外為入門123、対内対外証券投資の状況、財務省発表の見方
「外為入門123、「対内対外証券投資の状況」財務省発表の見方」
財務省より対内対外証券投資の状況が10日ごとに発表される。種類は4項目で
株の対内、対外投資 と債券の対内、対外投資である。
時々この見方で誤報されていることがある。この表と為替相場の関連性を述べたい。
まず金額であるが株と債券では大きさが異なる。とくに対外投資においては10倍ほどの差がある。債券が兆円単位であり、株が千億円単位である。
為替のからみといえば株のほうはそのまま為替がつく場合が多い。株式の売買と為替の売買がほぼ同時のときが多い。 いつ利食いとか損きりがでるかわからずスワップなどのんきに利用できないからだ。株取引は期日が確定していない。最近はネット取引が増えてきて外貨外貨の決済も増えややトレンドを変えつつあるが、先物や証拠金取引中心でこれは本邦発表の数字には出ない。
債券の場合、対内投資であるJGBの売買はほぼ為替が絡まないであろう。短期資金を借り入れての購入が多い。 また対外投資である外債購入はかってこの数字の公表が為替相場を左右したが今はその面影はない。 何故なら日本の投資家がリスクをとることに慎重になり外債を購入してもスワップ付為替であり、純粋の為替のポジションではなく金利のポジションになっていることだ。ALMのポジションである。伝統のリスクを負わない長期貸しの短期調達である。
おおざっぱに言えば 株の投資状況は為替にそのまま反映するが債券はJGBにおいては無視できる。外債の場合は為替がつくものは半分程度ではないだろうか。
円債が海外から買いが強くなっていると言っても それは日本の不況でさらに金利が下がりそうだからだ。それが円買いに結びつくことは無い場合が多い。日本を評価してより不安視しての日本買いである。外債投資の場合はいかにも海外リスクをとって為替もドルやユーロが上昇するような報道もあるが主役の機関投資家は為替より予想しやすく安全な金利差を狙っているだけである。
小渕内閣で株が2万円に載せたときの対内株式投資が年間貿易黒字に匹敵するネット10兆円に達したときは円も急騰したのであるが、債券投資のほうは為替相場を読む上で参考になりにくい。景気をどう内外投資家が読んでいるかはわかるが、為替には結びつかない。
結論としては「財務省の対内対外証券投資状況」にも為替が絡む項目とそうでない項目がある。それは国際収支表についても言えることである。1998年の外為法改正があっても、外為公認銀行は国際間資金取引の関所であるが、為替取引が絡むかどうかは どの 資料も明確には表していない。関所を通り抜ける人の外見はわかっても正体はわからない。
*
野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社
| 固定リンク
「外為入門2」カテゴリの記事
- 外為入門131、年金旅行団(2010.11.19)
- 外為入門、スパウザ ユアーズ、財務省にヨイショ(2010.11.18)
- 外為入門129、日本の借金と調所広郷(2010.11.18)
- 外為入門128、所得収支黒字その2(2010.11.17)
- 外為入門127、所得収支黒字その1(2010.11.17)
コメント