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英政府は22日、生後6カ月未満の子犬や子猫の販売を禁止する方針を発表した。英国では劣悪な環境でペット用の犬猫を繁殖させる「パピーファーム(子犬工場)」に対する批判が強まっており、悪質業者を排除する狙いがある。
子犬や子猫は人気が高く、しばしば高額で販売される。しかし、幼少期に母親と引き離すことで健康面の問題が生じたり、社会性を欠いたりすると指摘される。さらに、狭いケージの中で犬猫に次々と出産させ、数週間以内に売りさばく子犬工場がはびこる原因にもなっている。
政府は同日から意見を公募した上で詳細を詰め、法案を議会に提出する。ゴーブ環境相は「ペットをひどい環境に置いてきた連中が利益を得ることはもうできなくなる」と強調している。
実現すれば、子犬や子猫を飼いたい場合でも、ペットショップなどでは購入できなくなる。ただ、優良と認定されたブリーダーから直接購入する場合と動物保護施設から引き取る場合に限っては認められるという。
禁止されるのは英国全土ではなく、イングランドのみ。英国では近年、救出された繁殖犬を通じて子犬工場の実態が明らかになり、社会的な反響を呼んでいた。動物愛護団体は政府の方針を歓迎している。
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