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2016年11月 9日 (水)

両候補の貿易内向き政策は景気回復に役立つのか

「両候補の貿易内向き政策は景気回復に役立つのか」
 米大統領選が迫ってきている。結果が出た後の刹那的動きはクリントン候補勝利ではリスクオンでトランプ候補ではリスクオフということになっており、直前にクリントン氏のメール問題でトランプ氏が盛り返した時はそうなっている。ただ落ち着けば再び需給の問題となる。両候補ともに貿易については米国の雇用増に役立つとすれば内向きの姿勢をとるようだ。ただ内向きになれば雇用が増え経済が活性化するかと言えばそうとは限らない。日本の農業を見ればよくわかる。また米国の輸入が減少することとなれば、貿易赤字も縮小しドル高となる。雇用を増やしたい製造業の業績が悪化してしまう。またトランプ氏はHIA(本国投資法)を復活し、海外に滞留している米企業の資金を本国に戻す政策を示唆している。それをやれば2005年のHIA実施の時と同様にドル高となる。両候補とも貿易を内向きにして雇用を増加させようとして、効果は逆の方向へ向かってしまうかもしれない。
 現状の政策でいいと思うが、せっかく大統領になるので新しいことをやらざるを得ない空気となっているのだろう。以上が刹那的、中期的な話である。長期では米国の貿易赤字傾向が大きく変わるとは思えず、ドル円相場のように、行ったり来たりしながらドル安へ向かっていくのだろう。
 それ以外はヘッドラインニュースに素早く、自分の持っている知識を基に反応し、あっさりと手仕舞うことだろう。両候補ともに保護主義をとるなら自然の流れである自由主義と衝突するので紆余曲折がるだろう。英のEU離脱問題と同じように。ただ英国は米国同様に貿易赤字国なのでポンド安が長期の基調である。

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