« アジア株資源金利まとめ | トップページ | 日銀は何をやるか、出し惜しみしないほうがいい »

2010年3月15日 (月)

為替悠々99、戦前の介入その4

「為替悠々99、戦前の介入その4」

当時の三井銀行 常務池田成彬や三井物産は批判されて事情を説明している。見越し買い(思惑的買い)ではなくやむを得ず送金する需要があったと。

 収益的にはドル買い手に対し暗殺も行われるほどの殺伐とした世相に考慮し、その期の決算は有史以来の欠損としているがこれは、金利急騰での債券評価損やポンドの下落をあげている。しかし翌期からは収益が回復し続けているのはやはり収益操作であったといえよう。

 逆に統制売りで損失を出すと見られた横浜正金銀行は例年通りの収益を出している。  ロシア帝国預金5800万円に消滅時効を適用したり、英国ポンド売りでの利益、また債券の価格下落は持値で引きなおした。

 このように金解禁前後ではすさまじい為替市場での攻防があり、人の命を奪うほどにもなるほどの混乱に陥り軍部の台頭となる。

 今と比べるともっと大きな世界史の事象で相場は揺らいでいた。「統制売」(現在の介入)も一時的には流れを止めることが出来るが大きな世界政治、経済史の流れでは微々たるものだ。 相場は結果でしかない。現在も相場を動かすのではなく、その原因を正すようにしてもらいたい。今で言えば、購買力平価が高すぎるのだ。すなわち国内物価が高いのだ。(公共事業のコストは民間の1.7-2倍と言う。高速道路、市営地下鉄が高いはずだ。)それを下げるまでは介入を休まず続けるべきだ。

また当時の銀行の決算も諸事情勘案の上 繰り延べや原価法が柔軟に取り入れられていた。
現在もそのようだ。(続く)

|

« アジア株資源金利まとめ | トップページ | 日銀は何をやるか、出し惜しみしないほうがいい »

黄昏」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« アジア株資源金利まとめ | トップページ | 日銀は何をやるか、出し惜しみしないほうがいい »