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2020年1月23日 (木)

「仲値でドルが上がりやすい(あるいは底堅い)もう一つの理由)」

「仲値でドルが上がりやすい(あるいは底堅い)もう一つの理由)」

輸入=ドル買いは仲値決定の10時に集中、輸出はその後、だらだらと出ます。

輸入業者が早起きで、輸出業者が怠け者ということではありません。

 輸入は海外への支払日が決まっているので前日から送金依頼があり、
 仲値決定の朝10時に集中し取引が行われます

 輸出は海外からの送金で受け身の立場、入金確認後に取引をするので、前日から売り決め出来ず、入金の都度、取引することになりがちです。

 朝の10時時点では、年間で90%以上、ドル不足(ドルをネットで買う状態)となっています。

その後は、輸出が散発するので、トータルの仲値の取引が大きなドル不足とはなりませんが
やはり、「その1」で申し上げた通り、ドル建て輸入が、ドル建て輸出より多いので、東京ではドルは下がり難いことが多いでしょう

 もちろん、NYダウが下げたり、最近の中国のコロナウィルス肺炎などで朝から下がることがありますが、多くはないでしょう。

 朝起きたら、NYダウ、日経平均先物のNYの終値、注文状況、チャートのヒゲや支持、抵抗ラインなどを見て取引を始めています。

仲値でドルが上がるといっても、9時から9時55分の仲値の決定までで1日平均5銭程度でしょう。たまに数十銭、1円と上がることもあります。
逆に、仲値決定直前に緩んでくる時は、意外とドル不足が少なく、買いすぎた銀行が調整で売りを出す時か
ごくたまに大手自動車が仲値で大玉の輸出を持ち込んでくる時です(年に数回)。

 為替はこのように輸出入業者の商慣習が関わってくることが多いです。
またNYで派手に下がったり、上がったりした時は、シドニーではその流れを引き継ぎますが

東京ではドルが下がれば輸入や資本が出て、上がれば輸出が出ます。逆張りということでなく、採算面から絶好の買い場、絶好の売り場とみるからでしょう。

投機筋と違って、輸入は常にドルショート、輸出は常にドルロングなので、センチメントより採算ベースで向かって来るので注意です。投機筋はセンチメント主体なので
気をつけたいところです。


(このごちゃごちゃとした商慣習の東京市場とは異なり、自由奔放な動きを見せるNY市場ではシートベルトをつけてジェットコースターに乗る感じで、ニュースを見落とさずやりたいものです)

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