みたび、反騰は続くのか? : かかし
先週の日経平均株価は0.02%とかろうじて上昇して終わりました。月曜日には、今年最大の上げ幅を記録したものの、その貯金をほぼ使いつくしたという感じです。
とは言え、これで3週連続の上昇。米国の金融規制と出口政策、欧州の財政問題、中国の預金準備率引き上げ、さらにはトヨタ問題が加わるという不透明な環境の中での上昇ですから、健闘したと見て良さそうです。
日経平均株価:最近の週間パフォーマンス |
% |
2010/0118~2010/01/22 |
-3.57 |
2010/01/25~2010/01/29 |
-3.71 |
2010/02/01~2010/02/05 |
-1.38 |
2010/02/08~2010/02/12 |
+0.35 |
2010/02/15~2010/02/19 |
+0.31 |
2010/02/22~2010/02/26 |
+0.02 |
一方、先週のダウ平均株価は0.74%と僅かに下落しているのですが、基調としては日米の株価の連動性が非常に高い状態が続いています。
さて、今週はどうでしょう? 4週連続の上昇となるのでしょうか?「二度あることは三度ある」とはよく言われますが、「三度あることは四度ある」のか?
結論を先に言えば、今週も上昇が続く可能性が高いと考えています。もちろん、楽観を許す局面ではありませんので、慎重に臨むつもりです。
上昇と見る根拠は景気の動向です。
先週金曜日に経済産業省が発表した鉱工業生産動向の速報値は、次のようにものでした。
鉱工業生産動向1月 |
季調済前月比(%) |
原指数前年同月比(%) |
生産 |
+2.5 |
+18.2 |
出荷 |
+2.4 |
+19.3 |
在庫 |
+1.0 |
-12.6 |
この数字だけを見ているとピンとこないのですが、かなり強い数字です。まず生産の動きを原指数の前年同期比を時系列で見ると大きな回復が鮮明です。
次に、鉱工業の出荷在庫バランスです。出荷数量の増減率から在庫数量の増減率を差し引いて算出する景気指標です。太い赤線が出荷在庫バランス、細い黒線が出荷数量の増減率、細い点線は在庫数量の増減率を示します。
この図が示すように、出荷の急速な回復に牽引されて景気が急速に改善しています。乗用車を含む耐久消費財、半導体や電子部品を含む生産財の堅調な動きが注目されます。詳細はブログ「スケアクロウ投資経済研究所」の「1月の鉱工業生産動向を読む(その1)出荷在庫バランス」をご参照ください。
あまり話を複雑にするつもりはないのですが、経済産業省の統計に、日銀の価格データ(製造業部門別投入・産出物価指数)を組み合わせて、出荷金額の増減率から在庫金額の増減率を差し引いた景気指標である「在庫循環モメンタム」を作成すると次のようになっています。
当然でしょうが、出荷在庫バランスの動きと似ています。ただし、詳細にみると気になる違いもありますので、ご興味のある方は「スケアクロウ経済研究所」の「1月の鉱工業生産動向を読む(その2)在庫循環モメンタム」をご覧いただければと存じます。
いずれにしても、景気の動向を先行的に示す傾向のあるこれらの指標が上昇している間は株式市場が堅調である場合が多いという点が重要です。
加えて、すでにお話していることですが、米国製造業の景気循環モメンタムも急上昇しています。
したがって、日米ともに景気指標が上昇しているわけですが、日米の株価動向の最近の動きを見ると次のようになっています。
現在は両国の株価が僅かに乖離して、日経平均株価が出遅れています。ということで、株価の連動性を念頭に置いて、米国が下がるのか、日本が上がるのかという点が興味深いところですが、日米の景気指標が上向いている局面ですから、どうやら日本が上昇して米国に追いつくと見るのが合理的かと考えています。
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