為替次第の株式市場 : かかし
今更、改めて申し上げるまでもないことですが、為替の動きに大きく揺れる株式市場です。
先週の日経平均株価は0.8%下落しました。
為替に関する政策的な対応策に期待が高まって水曜日、木曜日には上昇したのですが、相変わらずの無策ぶりに対する失望もあって、金曜日は大きく下落して、それまでの上昇分を帳消しにしてしまいました。
ダウ平均株価も0.87%下げたため、日米の株価動向は次のようになっています。
先週に比べて、大きな変化はありません。日経平均株価からダウ平均株価を差し引いた乖離率は相変わらず10%を僅かに上回っています。
先週指摘したように、この乖離の背景にはドル円の円高への振れがあるようです。
この円高に伴う株価パフォーマンスの悪化は、他の注目市場の動きと比較すると、かなり深刻な上昇です、今年の1月15日には、日本市場のパフォーマンスはトップグループを走っていました。
それが、先週金曜日には最下位グループに落ち込んでいます。パフォーマンスの悪さではドバイとほぼ肩を並べています。
最近になって、政府・日銀は円高を気にし始めたように見えます。「口先介入」や「レートチェック」などが、マーケットの注目を集めました。
今週には 首相と日銀総裁の会談が開かれるというウワサも飛び交っているようです。しかし、党内もまとまっていない状況で代表選を控える首相にしてみれば、円高対策どころではないかもしれません。為替対策に半身の首相と、これまでほぼ無策の姿勢を一貫して維持してきた日銀総裁が会談して、突然画期的な基調を大きく変えるような政策が飛び出してくると期待するのは具合が悪いかもしれません。
だとすれば、当局の無策が継続することを前提に、どの程度までの円高を見ておく必要があるかを考えなければならないようです。
以前にもお話したのですが、国際通貨研究所の購買力平価を使って考えてみたいと思います。
ドル円の購買力平価は次のようになっています。
過去の動きから判断すると、何事もない平穏無事な政治経済情勢を前提とすると、卸売物価(企業物価)をベースに算出した購買力平価105.33円あたりが居心地が良いようです。
ところが、かつてのように貿易摩擦が以上に高まったり、今回のように大きな金融経済の変動に伴う不安が強い場合には、国際競争力のある製品群が中心となる輸出価格をベースとする購買力平価をメドにする必要がありそうです。その購買力平価は72,16円。政府、日銀がこれまでの無策を続けて、為替を放置しておけば、このあたりまでの円高があるだろうということです。
となると、円高に対して神経質な株式市場ですから、そう楽観的な見方もしにくく、残念ながら「徐行運転」を続けるほかはなさそうです。
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