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2010年6月10日 (木)

”金利を上げ過ぎたか”スティーブンスRBA総裁???(RBAウオッチャーレポート):津田

”金利を上げ過ぎたか”スティーブンスRBA総裁???(RBAウオッチャーレポート)

今週になって発表されたセンチメント系指標はいずれも不冴えなものとなった。NABの発表した5月企業信頼感指数は前月の+13から+5に低下し、また企業景況感指数も+8から+6に低下した。また昨日発表されたWESTPACの6月消費者信頼感指数は前月の-7.0%から-5.6%に若干改善したが依然としてマイナス数値となっている。原因は今年前半に集中した度重なる利上げや、資源超過利潤税導入を嫌気した鉱山セクターの信頼感の低下、更には欧州に端を発した世界金融市場の不安定や豪ドルの下落が重なって信頼感を損ねた形となった。
昨日スティーブンスRBA総裁は地元ビジネスリーダーの集まりで講演を行ったが、今年になってからのRBAの度重なる利上げに対する風当たりが強くなっている時期だけに、ある種自己弁護的な印象を与えるものであった。
彼は「家計部門がより保守的になり債務と支出の削減に積極的になった」と述べている。
また「消費支出のスローダウンと貯蓄率の上昇は度重なるRBAの利上げだけが原因ではなく、消費者の行動に変化が訪れているため」と述べた。つまり金利は上がったが歴史的には決して高い水準ではなく、むしろより本質的な原因、つまり倹約に対して従来以上に肯定的な消費者マインドの変化があるという訳だ。
ただ同氏はこの変化は「決して悲観的なものではなく賃金インフレを抑制し金利の上昇を妨げるという利点がある」と述べている。
さらに「この傾向は中期的な家計部門の活性化に役立ち、過熱化する資源ブームを緩和し、労働市場を逼迫させずに新たな投資を活発化させると」説く。
もし従来から問題になっている豪州の低貯蓄率が今後更に悪化すれば豪州もゆくゆくは欧州のような債務超過に陥ると警鐘を鳴らす。
今年の初めから見られた失業率の改善と消費者センチメントの改善にもかかわらず家計部門の消費は過去半年間弱かった。小売売上高は、昨年は政府の給付金を受けて一時ブームとなったが今年になってからつまづき、過去半年でようやく1.5%増加した程度である。ただ彼はこの傾向が中期的なものかどうかまだ結論を出せないとしている。
豪州の家計部門の貯蓄率は過去20年間低レベルかあるいはマイナスの領域であった。(いわゆる米国型消費性向)しかしこの度の世界金融恐慌時にこの数値は+8%にジャンプアップし、今年第一四半期も+2.7%を維持している。(因みに家計支出のQ1の伸びは+0.6%)クリジットカードのような個人信用残高は過去13.1%の伸びに留まり。住宅融資残高は8%の伸びに留まる(因みに2007年は20%の伸び)。この原因を彼は利上げにのみあるとはしないで、むしろ昨年の政府給付金による消費ブームの揺り戻しと昨年12月で終了した”初めての住宅購入者に対する優遇措置”の駆け込みや前倒しの反動と説明している。

一方欧州債務問題について「2011年の世界経済を若干押し下げる」として警戒しながらも楽観的な見方を示している。つまりアジア、ひいては豪州への影響はわずかとの見方である。豪州の全輸出における欧州の割合は5%程度と知れているが、アジアから欧州への輸出減少の間接的な影響は否定できない。少なくとも当初の成長予想から欧州債務問題の影響を割引して考える必要があることは確かであろう。
RBA5月に利上げした主な理由は市中銀行の貸出金利が政策金利を上回っており、そのギャップを埋めるための後追い的利上げであったことを強調しており、その意味で金利水準が”平均的水準”または”正常な状況”となった今、RBAは今年いっぱい金利4.5%で据え置くとの市場の見方も出ている。
ただ昨日のスティーブンス総裁の講演の端々に感じられるのは、やはり次の一手は”利下げよりは利上げ”というものであり、暫くは”対岸(欧州)の火事を見守るスタンス”となりそうである。


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