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2010年11月15日 (月)

QE2後のマーケットを考える(その2) : かかし

 まるで船の名前を思わせるQE2と呼ばれるFRBによる量的緩和政策の発表を受けて先々週に4.6%と急騰した日経平均株価は、先週も1.03%高と続伸しました。

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 とはいえ、金曜日には大きく下げるなど、なんとなく基調の変化を感じさせる動きが見えるのが気になりました。

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 ダウ平均株価も先週は2.2%安で終えていますので、日本同様に様子が変わってきたように見えます。

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 日本が上昇、米国が下落ということで、日米株価の乖離幅は縮小に転じています。

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 そこで今週のマーケットをどう見るのか? QE2後に見せた動きを踏まえて考えてみたいと思います。実は、先週と基本的なロジックは変わっていません。重複箇所は読み飛ばしていただければと存じます。

 まず、日米株価乖離をドル円の動きに重ねます。そうすると、日経平均株価がQW2後に見せた急速な上昇の理由が浮かび上がります。ドル円の動きに対して日米株価乖離が大きく下振れしていたのが、揺り戻されただけと見ることができそうです。

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 最近の動きを拡大すると、次のようになっています。揺り戻しの引き金は円安への動き。ドル円が円安に動き、日米株価乖離が上昇に転じました。日米株価乖離は日経平均株価からダウ平均株価を単純に差し引いたものです。ダウ平均株価の動きは小幅でしたから、日米株価乖離が上昇したということは、日経平均株価が上げたということになります。

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 では、現在の状況をどうみるか? すでに、ドル円と日米株価乖離の間にあったギャップを埋める動きは既に完了したように見えます。

 そうすると、もし日経平均株価がさらに上昇を続けるとするならば、何が上昇要因になるのでしょうか? この図から単純に考えると2つあります。一つはドル円がさらに大幅円安に進むこと。もう一つは、ダウ平均株価が上昇することです。

 まず円安について。もし、QE2の結果、長期金利の低下が設備投資や企業収益の回復を促し、経済が力強い上昇軌道に乗ったということであれば、円安への基調の転換の可能性は高いといえそうです。しかし、もちろんそれを確認するにはもっと時間が必要です。そして、何よりも、米国の長期金利は低下するどころか、上昇しています。

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この長期金利が、景気回復を早々と織り込む動きであるならば、FRBQE2は判断ミスであり、世界中に過剰流動性をまき散らす役割を果たしたに過ぎないということになってしまいます。

私は、米国経済の先行きは予断を許さないと見ています。それについては、製造業の在庫循環モメンタムを使って先週申し上げました(「QE2後のマーケットを考える」)FRBの判断ミスではなさそうだということです。ですから、対ドルで本格的な円安に基調が転換したとは言えないだろうと考えています。

ついでに対ユーロでも円安が進んだことについても一言。もし、欧州が財政問題を完全に克服して、着実に回復軌道を辿っているということであれば、本格的な円安局面に入ったと見て良いと考えています。しかし、財政問題は完全克服どころか再燃の気配です。

このようにみると、円安への動きは一時的である可能性が高いと考えられます。

次に、米国株式市場の動向です。これまで、QE2への期待から、強い経済指標よりむしろ弱い経済指標を好感して上昇を続けてきました。QE2への期待を膨らませたということです。ところが、QE2の発表前後からは、皮肉なことに、強い経済指標が増えてきたようです。強い経済指標は、弱い経済指標で上昇を続けたマーケットの動きが誤りであったと言っているようなものです。

では、どう見るのか? 私は、すでに申し上げたように、米国経済の先行きは予断を許さないと見ているのですが、QE2で政策的に (人為的に) マーケットを底上げしてしまいましたので、一段の上昇余地は限定的であると考えています。

強い経済指標はマーケットにはマイナス要因です。これは金融相場から業績相場への転換期の反落局面では頻繁に生じるありふれた現象にすぎません。

ということで、為替と米国株式市場という日経平均株価の動きに大きく影響する2つの要因が、ともにプラスの影響を及ぼすことはないだろうと考えますので、2週連騰となった日経平均株価ではありますが、依然として警戒が必要と見ています。「除行運転」です。

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