豪ドル高の影響が出始める:津田
豪ドル高の影響が出始める 先ほど豪ドルは1AUD=1USDのパリティー寸前まで行ったが、今週ギラード首相は「豪ドル高が輸出業者を圧迫している」と発言しており、こちらのマスコミでも急に豪ドル高が話題になっている。 いずれにしても資源関連輸出に関しては、商品相場が上昇している限り豪ドル高の影響をある程度緩和できるが、観光産業やこのような留学ビジネスは豪ドル高の直撃を受ける分野であると言え、パリティー越えが必至と思われる豪ドルの動向が注視される。
野党自由党の影の財務相アンドリュー・ロブと影のスポークスマン、ジョー・ホッキ―は「政府の財政拡大が高金利と豪ドル高を招き、輸出業と観光そして海外からの留学生受け入れビジネスに大きな痛手となっている」と非難し、“小さな政府”による財政緊縮を図るべきと述べている。
彼らは政府の怠慢と無能ぶりを指摘し毎年12月に発表される“年央経済及び財政見通し-Mid-Year Economic and Fiscal Outlook(MYEPO)の発表前に政府としての経済・財政政策を公にすべきと要求している。
また野党から出ている”政府は豪ドル高を阻止すべきであり、スワン財務相が一連の週末国際会議において中国に対する人民元切り上げ圧力が弱腰であった“との非難に対してスワン財務相は「今の豪ドル高は豪州経済の強さと60年ぶりの交易条件の高さを反映しているが、この好条件が永遠に続く訳ではない。この豪ドル高は製造業(輸出業)や旅行関係にとっては厳しいが消費者にとっては好都合である」と、あまり意に介していないようだ。
また「豪州は自由市場で形成される為替制度を信奉しており、これはまた世界経済にとっても望ましい」と述べている。
これに対して豪州商工会議所の代表を務めるピーター アンダーソンは「介入によって豪ドル高を阻止するのは政府の任務ではないが、輸出業サポートの何らかの手を打つべき」と述べている。
また中国批判に関してスワン財務相は「ガイトナー長官の中国の為替制度非難はそんなに手厳しいものではなかった」として直接中国の為替政策への言及を控えたが、これはやはり豪州の最大のお客様に対する心遣いであろう。
最近こちらでよく新聞などに”Education Export”なる言葉が載っている、これは海外からの留学生受け入れのビジネスのことで、こちらも豪ドル高の影響を大きく受けている。この留学ビジネスの市場規模は$18.6bioと言われるが、従来から豪州で問題になっている海外留学生に対する暴行事件や大学(college)の閉鎖、職業移民ビザの制限に加えて今回の豪ドル高から、留学先を豪州以外に留学先を変更するケースが多いという。
ある大学では留学願書が今年30%減少し、来年は更に減少することが予想されるという。
向こう2年で教育分野の損失は$1.2bioに達し、19,000人の雇用が失われる恐れがある。
ある大学では受け入れ先のターゲットを従来から留学生受け入れが多かった中国やインドから更に南ア、中近東そして欧州に広げている。
University AustraliaのチャーマンPeter Coaldrakeによる「豪ドル高が最大の懸念材料である。海外留学生は為替レートに非常に敏感であり、特に1AUD=1USDの環境では米国への留学希望者が増えるであろう」と述べている。また国際教育アソシエーション・オーストラリアによると海外留学生からの学費は全大学性の15.5%を占めており、135,000人の雇用を生み出しているとのこと。また大学の留学生収入は全留学生収入$18.6bioの内$10.4bioを占めているが、今後留学生の減少とそれに伴う雇用の減少が懸念されるという。
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