11月の米国雇用統計の影響に注目! : かかし
先週の日経平均株価は1.38%と小幅でしたが上昇しました。これで5週連続の上昇となります。
11月に入ってからの日経平均株価の上昇率は11.2%。ダウ平均株価は2.3%の上げにとどまり、上海総合指数は6.9%下げていますから、日経平均株価の好調さが目立ちます。
日足で見ると、11月30日に円高と上海総合指数の急落を受けて1.9%下げたほかは堅調な動きを見せています。
そこで、今後はどのような展開になるのでしょうか? 果たして、堅調な動きが続くのか?
結論として続くと思います。ただし円高が上値を抑えるため先週に続いて小動きと見ています。
なぜ堅調と見るのか? 米国株式市場の底堅さが最大の理由です。ポイントは先週金曜日の11月雇用統計発表を受けたダウ平均株価の反応です。
期待を大きく下回る雇用統計の発表直後にドルが急落しました。
GLOBEXのダウ先物価格も急落となっています。
ところがその後にスタートしたダウ平均株価が、下げるどころか0.17%上昇して大引けを迎えました。
なぜか? 経済の先行きに対する懸念より、量的金融緩和政策の維持・拡大に対する期待が上回ったためと考えています。(スケアクロウ投資経済研究所「米国マーケットを振り返る」)
とすれば、皮肉ですが、米国経済が弱いほうが米国株式市場には好ましいということになります。米国経済の回復基調が鮮明になれば、FRBの量的金融緩和政策が適切であるかどうかに疑問が出てきますし、政策の縮小を余儀なくされる可能性も出てきます。
そこで、3日に発表された10月の製造業受注統計を用いて米国製造業の在庫循環モメンタムを作成してみると、幸か不幸か、かなり下落しています。米国景気はコンセンサスとは異なって、悪化が鮮明であるということです。FRBの判断が基本的に正しいということになります。
この在庫循環モメンタムとダウ平均株価との連動性はかなり高いのですが、8月以降は乖離が進んでいます。景気指標の悪化にも関わらず、株価が上昇しています。印象論ですが、この乖離が流動性の供給によるマーケットの底上げ部分と考えています。
したがって、もし景気回復が確認されて、金融緩和政策が縮小・停止という事態になれば、ダウ平均株価には強い下げ圧力が顕在化することになると見られます。
ということで、米国株式市場は当面は金融相場に支えられた底堅い展開が期待できそうです。日経平均株価にとっても好ましい展開です。
しかしながら一方で、ドル安円高の動きが上値を抑える可能性が高いことから、日経平均株価は小動きと判断しています。
為替の動き次第では軟調な局面もあることに警戒しながら臨む必要があると考えています。
野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社
| 固定リンク
「日本株」カテゴリの記事
- 超長期波動 : かかし(2010.12.27)
- セクター・ローテーション : かかし(2010.12.20)
- マクロウェーブ・インベストメント : かかし(2010.12.13)
- 11月の米国雇用統計の影響に注目! : かかし(2010.12.06)
- 今週の日経平均株価は小動きか? : かかし(2010.11.29)
「6かかし(2)」カテゴリの記事
- 超長期波動 : かかし(2010.12.27)
- セクター・ローテーション : かかし(2010.12.20)
- マクロウェーブ・インベストメント : かかし(2010.12.13)
- 11月の米国雇用統計の影響に注目! : かかし(2010.12.06)
- 今週の日経平均株価は小動きか? : かかし(2010.11.29)
コメント