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2010年8月26日 (木)

行き場を失った日本経済:津田

行き場を失った日本経済

今週ドル円は15年ぶりの安値83円台を付けたが、当地(豪州)における当日のテレビのファイナンシャルニュースなどは、当然のことながら“15年ぶりの円高”など一言も触れない。というか豪州人で米ドル円のレベルなど知っているのはごく一部の市場関係者だけであろう。
もちろん主要通貨ペアの一つとして“AUD/YEN”のレートは表示されているが、中国に次ぐ貿易相手国のお得意さんに対する同情の念がちょっと足りないような気もする。
さて独自の自国通貨高政策(?)を取る日本については、海外からも“心配の声”が出だしている。

以下は豪州のファイナンシャルレビュー(日本の日経新聞)に載っていたThe New York Times(8/25付け)の記事--Japan: an economy with nowhere to go --の要約であるが、外の目がどんなものかをご紹介する。

『かつて経済学者ミルトン・フリードマンは「デフレ(物価と賃金の下落が経済活動の重石となる)から脱却して消費を活発化させるにはヘリコプターから札をばらまけばよい」と言ったらしいが、このヘリコプターマネーは長きにわたる日本のデフレ脱却のための日本の中央銀行・日銀の選択肢にはないようであり、日銀に対する周辺からの圧力が高まりつつある。
先週、長期間にわたりデフレ圧力に悩む日本経済は“世界経済第二位”の地位を中国に明け渡した。
4-6月期の日本の経済成長は0.1%に止まり年初に見られた景気回復は終わってしまったようである。一方円高が進行して日本の輸出競争力を浸食し、多くの人々は日銀に更なる金融緩和を要求し、もしそれが無理な場合は政府による為替市場での円売り介入を願っている。
しかし月曜日、この期待は打ち砕かれた。菅首相と白川日銀総裁の会談が流れて、代わりに15分間の電話で「相互連携を深める」の一言にかたづけられたのだ。仙石官房長官はごていねいに「通貨介入の話は全く(absolutely)なかった」と述べた。
仙石官房長官のコメントの後、日経は0.68%下落して9116.69と年初来の安値を更新し、ドル円は15年ぶりの安値85円台前半に下落した。
日本の企業は“デフレによりどの位商品が売れるかはっきりしないために、どの程度設備投資をすべきか決めかねている。一方、家計部門はデフレ下で待てば待つほど物価が安くなるために、今現在消費をすることに抵抗感を持っている。
この消費の低迷が更にデフレを悪化させ、企業は販売促進のために更に値引きを行ってデフレが益々進行するという”デフレスパイラル”に陥っているのが今の日本。
加えて少子高齢化が需要を低下させている。失業、賃金低下、年金問題が更に消費者マインドを冷やし、”消費よりは貯蓄“が誰もの頭にあるのだ。
新景気刺激策の有効性はGDPの倍に当たる10兆ドルに上る日本の公的債務の存在とねじれ国会の手詰まりにより、ますます失われつつある。菅首相も政府による新規の財政出動よりも日銀頼みに方向を転換させたのかもしれない。彼は「景気刺激策以外の景気回復策を考えるべき」と述べている。
しかし考えて見れば中央銀行のオプションも限られていると言わざるを得ない。政策金利は目下0.1%であり更なる利下げ余地は限られる。この超低金利が昨年12月に導入された長期国債買い入れや市中銀行への短期融資制度に対する制約となっている。見渡せば日本ではデフレ期待が巷に蔓延し、経済は既にそのような日銀の緩和策に反応しなくなっているのかもしれない。
円高の進行がこのデフレの苦痛に拍車をかける。日本の輸出産業の競争力を削ぎ落し、企業収益の足を引っ張っている。(軟調な国内経済にもかかわらず、円はほぼ全通貨に対して上昇している。その原因の一つが構造的な経常収支と貿易収支の黒字体質にある)
過去3カ月で円は対米ドルで8%上昇した。日銀は以下の方策で理論上は円の上昇速度を弱められるかもしれない。つまり金融緩和、長期金利を下げる、長期国債の購入、市中銀行への短期資金の貸付などだ。
かつて日本の低金利は円キャリートレードを活発化させた。金利格差は円売りの大きな要因であった。しかし金融危機以来主要国の金利は日本と大差のない水準まで低下してしまい、敢えて円売りを行うインセンティブにはなりにくいという皮肉な結果が目の前にある。
日本の多くの閣僚が日銀に更なる円高防止を訴えている。前原国交相は「通貨当局は”円高は行き過ぎ“と言う強いメッセージを発信すべき」と述べている。
しかしアナリストたちは「”長期にわたる超低金利政策“の不評を痛いほど認識する日銀はこれ以上過激な緩和策には出られないであろう」と冷ややかな見方をしている。』

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