内部での意見分かれるECB:水谷
昨日は中国の基準金利が突然引上げられました。1年物で0.25%引き上げ、貸出金利5.56%, 預金金利2.50%としました。中国の経済指標、政策金利が金融市場に与えるインパクトが益々高まっていると再認識した次第です。ドルインデックスが先週末から買いサインが出ており、そろそろかと思っていました。テクニカル的にそろそろ反転と思っていたところに非常にインパクトがあるニュースで投資家に利食いの材料を提供、テクニカル的にもその方向に動いている。対ドルでユーロ、ポンド、そして豪ドルでの下落が著しい。RBAは来月の金融市場委員会で利上げ観測が強い。そして金価格を中心にして商品相場が上昇と豪ドルには追い風となっていた。FRBではエーレン副総裁を中心に量的緩和つまり追加金融緩和策が結果的に過剰流動性を引き起すとして慎重論が台頭している。リスク資産への傾倒に警告を発するメッセージに対して、米国の機関投資家、投機家は警戒を持ち始めていました。丁度良いタイミングで中国利上げ報道です。米中が裏で手を握っているとも勘ぐりたくなる。
一気に全ての通貨で利食い売り、そしてドル買い戻しの動きです。金価格も大幅下落して現在1335ドル(1オンス)です。10月の高値、7月下旬の安値でフィボナッチ分析をすると61.8%戻しが1296ドルと当面1300ドル近辺に下げる可能性があるのではと思います。中国が外貨準備金で金を今後10年大幅に増やすと言われており、底値は堅いのではと思います。
ジェットコースター最高地点に達し、そして昨日から下り坂に入った状況ではないかと思います。私はジェットコースターは好きではありません。私にはディズニーランドのスペースマウンテイン位の恐怖感が丁度良い。最初はスピードが加速して、そして次第に恐怖感が和らぐ。そうすると冷静に相場を見ることが出来る。
余談が長く、そろそろ本題に入りましょう。ECBはハト派とタカ派に分かれており、ハト派のトリシェ総裁が、タカ派のウェーバー独連銀総裁の発言を牽制する動きとなっています。トリシェ総裁もそろそろ債券買い取りを控えた策には賛成のようで、非伝統的金融政策はこれ以上続けないほうが良いとも語られている。しかし、ECB総裁はアイルランド、ポルトガル、そしてギリシャの財政状況も考慮する必要があるようです。ウェーバー独連銀総裁は経済好調のドイツ中心に物事を判断しがちです。輸出好調の経済状況からはそろそろ引き締めに転じても良いのではと思う気持ちは理解できます。経済好調国、財政問題を抱えた国、信用リスクを抱えた国、工業国、農業国、観光で支えられた国とユーロ諸国はまだら模様です。これらの国を纏めてゆくのは大変です。トリシェ総裁の苦労が分かります。ユーロ圏9月消費者物価指数1.8%前年比と2.00%の目標インフレ率に近づきつつある経済状況とタカ派、ハト派とその国の経済状況との絡みから意見の違う各国中央銀行の総裁の発言には注意をしたい。若干誇張気味の発言には話半分と聞きましょう。
昨日もポルトガル国債、アイルランド国債の利回り上昇とソブリンリスクは燻っている状況です。裏で何かが進行しているのかもしれない。ユーロ売りの格好の材料にされるとも限りません。アングロ・アイリッシュ銀行の再建も公的資金を注入したばかりです。
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