« おはようございます | トップページ | ドル短期金利:水谷 »

2010年7月29日 (木)

与党労働党とRBAに恩恵与えた弱いCPI:津田

昨日発表された豪州第二四半期の予想を下回るCPIを受けて、“勝ち組は与党労働党とRBAとの見方が一般的だ。結果は御承知であると思うが、特に8/21日の総選挙前のこの時期に出た”弱いCPI”の意義と、今後のRBAの金融政策などサクッと考えてみたい。

<結果>

ヘッドラインインフレーション(全項目)---前期比+0.6%(予想+1.0%、前回+0.9%)、前年比+3.1%(予想+3.4%、前回+2.9%)  

RBAの注視するアンダーライイングインフレーション---前期比+0.5%(予想+0.8%、前回+0.8%)、前年比+2.7%(予想+3.0%、前回+3.05%)

文句なしに落ち着いた弱い数字である。昨日の数字発表直後のこのブログの速報で“どうも実感に合わない弱い数字だ”と書いたが、(鉛筆ナメナメの疑いは置いておいて)、項目別でも、信じられないが確かに弱かったようだ。

CPIを構成する90項目のうち49項目のみが上昇した。と言うことは、残りは下落したということであろう。主な下落項目は国内旅行費と宿泊費が6%下落。果物価格が4.8%下落、タバコは15.4%上昇!!その他コンピュータ、野菜の値段も落ちているようだ。
上昇項目にしてもその上昇率は過去5年で最低とのこと。
ちょっと俄かには信じられないが、まあそう言うことだ。

この結果を最も歓迎したのは8月に総選挙を控えた与党労働党であろう。ギラード新首相は今週日曜日(7/25)の保守連合アボット自由党党首との党首討論においても、結果判定では若干アボットのできを上回ったものの、税制(資源税、法人税)、年金問題、難民問題などでアボットの攻撃を受けてかなり守勢に立たされた。
ギラード女史の脳裏には200711月の総選挙を前に同月RBAが利上げを行ったことも敗因の一つとなって敗北したハワード政権の姿があったであろう。三期目でかなり疲れたハワード政権がRBAの利上げに泣かされ、ギラード政権は少なくとも選挙期間中の利上げの懸念をする必要がない、、、世の中不公平なものである。

またRBAにとっても今回の弱いCPIは大歓迎であろう。そもそもRBA5月に発表されたRBA四半期金融政策報告において『アンダーライインングインフレーションの予測を今年、来年と2.75%とし、2012年の半ばまでに3%に上昇する』と発表していた。つまり民間エコノミストよりは低めの数字を予想しているわけだ。もっともこの数字の前提として『向こう12か月で金利が1%上昇する』としている。
更にサポーティブなのは、現在成長率はほぼトレンド成長の3近辺であり、RBAとしては5月以降金利を動かすことなしに”インフレなき適度の成長”を実現しているわけである。暫くは内外の情勢を見ながら”高みの見物”を決め込むであろうが、他の主要国と比較して金融政策舵取り上の余裕を持っていることは確かであろう。


今回の結果を受けて8月利上げ観測は発表前の30%からほぼゼロに落ちた。それではRBAが次に動くのはいつか?アナリストの中には“次のCPI(Q3)発表は11月であるので、早くて12月、あるいはもう年内は打ち止め”という見方もある。
ただこのようなハト派の見方ばかりではない。
CPI発表後にスワン財務相は次のように警戒的に発言している:
・アンダーライイングインフレーションの落ち着いた数字は非常に心強い。しかし家計に対する価格上昇圧力は依然として高い。景気の回復と、景気後退を避けた政策の存在にもかかわらず多くの人の家計は価格上昇圧力で疲弊している。
・中国と欧州のダウンサイドリスクが悪化すれば豪州もその影響を免れない。
といたって慎重な発言だ。

つまり『Q2のインフレ率は過去数年間の“ボトム”に位置する』という慎重な見方がむしろ多いように思う。豪州のインフレ率は実に過去3年間ほとんどRBAのターゲット2-3%の上におり、むしろ今回(Q2)が例外であるという見方である。
今後インフレ懸念が再び高まる場合には労働市場の逼迫と資源ブームによる所得増加が最も考えられる原因となるであろう。
現在雇用の拡大は年率3%以上でありこれは長期トレンドを上回る。現在5%の失業率は2011-2012年には4.75%に低下することが予想されるがこれは金融危機の影響が鮮明となった200812月以前のレベルである。
交易条件(輸入価格に対する輸出価格の比率)は2008年のピーク時に近づきつつあり鉱山投資の急増は今後鉱山セクターの賃金上昇を確実に促すものと予想される。
また労働市場の改善の影響で今後発表されるQ2の小売売上高はジャンプアップする可能性も指摘されている。
今後も労働市場の拡大が確認され、またQ2の小売売上高の伸びが強い場合には9月にでも利上げがありうると見る見方もあながちタカ派的過ぎるとは言えないであろう。
今年のQ4RBAは2度利上げした年末のキャッシュレートは5.0%という見方もまだ消えた訳ではない。

”Joeの豪ドル道場サンプル”「28_july_2010.pdf」をダウンロード

日本より断然有利なJUNAX豪ドル預金ファンド  http://junax.com.au/


「Joeの豪ドル道場」FXマガジンにて毎週 月・水・金 執筆中
!


ご購読はこち らから



野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社

|

« おはようございます | トップページ | ドル短期金利:水谷 »

2津田穣(2)」カテゴリの記事

コメント

 前略、 
 
 拍手です。 

投稿: 遙 桃吉 | 2010年7月29日 (木) 15時23分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« おはようございます | トップページ | ドル短期金利:水谷 »