ワクチン開発状況
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン開発が進んでいるが、臨床試験(治験)により効果が立証されたものはいまだない。だが世界各国は、少なくとも計57億回分のワクチンを事前に確保している。現在5種類のワクチン(欧州3、中国2)で、数千人の被験者が参加する第3相試験が行われている。
世界中の研究機関がワクチン開発を競っており、製造業者らは2021年または今年末までに数百万回分のワクチンを用意するための資金援助を受けている。」
**********************************************************************
(英国)
・英政府は日、ワクチンを2社から9千万回分確保したと発表した。これで確保済みのワクチンは6社から計3億4千万回分となった。4万人超と欧州最多の死者を出した英国は、感染対策としてワクチン確保を急ぐ。臨床試験(治験)も支援し、早期接種につなげる。新たに確保したのは米バイオ製薬のノババックスが開発するワクチン6千万回分と、米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のヤンセンファーマの3千万回分。両社の国内外での治験を支援する。これらのうちノババックスのワクチンは富士フイルムの英施設で生産する。
英政府は従来、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大が開発するワクチンなど2億5千万回分確保していた。どのワクチンが有効か不明で、なるべく多くの種類を確保する姿勢だ。
(米国)ワクチンを巡っては米国が15億回分、中国は5億回分確保したとされる。
・モデルナ、ワクチン供給で米政府と合意 新型コロナで1億回分
・米製薬会社などが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンについて、ヒトでの臨床試験の結果、免疫の役割を担う「抗体」の量が接種後に上昇することが確認されたなどとする初期段階の研究成果が発表された。「ファイザー」とドイツの「ビオンテック」が開発する新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験について、初期段階の結果が12日、イギリスの科学雑誌「ネイチャー」に掲載された。
このワクチンは先月から開発の最終段階にあたる第3段階の臨床試験に入っていて、ファイザーは早ければことし10月の承認を目指す
・米国立衛生研究所(NIH)のフランシス・コリンズ所長は、トランプ政権のワクチン開発促進策「オペレーション・ワープ・スピード・プログラム」が支援する新型コロナウイルスのワクチン候補について、大規模な臨床試験(治験)に時間が必要になることから、11月よりも前に規制当局の承認を得る可能性は低いとの見解を示した。
(欧州)
・英アストラゼネカから最大4億回分を購入することで合意したと発表。J&Jから最大4億回分、英グラクソ・スミスクライン(GSK)と仏サノフィから3億回分を購入する方向でも調整している。
(中国)ワクチンを巡っては米国が15億回分、中国は5億回分確保したとされる。
・中国国営の中国医薬集団総公司(シノファーム)が開発中の新型コロナウイルスワクチン候補の初期および中期臨床試験で、安全性が証明されるとともに、抗体形成による免疫反応が確認された。シノファームや中国の疾病対策担当の科学者らが執筆した論文が、米学術誌ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション (JAMA)に掲載された。
論文によると、ワクチンに目立った副作用はなく、健康な成人320人を対象にした第1・2相臨床試験で明らかな抗体反応が確認されたという。
ただ、それが新型コロナウイルス感染症の予防に十分かは依然わかっていないとしている。このワクチン候補はすでに臨床試験の後期段階に入っている。
中国国内では患者数が少ないため、シノファームはワクチン候補の第3相臨床試験をアラブ首長国連邦(UAE)で1万5000人の患者を対象に実施中。また米ウォールストリート・ジャーナル紙によると、パキスタンでも臨床試験を行うことで合意しているという。
(日本)
・ファイザーとビオンテックのワクチンは、開発に成功した場合、米政府が少なくとも1億回分の供給を受けることで合意しているほか、日本政府も来年6月末までに6000万人分の供給を受けることで合意している。このワクチンは先月から開発の最終段階にあたる第3段階の臨床試験に入っていて、ファイザーは早ければことし10月の承認を目指す
(ロシア)
・ロシアのプーチン大統領は11日、新型コロナウイルスに対する「持続可能な免疫」をつくる世界初のワクチンを開発したと発表した。このワクチンは旧ソ連が打ち上げた人工衛星にちなみ、「スプートニクV)」と名付けられた
(フィリピン)
・フィリピンでは今年10月にロシア製ワクチンの臨床試験を開始する見通しだ。薬事規制当局は来年4月までにロシア製ワクチンを承認する可能性が高く、ドゥテルテ大統領は、来年5月までにロシア製の新型コロナウイルスワクチンの接種を見込んでいる。
(南米)
・アルゼンチン・フェルナンデス大統領は、英国製薬大手アストラゼネカと英国オックスフォード大学が共同開発し、臨床試験の最終段階(第3フェーズ)にある「新型コロナウイルスワクチン」が、アルゼンチンとメキシコで製造される予定であることを発表した
| 固定リンク
最近のコメント