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2010年6月17日 (木)

ヒートアップする資源税論争:津田

総選挙は今年10月頃と予想される。シドニーモーニングヘラルドが先週行った世論調査ではラッド首相の率いる労働党と野党の保守連合の支持率は労働党47%、保守連合は53%で200711月の前回選挙時点の労働党53%、保守連合47%でちょうど逆転した形だが、支持率は今週になってからも低下して現在40%を切っているとのポールも出始めている。先週9日には資源会社の数千人の労働者が給与減額などを懸念して資源超過利潤税(RSPT)導入撤回を求めてデモを行っており、このまま次の選挙で与党労働党が敗れれば過去30年間で最短の政権となることになる。
この資源税は現在豪州の与野党の政治家、資源会社、その他事業法人や有識者を巻き込んで<Resources Row-資源論争>として連日マスコミにも取り上げられており、秋の総選挙の最大の争点ともなっている。
先週末にBHP BillitonKloppers CEO)、Rio Tinto Aust( Peever` MD)Xstrata CoalFreyburg CEO)の資源大手3社の最高責任者がキャンベラにおいてスワン財務相、ファーガソン資源相と会議を持った。しかし3者の代表によると税率や既存プロジェクトの取り扱いなど主要課題に対する前進は見られなかったとのこと。この会議は政府側(ファーガソン資源相)の取り持ちでなされたが、政府側には明らかに有権者の資源税に対する不安を除去したいという意図があった。また政府は一社ごとの個別交渉の意図があったが、三社は同時会議のみ受け付けており、政府の分断計画は簡単にとん挫した。資源会社によると政府は“資源税が導入されれば多くの鉱山関連投資が国外に撤去する”という懸念を共有していないとのこと。Rio Tinto会長のJan du Plessisは「もし資源税が強行されたらBHPが南オーストラリアで進めているOlympic Dam mine計画はこれ以上前には進まないであろう」と警鐘を鳴らす。
ファーガソン資源相は「40%という税の対象となる生産過程の価格に対して譲歩がなされる可能性がある(初期段階ほど価格が安いので税実額が少なくて済む)。またそれぞれの商品によって異なった税体系が取られる可能性がある」と楽観的な見通しを述べている。
しかし一方スワン財務相は「最初に提示した40%の税率を支持し、資源会社側との交渉の余地はない」との立場を崩さない。
またこの調停不調を受けて鉱山業界では現在成長分野である炭層ガス業界を支援するために同業界に対して資源税の一部変更がなされ(同業界は資源税ではなく既存の沖合ガス開発事業の課税対象となるべきと主張している)その他鉱山業界に対する譲歩がなされないのではないかとの懸念も聞かれる。
ラッド首相はBHP CEO Kloppersの言を借りて前述の「BHPの巨大プロジェクトOlympic DamプロジェクトはUS$20bioからUS$40bioに予定通りに拡張 する」と発言しているが、モルガンスタンレーのアナリストCampbellは「もし資源税が課税されればプロジェクトを拡張する意味はなくなる」と指摘する。このプロジェクトがBHP首脳により最終承認されるのは来年であるがKloppers CEO自身は「資源税の成り行きが不透明である場合承認は極めて困難になる」と述べている。
この資源税に関しては自由党のアボット党首は豪州の税制、ひいては豪州経済の根幹を揺るがすものとして批判しているが、ラッド首相は有権者に対して「豪州の鉱山セクターの株価インデックスは海外資源会社の株価インデックスほど下落していない。野党側や一部鉱業会社のネガティブキャンペーンを無視するように」と呼びかけている。
南オーストラリア州知事のMike Rannは昨日開催されたウラニウムコンフェレンスにおいて「自分は資源税に賛成するが無条件ではない。すべての大規模税制改革は豪州の鉱山業界の国際価格競争力を損ねてはならない」と主張している。
今回の金融危機を経て豪州財政も他国ほどは深刻ではないが赤字に転落している。資源ブームが今後も続くのであれば公平な税制措置の導入が望まれるが、当初の世界経済見通しに若干の下方修正が加えられている現状、“角をためて牛を殺し”の愚を犯すことにならなければよいが、、、資源論争は今後秋にかけて(こちらの夏にかけて)更にヒートアップしそうである。

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