« 今日のフォリントさん、サムライ債は | トップページ | 欧州これから »

2010年6月 9日 (水)

ECB理事会を控えて:水谷

呂さんがこの楽しいブログ投稿を卒業され、ちょっと寂しい気持ちもあります。中国の生の情報を勉強させていただきました。富裕層向けの投資ストラテジストとして今後の活躍を期待しましょう。

欧州では明日ECB定例理事会とBOE金融政策委員会がそれぞれ開催され、注目されています。今回はECBについて直前金利情報を纏めてみたいと思います。

短期金利:ユーロ金利先物Euribor9月限では、昨日から上昇が著しい。(価格上昇は金利低下を意味します。)9月限価格現在99.165です。利回りベースで0.835%です。3ヶ月物金利先物では政策金利(リファイナンス・レート)を0.25%上回って取引されると言われています。その意味では現在の政策金利は金利先物からは0.585%です。現在の政策金利1.00%からは大きく下回っていると言えます。チャート参照。

Eurodollfutmay9

ロイターではEuropean Central Bank Watchとして理論値での政策金利予想を出しています。それによると定例理事会

開催日610

Implied Rate(理論値)0.3602%となっています。超短期金利のオーバナイト、ウィーク物中心のイールドカーブに基づいて計算しているようです。政策金利との金利差0.6398%であり、0.50%に引下げられる確率44.07%, 0.25%に引下げられる確率55.93%となっています。短期金利が既に低位であることから、政策金利を引き下げること自体には大きな意味は持たないと思われますが、上記先物では大いに反応しそうです。筆者は先週金曜日のユーロマネー主催のフォーラムでECBの今回の理事会で利下げの可能性があるのではと英国系金融機関ロンドン本店の英国人為替ストラテジストに質問しました。返答は、ECBは現在資金供給を続けており、金融機関の資金繰りに細心の注意を払っているとの返答で、明確には避けているようでした。彼らにも迷いがあるようです。先週はスペインの大手金融機関が資金繰り難に陥っているのではとの憶測も飛び交い、ECB統括下のスペイン中銀に直接融資を打診しているのではとの話しがでました。ギリシャ、ハンガリーなど国債投資保有額の多い金融機関がどこかの探り合いの金融市場、どこかで信用不安が出るとも限りません。またスペインのように不動産バブルの後遺症から信用不安を抱える金融機関があるかもしれません。サルガド・スペイン財務相は6月中のCaja(貯蓄銀行)のリストラを終えるとして大鉈を振る構えです。

先週NY連銀が発表したデータは興味深いものでした。それによると2日時点のドル供給残高は664200万ドルと前週比の5.3倍です。ECBが新たに54億ドル借り入れたためです。為替スワップ協定に基づいている取引のようです。ドル資金を調達して、為替スワップでドル直物売り/ドル先物買いをすることでユーロ資金調達となります。(ユーロ転)ドル自体の資金繰り難はLIBORレートの上昇で推測されます。市場で為替スワップするとドル金利上昇からコストが上昇する計算となる。ECBNY連銀から為替スワップで調達した資金を信用不安に瀕していると推測される金融機関に融資しているとも推測される。それとも不測の事態に備えた準備金とて確保を急いでいるかも知れません。

国債を抱えた銀行の信用不安、バブルの後遺症を抱えた銀行の資金繰り難、短期金利の下落幅が増していること、先週のNY連銀のデータなどを考えると、明日の定例理事会で政策金利が0.50%に引き下げられても不思議でないと筆者は思います。また仮に利下げが実施されなくても、定例記者会見の場でトリシェ総裁が記者からの質問に対して、「利下げの議論はされた。」と答えたならば、市場のインパクトはあると思います。「ノーコメント」としても憶測は出ると思います。金融危機モードにどの程度ECBは入っているかのリトマス紙となります。前回の記者会見ではギリシャ国債の買い入れは検討しないとしていましたが、翌週ギリシャ国債などの買い入れを実施して市場が混乱したことから、その轍は踏まないとのトリシェ総裁の気持ちがあると推測します。

それでは。

野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社

|

« 今日のフォリントさん、サムライ債は | トップページ | 欧州これから »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 今日のフォリントさん、サムライ債は | トップページ | 欧州これから »