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2010年3月24日 (水)

米金利イールドカーブからのヒント!:水谷

米金利のイールドカーブが明確にフラットニング(Flattening 平坦化)しています。

長期金利例えば10年債の金利は現在3.68%と上下の変動はありますが、極めて安定している水準と言えます。昨年は3.50%を下回り動きとなりましたが、今年に入り全体的に上昇気味と言えますが、大きくは上昇していません。これは2つの要因が相場の両方向をキャップしているといえます。一つは財政赤字膨張懸念から売られる要因です。景気回復対策に多額の財源を費やすため、大盤振る舞いの米国債発行となっています。そして国民全員の保険制度導入にも資金が必要でしょう。トリプルA格から転落する可能性があるとどこかの格付け機関が吹いて回っていたようです。大きな流れとしては米経済の景気回復から長期金利は上昇する可能性が強い。そして財政膨張から債券売りとなる可能性は強い。いずれ4.00%乗せとなるのではと思います。何ヶ月先になるか分かりませんが。

反対に現在は安全資産との観点から米国債が人気のようです。欧州はギリシャ財政不安からギリシャ国債を売る動きが強いようです。売ったギリシャ国債の受け皿は同じユーロ圏のドイツ国債というよりは米国債に一時的に流れ込むような気がします。勿論為替レートは長期のユーロ売りの姿勢をヘッジファンドは強めており、投資家にもユーロ売りの結果、ユーロでの目減りを避けたいために米国債に資金が流入する。欧州圏であれば、現在はスイスに資金が逃避するような動きですが、スイスは小国であり、スイス連邦債はあるにしても流動性という観点は投資向きとはいえない。どうしても何はなくても米国債が安全との神話となります。特に米国投資家には安全と映る。

そんな訳でどうしても長期金利は現在は上値、下値とも押さえられる動きとなります。

反対に短期金利は、米景気の回復が米経済指標で次第に数字に反映されやすく、上昇する傾向を強めています。FRBは出口戦略をバーナンキ議長の2月の議会証言(大雪でテキストで代用)通り実行するのではと観測されます。1.資金供給策の今月末の停止。2.資金吸収策の実行。3.準備預金に対する付与金利。4.公定歩合を引き上げてフェッド・ファンド・レートとの間のスプレッドを適正水準(1.00%)にする。5.政策金利(フェッド・ファンド・レート)を引き上げ。現在は資金吸収策の実行、公定歩合の引き上げ段階にあるのではと推測されます。そんな訳で、短期金利 特に私が追いかけているフェッド・ファンド先物は上昇傾向にあります。2年債も債券では短期として分類され、現在は0.98%と、一頃の0.70%台からは大きく上昇してきました。10年と2年のスプレッドは270bps1ヶ月前の283pbsからは、フラットニング(利回り曲線の平坦化)が進む傾向が強まっています。グラフはそのチャートです。急速にスプレッドが縮まっていることが分かります。

Spreadmar24

債券・金利ディーラーは現在は長期のイールドカーブの買い、短期のイールドカーブの売りで動いていることが鮮明であり、果報は寝て待ての状態ですね。

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