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2021年10月

2021年10月24日 (日)

とりあえず、トルコリラ、孤立生む強権政治、何故だろう(世俗主義からイスラム民族主義へ) G20サミットは?

トルコリラ「通貨最下位(最下位)、株価14位(最下位)、孤立生む強権政治、何故だろう」

 エルドアン大統領の強権政治が続く。世俗主義を捨て、イスラム民族主義に戻っていくようだが、半数の国民の支持を得られないのではないだろうか。与党AKPの支持率が低下している。それを挽回するための強権政治が2016年7月15日のクーデター未遂事件とその弾圧から始まり今も続いている。利下げを強要するのはイスラムのシャリーアによる「利子の取得を禁止」を思い起こさせる。金融問題ではなく宗教の問題のようだ。
 

 週末には、欧米などの10か国の大使を国外退去処分にすると警告した。拘束中のトルコ人実業家の釈放を求めた各国の共同声明に猛反発した形で、G20サミットを前に、緊張を高めた。実業家はクーデター未遂を支援したなどとして4年にわたって拘束されている。不合理な利下げで金融市場の信頼を失い、クーデターに関わったとされている政治家、公務員、実業家の弾圧が続き世界からも批判されている。ロシアからのミサイル購入で米国との軋轢も深まっている。

 小さな良い話も週末には出た。S&Pが格付けを現状維持で確認、今年の成長率見通しも8%と高く、外貨準備も増加、株価も上昇し始めたところへ再び強権政治の片りんを見せてしまい混乱に陥れた。次回総選挙の2023年まで民意を問うのは難しく世界的な信頼を欠く強権政治は続くか。強権政治を貫くことが世俗主義からイスラム民族主義への回帰なのか理解できない。混迷続く。

今週は貿易収支、経済信頼感指数、訪トルコ観光客数、金融政策議事録、外貨準備、来週は製造業PMI 消費者・生産者物価と続く

 

 

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2021年10月23日 (土)

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド円」

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド円」

*ドル円「日足がボリバン2σ上限、週足がボリバン3σ上限から反落」

日足、ボリバン2σ上限から反落。10月19日-20日の上昇ラインを下抜く。10月5日-22日、9月24日-10月5日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。
週足、ボリバン3σ上限越えて反落。10月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン3σ上限は114.405。
月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲の上へ。ボリバン3σ上限に近づく。ボリバン3σ上限は115.87。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン下限から中位へ反発も1.17に乗れず伸び悩み」

日足、ボリバン中位上抜き、5日線G20日線上抜くも1.17に乗れず伸び悩み。10月18日-22日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。
週足、2週連続陽線。ボリバン2σ下限から反発、雲中。8月30日週-9月6日週の下降ラインが上値抵抗。10月11日週-18日週の上昇ラインがサポート。
月足、今月はここまで陽線。20年4月-5月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。サポートは雲上限。ボリバン中位を下抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「ボリバン2σ上限から反落」

日足、10月18日-20日の上昇ラインを下抜き、ボリバン2σ上限から下落。10月12日-13日の上昇ラインがサポート。10月21日-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。ボリバン上位。
週足、ボリバン2σ上限を上抜いて反落。10月11日週-18日週、10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。5月31週-10月18日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線。今月はここまで陽線。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインを上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

*南アランド円「ボリバン2σ上限から反落」


日足、ボリバン2σ上限から反落へ。10月6日-22日、10月1日-6日の上昇ラインがサポート。10月21-22日の下降ラインが上値抵抗。5日線下向き。雲上。
週足、10月11日週-18日週、10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。6月7日週-10月18日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、雲に一時突入も反落。20年5月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインを一時上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。

 

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2021年10月18日 (月)

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド」

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド」

*ドル円「ボリバン2σ上限へ、週足は3σ上限越え」

日足、ボリバン2σ上限。10月14日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。3σ上限は114.41。
週足、ボリバン3σ上限越え。10月4日週-11月4日週の上昇ラインがサポート。雲の上。ボリバン3σ上限は113.726。
月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲の上へ。ボリバン3σ上限に近づく。ボリバン3σ上限は116.18。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン下限から中位へ反発」

日足、ボリバン2σ下限から反発。ボリバン中位に近づく。10月14日15日の下降ラインが上値抵抗。10月14日-15日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。
週足、ボリバン2σ下限から反発、雲中。9月13日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。2σ下限は1.1523。
月足、今月は陽線スタート。20年4月-5月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。サポートは雲上限。ボリバン中位を下抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「7日連続陽線でボリバン2σ上限越え」

日足、7日連続陽線でボリバン2σ上限越え。10月14日-15日の上昇ラインがサポート。3σ上限は133.40。5日線上向き。雲上へ。
週足、雲の上に留まり2σ上限へ反発。10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。5月31週-10月11日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線。今月は陽線スタート。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインを上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。ボリバン2σ上限は135.859。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

*南アランド円「ボリバン3σ上限到達」

日足、ボリバン3σ上限へ。10月14日-15日の上昇ラインがサポート。6月7日-10月15日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲上。
週足、10月4日週-11日週の上昇ラインがサポート。6月7日週-10月11日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、ついに雲に突入。20年5月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインを上抜く。18年2月-21年6月の下降ラインが上値抵抗。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。

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2021年10月11日 (月)

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド」

 

*ドル円「再びボリバン2σ上限へ」

日足、10月1日-4日の上昇ラインを上抜き上昇、ボリバン2σ上限に近づく。10月7日-8日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。2σ上限は112.474(10月8日)
週足、9月27日週は長い上ヒゲを残したが先週はそれを上回りボリバン3σ上限へ。9月27日週-10月4日週の上昇ラインがサポート。雲の上。
月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲の上へ。ボリバン上位。18年10月-21年9月の下降ラインを上抜く。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「ボリバン下位で推移。10月4日-8日の下降ラインが上値抵抗」

日足、ボリバン2σ下限に沿いながら下落。10月4日-8日の下降ラインが上値抵抗。10月6日-8日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限へ下落、雲中。9月27日週-10月4日週の下降ラインが上値抵抗。2σ下限は1.1521。
月足、21年4月-6月の上昇ラインを下抜ける。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。サポーは雲上限。ボリバン中位を下抜く。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「ボリバン中位越え持ち直す」

日足、先週末に急騰。ボリバン中位越え持ち直す。9月29日-10月8日の下降ラインが上値抵抗。10月7日-8日の上昇ラインがサポート。5日線上向く。雲中へ。ボリバン上位。
週足、雲の上に留まる。9月20日週-10月4日週の上昇ラインがサポート。9月6日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。
月足、4か月連続陰線。今月は陽線スタート。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。

*南アランド円「下げ渋り、雲上へ」

日足、雲上へ。10月7日-8日の上昇ラインがサポート。9月14日-10月8日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲中。ボリバン上位へ。
週足、8月23週-10月4日週の上昇ラインがサポート。9月13日週-10月4日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、9月は雲に入れず下落。20年5月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の下。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。

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今週ご予定  [米 消費者物価 FOMC議事要旨 中 貿易収支  消費者物価]

[米 消費者物価 FOMC議事要旨 中 貿易収支  消費者物価]

10/11(月)英 月次国内総生産 鉱工業生産 製造業生産 貿易収支 トルコ 経常収支 失業率
10/12(火)英 小売売上高調査 日 企業物価 豪 NAB企業景況感指数 英 雇用 失業保険 トルコ 鉱工業生産 欧 ZEW景況感調査 メキシコ 鉱工業生産
10/13(水)中 貿易収支 豪 ウエストパック消費者信頼感指数 日 機械受注 ユーロ 鉱工業生産 南ア 小売売上 米 消費者物価 FOMC議事要旨
10/14(木)英 住宅価格指数 豪 雇用 中 消費者物価 生産者物価 カナダ 製造業出荷 米 卸売物価 失業保険
10/15(金)日 第三次産業活動指数 ユーロ 貿易収支 カナダ 卸売売上 米 NY連銀製造業景気指数 小売売上 輸入輸出物価 企業在庫 ミシガン大学消費者態度指数

 

(発言など)
10/11(月)衆参両院で各党代表質問 IMF・世銀年次総会
10/12(火)G20財務相・中央銀行総裁会議(ワシントン、~10/13)
10/13(水)
10/14(木)野口日銀審議委員
10/15(金)ウィリアムズNY連銀総裁

(決算)

10/11(月)
10/12(火)Jフロント、東宝
10/13(水)ABCマート、吉野家HD JPモルガン・チェース ブラックロック
10/14(木)良品計画、ファストリ 高島屋 台湾積体電路製造(TSMC) バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、シティグループ、ウェルズ・ファーゴ、USバンコープ、ユナイテッドヘルス・グループ、
10/15(金)ゴールドマン・サックス

(外貨投資など)

10/11(月)
10/12(火)米3年国債入札 米10年国債入札
10/13(水)米30年国債入札 朝日ライフアセットマネジメント WCM 世界成長株厳選ファンド(資産成長型)「愛称:ネクスト・ジェネレーション」
10/14(木)
10/15(金)ピクテ投信投資顧問 ピクテ・サステナビリティ・マルチアセット・ファンド「愛称:モンド」 大和アセットマネジメント チャイナ・カーボン・ニュートラル・フォーカス

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2021年10月 4日 (月)

テクニカル「主要3通貨&南アランド」

テクニカル「主要3通貨ペアテクニカル&南アランド」

*ドル円「長い週足の上ヒゲが効くか」

日足、先週後半下落、ボリバン2σ上限を下抜く。9月30日-10月1日の下降ラインが上値抵抗。9月22日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線上向き。相場は5日線を下回る。
週足、先週は週初はボリバン3σを上抜く強さであったが、週後半は上げ幅を縮小し、長い上ヒゲを残した。9月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。ボリバン
2σ上限は111.119。3σ上限は111.646。雲の上。
月足、7月-8月の下降ラインを上抜く。21年8月-9月の上昇ラインがサポート。雲中。ボリバン上位。18年10月-21年9月の下降ラインが上値抵抗。
年足、2020年まで5年連続年足陰線だが、今年はここまで陽線維持。15年-20年の下降ラインを上抜く。16-20年の上昇ラインがサポート。

*ユーロドル「先週は最終日だけ陽線」

日足、ボリバン2σ下限に沿いながら下落。9月30日-10月1日の下降ラインが上値抵抗。9月30日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線下向き。
週足、ボリバン2σ下限へ下落、雲中。9月13日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。2σ下限は1.15435。
月足、21年4月-6月の上昇ラインを下抜ける。6月-9月の下降ラインが上値抵抗。20年3月-21年9月の上昇ラインがサポート出来るか。ボリバン中位を下抜く。雲の上維持。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。17年‐20年の上昇ラインがサポート。14年‐20年の下降ラインも上抜いたが下抜き返す。

*ユーロ円「急落、雲の下へ」

日足、先週後半急落。9月29日-30日の下降ラインが上値抵抗。9月22日-10月1日の上昇ラインがサポート。5日線下上向き。雲下へ。ボリバン下位。
週足、9月20日週はボリバン2σ下限から反発も中位に届かず。9月20日週-27日週の上昇ラインがサポート。9月6日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、8か月連続陽線とならず4か月連続陰線。20年11月-21年9月の上昇ラインがサポート。21年7月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
年足、18年-19年の下降ラインを上抜く。16年-20年の上昇ラインがサポート。15年-18年の下降ラインも上抜く。ただ上ヒゲが長くなってきた。

*南アランド円「下げ渋った」

日足、雲中続く。8月20日-10月1日の上昇ラインがサポート。9月23日-10月1日の下降ラインが上値抵抗。5日線上向き。雲中。ボリバン下位。
週足、8月23週-9月27日週の上昇ラインがサポート。9月13日週-27日週の下降ラインが上値抵抗。雲の上。
月足、9月は雲に入れず下落。20年5月-21年8月の上昇ラインがサポート。21年6月-9月の下降ラインが上値抵抗。雲の下。
年足、18年-20年の下降ラインを上抜く。15年-18年の下降ラインが上値抵抗。20年の下ヒゲも効いている。

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2021年10月 2日 (土)

コロナ治療、飲み薬に期待

*「ソトロビマブ」英製薬大手グラクソ・スミスクライン

コロナ治療、飲み薬に期待 抗体薬承認、重症化予防に

英製薬大手グラクソ・スミスクラインが開発した中和抗体薬ソトロビマブが承認されたことで、新型コロナウイルスの重症化予防が一段と進むことになる。
今後は「内服での治療薬が出れば、新型コロナがかぜになる」(舘田一博東邦大教授)として、経口の抗ウイルス薬に期待が集まる。


*「モルヌピラビル」米製薬大手メルク

【ニューヨーク時事】米製薬大手メルクは1日、開発中の新型コロナウイルス経口治療薬「モルヌピラビル」の後期臨床試験(治験)の暫定分析結果で、重症化リスクがほぼ半減したと明らかにした。極力早く米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請する方針。認可されればコロナの飲み薬としては世界初となる可能性があるという。

 軽中等症の成人のコロナ患者にモルヌピラビルとプラセボ(偽薬)を投与した治験で、モルヌピラビルは入院や死亡のリスクを約50%低下させた。飲み薬が処方されるようになれば、医療機関の負担が軽減されると期待されている。

*「?」塩野義製薬


塩野義製薬が開発中の新型コロナウイルス治療薬は、自宅で使える経口薬(飲み薬)で、コロナの脅威を大幅に減らす可能性を秘めている。先行する海外の製薬大手に追いつくため、これまでにない態勢で開発を急いでいる。29日に記者会見を開いた手代木功社長は、「ワクチンや診断、治療薬が急速に進歩している。経済的で簡便にお飲みいただける経口薬は最後の1ピースだ」と述べた。

 27日に始めた飲み薬の最終段階の治験では、医療機関だけでなく、ホテルなどで宿泊療養中のコロナ患者も対象に加えた。大勢の参加者を確保して迅速に治験を進めるためで、「これまでにない異例の態勢」(広報)で臨む。発症初期に薬を飲めば、早期に回復できる効果が期待されている。 塩野義は、開発中の新型コロナワクチンについても、年内に最終段階の治験を始め、今年度中に供給開始を目指す。ワクチンの普及で重症化を予防し、感染しても飲み薬で簡単に治療できるようになれば、新型コロナを「インフルエンザ同様」(塩野義)の感染症として扱える可能性があると期待する。
 塩野義は2021年3月期の連結売上高が2971億円と、国内中堅規模の製薬会社だ。ただ、インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」やHIV治療薬「テビケイ」を創出した実績を持つ。感染症領域に強みがあり、手代木氏は「経営資源の8割を新型コロナ関係に充てている」と全社を挙げて対応していると強調した。
 開発競争
 塩野義が治療薬の開発を急ぐ背景には、国際的な競争の激化がある。

 先行しているのが、米製薬大手メルクだ。日米などで経口薬「モルヌピラビル」の治験を実施しており、近くデータを発表する見通しだ。米政府とは承認を前提に、170万回分を供給する契約を既に結んでおり、年内の実用化が期待されている。塩野義は、最短でも5年はかかるとされる飲み薬の化合物特定を、創薬開始から9か月で果たした。手代木氏は「抗ウイルス薬、抗菌剤を手がけてきた強みが発揮されている。動物実験では(海外勢の治療薬と)同等かそれ以上の効果が得られている」と述べた。国産治療薬の早期実用化に向けて、国の審査で早期承認にこぎ着けたい考えだ。


*「その他」米ファイザーやスイスのロシュが開発する治療薬の治験も最終段階に入っている。塩野義と比べ、「海外勢は2~3か月先を行っている」(手代木氏)状況だ。

 

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