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2010年2月25日 (木)

トヨタと鯨:津田

トヨタと鯨

巷では米国下院におけるトヨタの公聴会が大きなニュースとなっているが、対日軋轢という意味では規模やインパクトは大きく違うものの豪州による日本の調査捕鯨提訴問題もどうも同じような匂いを感じる。
この問題はラッド首相が219日のテレビ番組で南極海での日本の調査捕鯨を外交的な話し合いでやめさせることができなければ、次の捕鯨シーズンが始まる今年11月までに国際司法裁判所に提訴する考えを明らかにしたもの。
“同じ匂い”というのは、米国では11月の中間選挙を控えてオバマ支持率が50%を割り込み民主党内に焦りが見られること。そしてトヨタバッシングは民主、共和両党にとって票につながりやすいという、政治的な色彩が色濃く漂っている。
一方豪州でも今年10月か11月に連邦選挙を控えてり、最新の豪州世論調査によるとラッド首相の支持率が当選以降で最低水準の55%(16日調べ)に低下している。首相が推進している排出権取引制度(ETS)に関する法案などに対して、野党が再び対決姿勢を強めている。世論調査はラッド政権が上院で既に2度否決されているETS関連法案を再度議会に提出した後に実施された。昨年12月に開催された国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が失敗に終わったことでラッド政権は3度目の否決の可能性に直面している。ETSに対する国民の支持は昨年度の67%から57%に低下し、一方反対は22%から34%に上昇した。
調査捕鯨を同じ環境問題ととらえるラッド政権にとって調査捕鯨問題は気候変動問題と比較して格段にシンプルで易しく、国民にアピールすると言う訳だ。
こちらの新聞の論調を見ても、政治家達は大部分の日本人が鯨を殺すことを楽しんでいる訳でも、鯨肉を喜んで食べている訳でもないことを知っている。しかも、同時に大多数の日本人が鯨問題に直接かかわっているわけでもないのに、日本は鯨問題で世界的な世論を敵に回していて、日本人にとって非常に居心地が悪い問題であるということも熟知している。つまり突けば大きくなる問題と言う訳である。
またもう一つ日本人にとってショックであるのは、日本が豪州にとってもはや最重要国ではなくなってきたということを認識せざるを得ないことである。つまり豪州の最関心国が日本から中国にシフトしたという事実である。
豪州の政治家の中にはアジアの平和はここまで米国主導で維持されてきており、豪州もその恩恵に預かってきた言う認識がある。しかし中国の台頭からアジアの勢力図は大きく変わりつつあり、次の10年、20年を考える時期に来ているといものである。
10年前日本は文句なしに豪州にとって最重要貿易相手国であった。しかし今や貿易においても、直接投資分野において中国が最大の関心国になったことは事実である。
ただ豪州世論でもラッド政権の姿勢に批判的な論調も目立つ。こちらの新聞に載っていた面白い記事は「もし中国が捕鯨国であったなら、ラッド政権は国際司法裁判所への提訴を考えたか?」という設問である。これは親中国派のラッド首相を皮肉ったものである。
有力紙「オーストラリアン」の22日の社説では「豪州は日本との関係に真剣な注意を払う必要がある。日本は我が国の大きな輸出市場であり、間違いなく重要な戦略的同盟国である。我が国の重要な同盟国との関係は、自分たちだけが道徳心を持っていると思いこむ国内の自然保護団体をなだめるだけの首相では支えられない」という辛辣なもの。「首相が本当に提訴するなら、ハーグ(国際司法裁判所の所在地)への旅が豪州にとって価値があると言うことを法律に基づいて説明すべき」としている。
鯨問題を政治ショーとせずに、鯨問題は主目的ではなく、日豪関係を育成すべきと言うまじめな論調も見逃せない。

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