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2010年6月21日 (月)

徐行運転を継続! ; かかし

 先週は「徐行運転を再開!」として、その前の週の「ブレーキを!」とした警戒的な基調判断を緩めました。

 幸いに、1.98%と大きく落ち込んだ日経平均株価も2.99%の回復を見せました。

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 月曜日と水曜日の急騰が効いたようです。

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 ダウ平均株価も2.35%上昇したことから、日米の株価は相変わらずきれいに連動しています。

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 この調子で、今週は「加速を!」といきたいところです。実は、その論調で原稿を準備していました。

 ところが、気になるシグナルが出てしまいました。そのため、今週は「徐行運転を継続!」したいと思います。

 気になるシグナルとは? 新華社が伝えた、中国人民銀行による人民元相場の弾力化の動きです。

 現実的なプロセスとしては、段階的に小幅な調整を積み上げると推測されますから、実体経済への直接的なインパクトは限定的であろうと考えています。問題は、根拠が不明確なのですが、「円のつれ高」現象が見られる可能性があるということです。 

 今日(21日、月曜日)の日経平均株価は堅調なスタートを期待していたのですが、想定より低く始まることになるかもしれません。また、昼近くには上海の寄り付き次第で動揺があるかもしれません。したがって、警戒的に臨みたいと考えています。

 人民元のショックは長続きせず、比較的に早く落着きを見せると見ているのですが、一応用心して、「徐行運転を継続!」するということです。

 そこで今日は。人民元高が進むことによる日本企業への影響を考えてみたいと思います。

 中国を低コストの生産拠点と位置付けてきた企業にはネガティブな影響があるだろうと見ています。人民元高によるコスト競争力の相対的な低下だけでなく、賃金コストが上昇する傾向が加速していることも無視できません。ファーストリテイリングを含めて、かなり多くの企業がダメージを受けそうな気がします。

 対照的に、中国を成長性に富んだ魅力的な販売市場と位置付けてきた企業にはポジティブな影響がありそうです。人民元高を容認するという政策は、中国の経済成長を内需主導型に誘導する圧力になると思います。その意味では、上海万博を起爆剤とする国内消費の成長が大きな意味を持つことになりそうです。イオンを含めて、このような展開の恩恵を受ける企業も少なくないようです。

 長期的に見れば、人民元安と低賃金に支えられた安価な中国製品が世界市場を席巻するという構図に徐々に変化が見られると考えています。この動きには、為替以上に労働コストの上昇が大きな役割を果たすかもしれません。

 以上が人民元相場の弾力化に関する見方ですが、日本の株式市場を見る上での当面の問題は「円のつれ高」です。

 そこで、少し長くなりますが、ドル円と日経平均株価の影響も考えておきたいと思います。

 「円高⇔株安」という構図が多分に不安感を醸成しそうな雰囲気なのですが、実はこの関係は固定したものではありません。次の図をご覧ください。

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 一見して明らかだろうと思いますが、「円高⇔株安」の時もあれば、「円高⇔株高」の時もあるのです。

 「円高⇔株安」は常識的な関係ですが、どのような時期に「円高⇔株高」となるのでしょうか?

 大きく見て2つのケースがあるようです。

(1)  内需主導型経済が堅調に進展している場合
データの制約で図に示されていませんが、859月のプラザ合意以降急激に進んだドル高の中で、8912月まで記録的な株価上昇となった資産バブルのころを思い起こせば、「円高⇔株高」の関係が鮮明に浮き出てきます。

(2)  経済状況が悪く、通貨に対する信頼性も揺らいでいる場合
金融システム不安の時の日本がそうでした。円が高くなることが、投資家の不安を和らげたのです。現在、ユーロ高に対して、欧州諸国を含めて、世界中が大歓迎で迎えているのも同様な理由であるような気がします。

というわけで、全く対照的な2つの理由があるわけですが、もし中国が内需主導型への構造変化を推進することに対してマーケットが十分に信頼して評価するならば、「人民元高⇔株高」を演出することは。それほど困難ではないような気がします。

 問題は日本です。国内経済に元気がないことで、外需依存度が高まり、結果として株価と為替の連動性が高まっています。

 内需主導型経済に導く力強いリーダーシップと、アジアの成長に参加する優れた外交能力を備えた人材が今ほど必要とされる時代はないかもしれません。坂本竜馬が人気になるのも当然の理由がありそうです。ところが、そのような人材が見当たりません。心当たりはありますか?

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