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2010年7月 8日 (木)

RBAの金利据え置きは労働党政権にとってフェイバー?:津田

RBAの金利据え置きは労働党政権にとってフェイバー?

もともと10月あたりに予定されていた総選挙が8月に前倒しされる可能性が高まっている。何故9月ではないかと言えば、豪州では特段の理由がない限り選挙投票をボイコットすると罰金(20ドル、支払わないと50ドルプラス法廷費用)が課されるので投票率は90%を超す。9月は単純にスクール・ホリデーとなり、不在者が急増するるため、選挙の実施を避けるためである。
さて、一昨日RBAは政策金利の据え置きを決定したが、これは労働党政権を支援することになったとの見方が多い。ただ本日発表された6月の雇用統計が非常に強かったために8月利上げ論が再燃しているが、、、
一昨日RBAはその声明文で欧州の財政状況及び欧州銀行のパーフォーマンスに懸念を表明するとともに、中国の足元の景気スローダウンについては“より持続可能な状態になった”と前向きな評価を示した。
現在ギラード新政権は、特に8月選挙勝利の障害になる資源税問題と難民問題の解決に躍起になっているが、経済問題を前面に出している保守連合への対抗上、利上げはなんとしてでも避けたいというのが本音。
市場アナリストは世界経済のスローダウン懸念にもかかわらず、728日に発表される第二四半期のCPIが高い数字を示せば8月利上げの可能性が高まると指摘する。
今週火曜日のRBAの政策決定の前の同日午前5月の貿易収支が発表されたが、鉱山資源の好調な輸出を背景にして16億豪ドルの黒字と、過去3番目の黒字規模であったことから、やはり豪州経済の底流は強いとの印象が強かった。
このとこのろ世界経済の不透明感から商品相場は軟調気味であるが、豪州輸出の2大鉱山資源である石炭と鉄鉱石は依然高値圏で取引されており、交易条件も2年前(リーマンショック前)のピーク時に接近しつつある。
スティーブンスRBA総裁も「金融危機時に取られた景気刺激策の効果は減少しているが、今後も交易条件の改善が豪州の所得、需要、生産拡大に寄与してトレンド成長を可能にする」と述べている。
今後のRBAの金融政策の舵取りについては見解が分かれる。
つまり慎重派は世界経済の不透明感増加を指摘し、5月と同じ据え置きでも、5月の声明文では4.50%を「appropriate for the near term」と表記したのに対して今回は「appropriate」とのみ表記してあり、金利据え置きは”かなり長期間になる”とみる。今回のRBA理事会後の8月利上げ(25bp)を読む向きは市場全体の9%に過ぎなかった。
一方、タカ派は強いインフレ率が再度の利上げにつながる可能性を指摘する。つまり728日に発表されるインフレ指数(Q2CPI)次第では利上げの可能性が高まると見る。
RBAも声明で「(RBAの注視する)アンダーライイング・インフレーション(刈り込み平均値と加重中央値の平均)は来年に向けて2.0-3.0%のターゲットの上半分で推移する」と予想しているが、一方ヘッドライン・インフレーション(いわゆる一般的なインフレ率)は3%を若干超えるとの見方が一般的である。
728日発表のインフレ指数では特にアンダーライインング・インフレーションで前期比0.8%、前年比で3.0%より上か下かが大きなポイントとなる。
過去の例を見ても豪州のインフレ率上昇の主因は①住宅価格上昇や干ばつ水害による野菜果物価格の急騰などの国内要因と、②交易条件の改善が労働市場をタイトにし賃金上昇圧力を生むという外需主導の二つのパターンが典型的であるが、今回は後者への懸念が高い。
今後のRBAの金融政策も政策がらみ、選挙がらみで見ざるを得ない。
シャドー・トレジャラー(自由党の陰の財務相)ジョー・ホッキーは「ギラード政権は財政支出と政府借り入れを驚くべきスピードで継続しており、急激な金利上昇圧力を招いている」と非難する。一方、これに対してスワン財務相は「保守党は政権時代に低金利を実現すると約束したにもかかわらず、金利は現レベルよりも2.75%高い7.25%まで上昇した」と応酬する。
現在豪銀の借り入れコストは、財務内容が欧州銀行より優良であるにもかかわらず欧州銀行のそれと大差ないレベルまで上昇している。ただしそのレベルは信用収縮を見たリーマンショック時のレベルよりはまだかなり低い。
しかし、本日発表された強い雇用統計や7月末に発表されるインフレ指数が強い数字となり、仮にRBA8月の利上げを余儀なくされる場合には労働党にとっても状況が異なってくる。
特に選挙が8月に前倒しされる場合には、200711月に利上げを行った(6.50%→6.75%)ことがハワード保守党政権敗退の一因となったという歴史的事実を思い出される。

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