「減速」から「逆進」へ? : かかし
先週の日経平均株価は0.68%の上昇にとどまりました。それまでは2.40%、3.69%と加速して上げてきていただけに、かなりの減速感があります。
今週は再加速となるのか、あるいは「逆進」へのギア・チェンジとなるのか?
正直なところ、年度末を控えて判断が難しいところです。私は「逆進」の可能性があると見ています。
国内要因だけに焦点を当てれば、マーケットは決して悪くなさそうです。良いニュースと悪いニュースが拮抗して、持ち合いの小動きか、多少上昇してもおかしくないように思います。
良いニュースは、期末の配当取りのための買い圧力。そして、来年度に向けた企業業績に対する期待感も高まってきそうな雰囲気もあります。
一方で、悪いニュースとしては決して明確なものがあるわけではないのですが、高値警戒感や日銀短観を控えて様子見の動きが強まる可能性がありそうです。
為替は、ドル円を見ると、輸出企業からの季節的な円買いがあることから、円高方向へ動く傾向があるようです。加えて、ギリシャ問題の展開次第では、ユーロ円が円高に振れるかもしれません。
ところが、その一方で、ロンドンのインターバンク金利は日米が逆転しています。ドル金利が急速に上昇していることから、金利差を反映した円安方向への圧力も無視できないようです。
また、シカゴ・オプション取引所のVIX指数が鮮明な下落基調にありますから、グローバルマネーのリスク許容度が高まっており、円キャリーの動きが円安を促す気配もあります。
となると、どうやら為替の動きも、持ち合いの小動きを想定せざるを得ないようです。
そのようなわけで、今週の株式市場が明確な方向性を見せてどちらか一方向に大きく動くという状況は想定しにくいと考えます。
ただし、日米の株式市場の連動性が非常に高いということを忘れるわけにはいきません。先週のダウ平均株価は1.1%の上昇でした。日経平均株価とダウ平均株価の動きを見ると、次のようになっています。
では、今週のダウ平均株価動きは?
気になる点が2つほどあります。そのために、上値の重さから反落の可能性が高いのではと見ています。
1つは、先週金曜日の下げの主要因でもあったユーロドルの動きです。ドル高→国際商品価格軟化→資源エネルギーや素材株の低迷という構図です。ギリシャ問題の展開によっては、一段と鮮明な動きになるかもしれません。(「米国株式市場を振り返る 3月19日」)
2つ目は、ハイテク分野の頭が重くなっているように見えることです。やはり先週金曜日に、ナスダックが下げています。決算が悪かったパームが30%近く急落した影響もあるのですが、下げ幅はダウ平均株価を大きく上回っています。特に気になるのは、SOX指数と呼ばれるフィラデルフィア半導体指数の元気のない動きです。
過去3ヶ月のSOX指数の動きを見ると、好調な上昇を続けた後、ピークアウトの可能性も念頭に置く必要がありそうだと考えています。
ということで、今週の日経平均株価は、下支えの強さから底堅いものの、米国株式市場の多少の調整から、僅かな「逆進」となるのではと予想しています。
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