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2010年7月22日 (木)

どうするRBA??:津田

どうするRBA

火曜日発表された7月のRBA理事会議事録は、字づらからいけば、EUストレステストの結果に対する懸念、欧米の景気減速予想、国内インフレ率はモデレートというニュアンスで、日本人(豪州在住も含む)からみれば、“8月は選挙もあるし金利据え置きで決定だろう”と思っていた。ところが翌日の当地ファイナンシャルレビュー(FR日本の日経新聞)の一面は“RBA ready to raise interest rates”(RBAは利上げの準備整う)となるのには驚いてしまう。実際7月になってから、市場の一部は“利下げ”の可能性も取り沙汰されていたが、その可能性は遠のいたようだ。議事録発表後における8月利上げ予想率は、選挙日程が発表される前よりも低下して22%前後である。
にも拘らず、なぜ再び利上げ観測が出てくるのか?
RBAのスティーブンス総裁は議事録発表と同日行われたAnika Foundationで行われた講演会で「“もしインフレ率が不快を感じるくらい高い場合には”たとえ選挙戦の最中であっても金利を引き上げる覚悟である」と述べた。
同時に彼は「(ハワード政権を窮地に陥れた200711月の選挙の前と同様に)必要とあれば金利を引き上げる用意がある。私は同じ質問に3年前何度も答えた。今日の答えも全く同じであり、8月に理事会は集合し、経済に関するすべての問題を議論し、我々の仕事を行う。人々は他に何を我々に求めるのか?」と記者質問に答えている。
あるエコノミストによると火曜日の議事録は通常になく明白な警鐘を鳴らしている。つまり“来週の水曜日に発表されるQ3のインフレ率が高い場合には83日の利上げを確信するものとなる”と。また議事録は“重要なのは水曜日のインフレ関連指数がインフレに対する中期予想に変更を与えるものとなるか否か重要”と述べている。
実際豪州統計局が発表するヘッドラインインフレーション(エネルギー、生鮮など含む)はたばこ税増税や公共料金値上げという一時要因を受けて3%以上に上昇すると予想される。またRBAの重要視するアンダーライイングインフレーション(刈り込み平均値と加重中央値の平均)は、Q1はターゲット2-3%を若干上回ったが(3.05%)、これは3年間以上3%を上回った状況にある。RBAは世界経済不安によりこのアンダーライイングインフレーションがQ2にはターゲット内に収まることを希望している。しかし前期比で0.9%を上回る場合には今回も前年比で3%を超えることになり、RBAに利上げの根拠を与えるとの見方が依然として根強い。
問題は3%に限りなく近い3%未満であった場合で、RBAは政治的に非常に困難な決断を迫られることになるだろう。
2007118日にRBAは利上げを行ったが、当時のハワード政権公約“自由党下で金利は常に低下する”を打ち破り、1124日の総選挙で労働党が勝利する起爆剤となった。当時自由党はスティーブンス総裁が選挙妨害を行ったと非難したものである。

一方RBAが金利を据え置く場合の大きな理由となるのは“明23日に発表されるEUの銀行に対するストレステストの結果が悪い場合であろう”RBAは述べている。つまり悲観的な見方の通りに、多くの欧州金融機関が隠れた不良債権を大量に持っており、規制当局が迅速な資本増強を促す場合である。もしそれが事実となれば再び世界的な金融不安に発展しかねない。
先週発表された連邦経済白書は本財政年度(2009 7-20106月)の豪州GDP予想を3.25%から3.0%に若干下方修正した。しかしスティーブンス総裁は“最近の失業率の低下と就業者数の増加は国内景気が依然としてトレンド成長率に近いことを示している”と強調している。金融危機時の景気刺激効果は薄れたものの、鉱山部門の投資は非常に活発であり、特に液化天然ガス部門への投資増大は景気の強い牽引車となっている。
こうなるとやはり問題は国際経済情勢ということになる。
つまり長引く北大西洋地区経済の景気低迷(米国、欧州)をアジア地区の景気拡大が今後も補えるか?ボールは手元を離れて既に相手方にあるということである。

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