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2010年4月 9日 (金)

投機筋はどこにいるのか、その2、為替悠々134

「投機筋はどこにいるのか、その2、為替悠々134」

ではインターバンクスポット313億ドルは顧客217億ドルのカバーであり、差額96億ドルが銀行中心の投機であると誤解するかもしれないが、顧客の取引をカバーするにあたり数行がつなぎ、つなぎでカバーするので、例えば輸出5百万ドルをカバーするにも1回で終わらずつなぎの銀行がまたつなぎの銀行でカバーすると2重3重計上となり、取引高が水増しされる。また銀行が投機のオーバーナイトで持つポジションは市場規模から見ると無視していいくらい小さい。

 従って、対顧客217億ドルが相場を動かす原点でありそこへ投機筋がどれだけ入っているかだ。やや乱暴だが全体出来高と貿易取引の割合は 世界、日本とも同率なので、まずは日本の顧客取引の中味を見れば良い。ヘッジファンドも邦銀で取引をする。ただ1回の取引額が大きくても平均すれば小さく、また1日でポジションを閉じるのも多いのが彼らの取引である。長期でポジションを取る場合は商品がからみ対内対外債券取引に計上され捕捉できる。

ではまたややラフに217億ドルの中味を検証する。
為替に絡むと見られる取引を4月の国際収支表から取り上げると

貿易 39 直投 2 外人債券 2
サービス 9 外人株 101 邦人債券 21
所得 5 邦人株 13 介入 0
    
(注 外人の日本債券買い、邦人の外債買いはそれぞれ対内対外証券投資状況表の10、20%を為替に絡むものとして計上した。)

合計192億ドルでほぼ217億ドルを賄ってしまう。ラフな計算だが投機筋の入り込む余地は小さく、やはり日本か日本絡みの取引が相場を支配しそれを追えばほぼ需給が予測できる。
冒頭の「○○」のせいで自分の相場観が外れたのではなく需給を正しく追っていないせいだろう。相場を動かすのは実需や長期の資本取引である。その動きを察知して早めに動くのが良い投機筋であるが金額は前者と較べれば極めて小さくトレンドは作れない。

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