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2018年10月15日 (月)

為替関連、第38回国際通貨金融委員会(IMFC)における日本国ステートメント

「為替関連、第38回国際通貨金融委員会(IMFC)における日本国ステートメント」
(グローバルインバランス)
 過度のグローバルインバランスは、世界経済にとってのリスクです。各国の経常収支は、マクロ的な貯蓄・投資バランスの現れであることを踏まえ、各国が持続可能な貯蓄・投資バランスを実現するために適切なマクロ経済・構造政策を実施し、グローバルインバランスの解消を図っていくことが必要です。これを二国間の貿易問題としてとらえ、関税の引き上げなどで対処しても、グローバルインバランスは解消しません。多国間の枠組みの中で解決することが不可欠であり、IMFのサーベイランスが共通の土俵を提供することが重要です。
 その観点から、IMFの対外バランス評価モデルや対外評価報告書(External Sector Report)は、各国の対外ポジションを透明かつ公正な形で評価するツールとして有用です。人口構成の変化や世代ごとの貯蓄行動の差異をより正確に捉えるため、IMFが評価モデルの見直しに取り組んでいることを日本は高く評価します。一方で、根源的な問題も残されています。このモデルは、経常収支バランスをベースにした為替レートの評価が注目されがちですが、多くの国で、経常収支と結び付けて為替レートを評価することの妥当性は失われています。たとえば先進国を中心に、為替レートによる調整が機能しない所得収支が経常収支に占める割合が大きい国が増えているほか、経常取引と無関係の資本取引の規模が著しく増大し、その内容が為替レートの主たる決定要因となっています。為替レートを経常収支と関連づけて評価するのではなく、むしろ経常収支バランスの分析から過度のインバランスの所在を突き止め、それに対処する構造改革を提言するという本来的な意義に沿った活用に軸足を移すべきと考えます。

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