこのような特徴があります。

 したがって、電力やガスに対する投資を考える場合、エネルギーコストや稼働率など様々な要因を一生懸命検討して、業績動向を予想して、「好業績は買い」、「悪業績は売り」とやると、たいていの場合大間違いになります。

 野村さんのおっしゃるとおり、円高→不況→株安→電力・ガス買いと考えるのが適切なようです。

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2008年12月24日 (水)

ディフェンシブ株わかりました、為替のビッグプレーヤーです。

かかしさま

 ディフェンシブ株勉強させて頂きました。日本は不況=円高という他国とは異なる現象を起こすのでより有利ですね。相場が安定しているなら大量購入して配当だけ狙っていくのもいいのでしょうか?電力ガスの優待券はないのでしょうか?

 ディフェンシブ株を意識したのではないですがアステラスやマックを持っていました。ミニバブルでも余り上がらなかったですが、今年の下げでも小動きでマックなどは少し上がっています。でも吉野家は半分以下になっています。難しいですね。

 電力、ガスなどは為替ではドル買い、外貨買いで出てきます。円高の時は数年物の長期先物予約をとることが多かったですが取り過ぎると行政指導のようなものがあったようです。もっと円高になった時に公共料金の値下げが出来なくなるからという理由でした。

1985年にドル円が1ドル200円を割る時には長期先物輸入予約を取りすぎて5年後に大損をした会社も幾つかあったようです。輸出も輸入も円高で損をしたのでした。

ではまた宜しくお願い申し上げます

 また教えてください

野村

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2008年12月22日 (月)

不況に負けない元気な株(その1)の追加資料

「かかし」です。

さきほどお送りした記事のなかで、鉱工業在庫循環モメンタム(逆数)と東京電力株の比較をしたものがありましたね。景気が悪くなると、株価が元気になるという関係を示したものです。

その図でも連動性が見えるのですが、ご参考までに、鉱工業在庫循環モメンタム(逆数)と電力ガスセクター全体の株価との連動性を示したグラフをお送りします。

東京電力の株価だけで見ると、会社独自の理由での株価変動が加わりますので、こちらほうが面白いかもしれません。だたし、この図は大学での講義資料としていつも使っているもので、少々古いですがご勘弁ください。

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不況に負けない元気な株を探し出す(その1) 電力株

「かかし」です。

「嵐の船出」をして、はや1ヶ月。まだ嵐の中です。長いですね。

ところで、日本には3000を越える銘柄が上場されています。多彩な顔ぶれで、実に千差万別な個性を楽しむことができます。

そこで、今回から数回にわたって、嵐にもめげない元気な株を探し出してみたいと思います。次のグラフを見てください。ここに示した銘柄が何だかわかりますか?

                                          

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答えは東京電力。このように、株式市場の下落に影響を受けず、時には逆行高をする傾向のある株をディフェンシブ株と言います。「守りに強い」株です。

電力株が逆境に強い理由をいくつか挙げてみましょう。(1)公益事業で不況下でも収益が安定している、(2)原燃料コストが低下するケースが多い、(3)金利低下で金融コストも低下する傾向がある、などなど。ただ、難しく考える必要はないでしょう。不況に強く、株式市場の下落局面でも堅調な株価を維持する傾向があるとだけ頭に入れておけば十分です。

それでは、景気と電力株の関係に焦点を当てて、もう少し詳しく見ておきましょう。景気の指標として用いるのは、もう何度かお目にかけた鉱工業の「在庫循環モメンタム」です。この指標が上昇していれば景気回復、下落していれば景気悪化です。

                                      Fxshonan00001_3      

このグラフから、景気と電力株が逆相関の関係にあることがお分かりいただけますね。もっとも、このままではちょっと見えにくいかも知れないので、景気の指標を「ひっくり返して」みましょう。つまり、上昇が景気悪化、下落が景気改善とするわけです。

                            Fxshonan00002_3 

このグラフが教えてくれることは、景気が悪化する局面では電力株を買っておけば良いということです。

ディフェンシブ株には、電力のほかにもガス、食品、医薬品、小売など数多くあります。もちろん、これらの分野にあるもの全てがディフェンシブというわけではありません。注意深く、探し出す努力が必要です。これも株式投資の醍醐味のひとつでしょう。

ディフェンシブ株を投資対象リストに加えておけば、株式の市場の下落局面を恐れる必要が薄れてきます。実は、「信用売り」という手もあるのですが、それはともかくとして、ディフェンシブ株は嵐を乗り切るために欠かせない装備のひとつであると言えそうです。

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2008年12月16日 (火)

津田様へ かかしより

今日は一日中出回っており、返事がすっかり遅くなってしまいました。豪ドルのiPOD指数とMac指数のお話ありがとうございました。為替の勉強がどんどん楽しくなっていくようです。

津田様のご指摘のように、購買力平価は、理論値として長期的なスパンで、経済分析をする場合の道具の一つとして装備しておくのが適切なようですね。

BigMacはAUD3.89なんですか?! ということは230円くらい。海外旅行は断然オーストラリア!

「リスク値が上がっても下がっても円高」となると、本当に為替は難しいです。「日銀はここで介入しなくてどこで介入する」ーーーそのとおりですね。「良い円高」と「悪い円高」がはっきり識別できるなら、少しは視界が開けそうな気もするのですが・・・

トヨタの赤字転落の背景の1つである世界的な自動車販売台数の低迷に関しては、、決して楽観的に見てはいけないのですが、コスト削減などの合理化でかなり対応できるのではないかと考えています。来年度の鋼板の購入価格は相当に下げるでしょうが。 ただ、「悪い円高」によって、合理的な範囲を超えた競争力の低下が引き起こされるとすれば、大きな問題です。日銀の適切な対応に期待したいところです。

為替に関しては、この仲間に入れてもらって、本格的に勉強できるのを幸せだと思っています。これからもよろしくお願いいたします。

かかし

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2008年12月15日 (月)

株屋の為替談議:かかし様へ:津田

いつも面白い株情報をありがとうございます。私は株は全く素人、と言いますか限られた数の通貨売買でも四苦八苦しているのに、数多くの株の個別銘柄など絶対に取引できないと堅く信じております。やるとすればインデックスonlyでしょうね、、、

ところで最近jamsの記事にも書いたのですがブルーンバーグが豪ドルのiPod 指数とMac指数を発表していました。

「ブルーンバーグによりますと、このほどiPodとマクドナルドのBigMacの価格から見た購買力平価が発表されました。iPodは米国で1個USD 249=豪州でAUD 339 、豪ドル相場は0.7350 となり、BigMacは 米国でUSD 3.69=豪州でAUD 3.86で豪ドル相場はなんと0.9560となります。いずれも現在の66セント台でも非常に過小評価されているという結果ですが、ある種の理論値を示すとは言うものの、単品比較では偏りがあり過ぎるのと、豪ドルが低位に落ち着くと当然購買力平価も下がってきます。」
確か2006、2007年に豪ドルが90セントに向かっていた頃、Mac指数は70セント近辺でしたから、購買力平価説には2-3年のタイムラグがあるのかもしれませんね?

しかしかかしさんがおっしゃるように「日本経済への信頼が揺らぐような事態になると160円へ向かうことです。反対に、日本企業が世界を席捲して、貿易摩擦を引き起こすようなら80円台を目指します」はファンダメンタルズに合致しており、望ましい動きではないでしょうか??

問題は特に10月以降の為替相場はリスク値が上がれば米ドル高、円高、逆にリスク値が下がれば米ドル安、円安という具合に、ファンダメンタルズ、購買力平価全く関係ない”odd or even”相場になっていることで、ごく最近は”リスク値が上がっても下がっても円高”という末期的症状になりつつあると思います。野村さんも常々言っておられますが日銀もここで介入をしなくてどこで介入をするのでしょうかね??
世界のトヨタが赤字転落の危機です。某日本のオートバイメーカー豪州現法の私の知り合の社長は円の現水準にかなりの危機感を持っておいでです。

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株屋の為替談義 : かかし

「かかし」です。

 名古屋にある大学で「株式投資」の講座を担当するようになってもう8年になります。春と秋にそれぞれ独立したコースが開設されています。

 各コースで、ほぼ例外なく出てくる質問があります。「為替をどう見ますか?」。私は為替の専門家ではありません。野村さん、津田さん、水谷さんのコメントを一生懸命に、そして楽しみながら勉強しているところです。

 とはいえ、株式投資をするにあたって、為替は最も大切な指標の1つです。株屋がどのように為替の解説をしているのかをご紹介しましょう。

 引き合いに出すのは「ビッグマック」。以前は、海外の投資家に日本株の説明をするために、世界を飛び回っていました。必ず立ち寄るのがマクドナルドです。不思議なことに、日本で食べているような気分になれるのです。香港の「ビッグマック」は日本に比べて安い。ところが、ジュネーブではとても高い。

 この値段の違いを生み出すのが為替であるとするのが「購買力平価」という考え方です。今、アメリカの人たちが日本で「ビッグマック」を食べたら、びっくりするほど高いんでしょうね!

 OECDが発表している「購買力平価」では、2007年に1米ドル120円。円は毎年徐々に強くなっているので、今は110円台に入っているのでしょう。実は、この計算は基礎となる物価水準に何を使うかで数字が異なってくるようです。輸出物価を使うと80円、消費者物価を使うと160円程度になるのだそうです。

 面白いのは、世の中が平穏無事であれば1米ドル120円程度なのですが、日本経済への信頼が揺らぐような事態になると160円へ向かうことです。反対に、日本企業が世界を席捲して、貿易摩擦を引き起こすようなら80円台を目指します。

 今は? 感覚的には日本がそれほど強くなっているとは思えないのですが、自動車はどうでしょう。貿易摩擦が吹き荒れたころ、米国で日本車が壊されたり、焼かれたりしました。今は、米国を象徴してきたGMがつぶれそうです。

 貿易摩擦とGM帝国の崩壊は、表面的には全く異なっているように見えますが、底流にあるのは同じものではないでしょうか? ならば、1米ドル80円台というのはやむをえないところなのでしょうね。

 それでは、今後をどう見るのか? 2つの点に注目しています。1つ目は、自動車は日本の中で最強の産業だということ。その自動車をめぐる展開が為替に大きな影響を及ぼしているとするならば、おそらくこれ以上の円高はないかもしれないということです

 もう1つは、自動車の競争力が為替の動向に大きく影響しているならば、他の輸出産業にとっては大変な事態だということです。生き残りのための構造改革が不可欠になるでしょう。危機対応能力が厳しく問われていると見る必要があります。

 これまでもそうなのですが、日本の産業の危機対応能力は、「お尻に火がつくと」目を見張るものがあります。鉄鋼産業がそうでした。銀行業界もそうです。

 この円高を乗り切るために人員削減など合理化が避けられないとすれば、何か暗いイメージを描きがちですが、そのプロセスが日本企業の再生の重要なステップになるような気がします。この嵐を乗り切った先に見えるのは、一段と強力な競争力を備えた力強い日本企業の姿です。トンネルの先には、はっきりと出口から差し込む光が見えてきました。

 そこで株式です。今は嵐の中ですが、もう底は見えたのでは。今後、わずかでも円安に振れれば、株価は上昇しそうです

 日本国内にいると実感できなくても、ドルベースで見れば日本の国力は驚くほど高まっています。それを実感したければ、海外旅行をしてみることです。燃油サーチャージの低い航空会社を見つけて、海外旅行をしましょう。そして、マクドナルドに行って安い「ビッグマック」を堪能してください。ただし、メタボにはご用心。

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2008年12月 8日 (月)

京樽とクウォーターパウンダー

野村様

吉野家とマックをお持ちでしたか。確かに株価の動きは違いますね。もちろんディフェンシブな特性があることは、同じなのですが・・・・

個別に企業を見ると、吉野家は子会社の京樽の調子が悪いです。営業赤字でファミリーレストランの全面閉鎖に追い込まれてしまいました。そのため吉野家も業績も下方修正しました。個人的には京樽のメニューは大好きなのですが、さすがに株価には具合が悪い。

それに較べると、マックは元気がいい。新製品であるクォーターパウンダーの広告は「日本のハンバーガーよ、もう遊びは終わりだ!」。京樽のメニューに較べると、メタボを懸念する私としては、抵抗があるのですが、株式市場はこのような元気の良さが大好きです。

吉野家の食券は飽きてしまったら私が引き受けます(タダで!)。

最近日経新聞が「逆風下の健闘企業」という4回にわたる良い記事を連載しました。4つの企業のうち2つ、「山﨑製パン」と「ユニチャーム」が典型的なディフェンシブ銘柄であることにも注目できます。

追伸:ID為替の本を熟読しています。とくに「マーケットを動かす人々の正体」は、野村さんの長年の経験が滲み出していて、本当に楽しいです。アノマリーを精選して、ID株式も考えてみたいですね。

山田

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マクドナルドと吉野家

かかし様

 デフェンシブ株についてお話頂きありがとうございます。日本株はそれほど保有しておらずどうせ株価も半分以下にそれぞれ下がっていると思って余り見ていませんでした。

 かかしさんの記事を見て今朝チェックしたら医薬品のアステラス製薬は買値より少し上昇していました。食品といえるかどうかわかりませんがマックも上がっていました。もちろん大幅下げの銘柄もあります。マックに比べ吉野家は半分程度になっていました。同じジャンクフードいや失礼、ファーストフードでもマックと吉野家では大きな違いがあるのですね

 余談ですがファーストフードはいろいろ持っていました。優待券で365日自給自足しようとかいう馬鹿な考えを持っていた時がありましたが、それではちょっと野菜が足りなく飽きてしまうことに気がつきました。

 またいろいろ教えてください。

野村

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「不況下の株高」について:かかし

「かかし」です。

株の世界は依然として暴風雨圏内にあります。自動車「不況」、IT「不況」、住宅「不況」といった言葉が新聞紙上に飛び交います。強い円はさながら巨大な漬物石のよう。そこで、今回は「不況下の株高」について考えてみたいと思います。

ずいぶん前のことになりますが、このテーマで本を書きました。当時、仕事の関係で、景気動向と株価の関係について調べていました。そして面白いことに気づいたのです。

景気が良く、企業業績が好調で、株式市場が沸いている時に投資をすると意外に儲からないのです。いや、確かにそれなりに儲かるのですが、あくまでも「それなりに」なのです。

ところが、景気が悪く、企業業績は絶不調、株式市場も沈滞しているような時に投資をすると、びっくりするほど儲かる。

これが「不況下の株高」という現象です。「人の行く裏に道あり花の山」と昔から言われているわけで、「逆張り」を投資哲学としている方々には常識なのかもしれません。

でも、いつも皆の逆をやっていれば必ずうまくいくというものでもありません。今のように、「もう底」と思って買ってみたら、まだ下に「底」があったと言うことを繰り返すこともあります。

大切なことは、なぜ皆の逆を行くのか、その根拠なり基準なりを明確にしておくことでしょう。その根拠が「カン」や「神のお告げ」であるとするなら具合が悪い。少なくとも私にはそのような才能がないからです。

そこで、合理的な道具として使っているのが「在庫循環モメンタム」です。出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いて作る簡単な指標です。日銀の価格データを使って金額ベースにするところがミソ。一般的な景気認識より早めに景気動向を教えてくれます。

実は先週もこの指標を使いました。もう1度その図を見ながら、投資戦略を考えてみましょう。

Gazou1
この図から何が読み取れるのでしょう?3つほど指摘してみます。

(1)   指標が下降している。
(2)   在庫(点線)が大幅に減速をはじめた。

(3)   指標の水準が低くなった。

では、それを投資にどう生かせば良いのでしょう?
(1)   指標の下降局面で、株価が逆行する傾向のある分野に注目する。電力、ガス、医薬品、食品などディフェンシブと呼ばれる分野です。景気が悪いと元気が良い。円高や原料安のメリットもあるので、電力やガスなどの公益産業が特に注目です。
(2)   在庫金額の伸びが減速しているのは、原料価格の下落が著しいためです。せっかくの原料価格低下メリットを低迷する輸出で帳消しにしてしまうことのない内需産業が良さそうです。段ボールのレンゴーなどの紙パルプ、太陽光発電システム搭載住宅の積水化学工業など化学の一部に加えて、電力、ガス、食品などのディフェンシブな分野もこの中に入れることができます。
(3)   指標の水準が低いということは、いつまでも弱気でいてはいけないということです。弱気でいることのリスクが大幅に高まっています。

暴風雨圏では油断もスキもありませんが、それを抜ければ、日がさしてきます

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2008年12月 2日 (火)

ちょっと一言! 執筆者:かかし

「かかし」です。「嵐の船出」をしたばかりで、早速大波が押し寄せました。舵取りも大変です。米国ダウ平均が680ドル近く下げてしまいました。過去4番目の大きな下げだとか。

昨日お話した、短期と長期の株価の動きをどう見るかについて、簡単にコメントしておこうと思います。

まず3つのパターンから:

(1)日本のバブル崩壊後

米国が100下げると日本は200下げる。米国が100上げても、日本は50しか上がらない

このパターンには長く親しみました。体に染み込んでいます。

(2)最近のパターン

米国が100下げると日本も100下げる。米国が100上げると、日本も100上げる

最近はおなじみのパターンです。ドルまで100円程度と換算しやすくなりました。

(3)これから・・・・・

米国が100下げても、日本は50しか下がらない。米国が100上げると日本は200上げる

こうあってほしい!!!

今日は米国が680ドル近く下げているので、日経平均も下げるのは当然でしょう。でも、もし日本の下げが400円程度にとどまるとすると、そろそろかも・・・。

ひところの、グローバルな金融システムのメルトダウンシナリオが、シティー救済あたりから姿を消し、各国の景気動向に焦点が当てられるようになってきましたね。時代は変わりつつあるのかもしれません。ただし、嵐の只中にいることは忘れないように!

かかし

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2008年12月 1日 (月)

嵐の船出!?:執筆者かかし

はじめまして、「かかし」です。

長い間田んぼを見てきました。秋の実りの時期がなんといっても楽しい。

初夏の青々とした稲の海原も格別です。でも嵐の時もあります。

今は嵐のど真ん中。日経平均は昨年7月はじめの高値から6割下落してしまいました。ほぼ同じ時期に5割弱下げた米国ダウに連動しました。米国を見れば日本もわかる。毎晩米国株式の動きが気になってすっかり寝不足になってしまった方々も多いのでは?

ところが不思議なことがあります。日々の動きなど短期的には高い連動性を見せる日本と米国なのですが、長期的に見ると連動していないのです。と言うより、逆なのです。今日は初回ということで、ちょっと長くなりますが、このことを考えてみたいと思います。

忙しい方々も多いと思いますので、結論を先に言っておきます。短期的に日米の株式市場が連動するのは、短期的な景気サイクルである在庫循環が同じように動くためです。長期的に逆の動きをするのは、長期的な景気サイクルである建設循環が逆であるためです。

それでは、これからの日本の株式市場の行方は?短期的には米国市場との連動性から予断は許さないのですが、長期的には米国が下降局面にあるのに対して、日本は上昇局面です。建設循環の上昇局面で脚光を浴びるのは内需セクター。「台風一過」の青空が待っています。

本論に戻りましょう。過去300日あまりの日米の株価動向を見てください。似ていますよね。米国が風邪をひくと日本も風邪を引く。いや、両国とも肺炎です。

Kabu_day_3


それでは、日本のバブルが破裂したころから月次で日米の株価動向を見てみましょう。ちょうど最近までの米国のように、日本が
4万円近い株価に浮かれ騒いでいたころ、米国のダウ平均はわずか2700ドルでした。

その後米国の株価は5.2倍になりました。日系平均はその間に81%下落しました。つまりバブルの時の19%になったのです。面白いことに、19%の逆数も5.2倍です。それはともかく、このように日米は逆なのです。

Kabu_tuki_3


なぜ短期的に株価が連動するのか? 短期の景気サイクルである在庫循環が連動するからだと見ています。特別な状況を除いて、両者が連動する様子がここに示されています。

Momentum2_2

なぜ長期的には日米の株価が逆に動くのか? 長期の景気サイクルである建設循環が逆だからです。住宅着工の様子を見ると、その関係が鮮明にわかります。

Jyutaku_2

経済のダイナミズムの鏡である株価が経済の波動に大きく影響されるというのは当たり前のことかもしれません。とすれば、次の展開も見えてきます。日米の株価は短期的には連動しながらも、長期波動にしたがって、両者はしだいに乖離していきます。

長期波動は米国下落、日本は上昇です。建設サイクルというおよそ20年の循環の上昇局面では、内需関連が相場を牽引する傾向があります。住宅関連などから人気はないけれど、良質な銘柄に注目ですが、細かい話はこれからのお楽しみということに・・・・・

すっかり長くなってしまいました。次回からコンパクトにします。このような時期から、日本株の話をさせていただくことを、とても幸運だと思っています。

これから、どうぞよろしくおねがいいたします。          かかし

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2008年11月 1日 (土)

【プロフィール:かかし(ペンネーム)】

Kakasi かかし(ペンネーム)

早稲田大学政治経済学部卒業後、9年間外国業務中心に銀行員生活をおくる。途中、企業派遣留学生として2年半ドイツに滞在。ミュンヘン大学で経営学を専攻。
その後、証券アナリストに転身。23年間、日系および外資系数社で、アナリストやストラテジストとして活動。人気アナリストランキングではトップグループを走る。
現在も出版社系の調査会社で企業調査に従事するかたわら、大学で株式投資に関する講座を担当する。著作は2冊。

趣味は「寅さん」。全作品のビデオを持っている。「泣いてたまるか」も。それと魚釣り。モーツァルトも大好き。最近は「般若心経」を暗記した。

25年にわたり第一線で活躍した証券アナリストを軸にプロのアナリスト集団が結集して作ったブログサイトでも執筆しております。

スケアクロウ投資経済研究所 

ご愛読の程お願いいたします。

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