反騰の可能性を探る : かかし
グローバルな下げ局面にあります。弱気のコンセンサスが世界のマーケットを支配しているように見えるのですが、敢えて反騰の可能性を探ってみようと思います。
まずは現状認識から。
先週の日経平均株価は1.38%下落しました。5日の金曜日だけで2.89%下げています。ダウ平均株価も0.55%の下げでした。4日の木曜日の2.61%安が大きく影響しました。2週間前に「米国市場に連動する停滞に警戒を」と書いたのですが、たしかに日米が連動して下げてしまいました。
世界の注目市場を見ても様子が様変わりです。1月15日には、このようになっていました。年初から下げているのは、ドバイのほかは上海、香港などごく一部に留まっていました。
ところが、2月5日にはこのようになっています。すべてが年初から下落に転じました。台湾や上海、香港などの下落率がドバイを上回ったのも目を引きます。
下げの背景には、米国の新金融規制や中国の金融引き締め懸念があったのですが、先週はさらに欧州のソブリン・リスクが加わりました。
そのような局面で反騰の可能性を考えてみようと思います。ただし、反騰すると断言しているわけではありませんので、誤解のないようにお願いします。
まず、欧州のソブリン・リスクについて。私のブログ「スケアクロウ投資経済研究所」で「欧州問題をどう見る?」として指摘しているのですが、国家のレベルでのリスクですから、グローバルなサポート体制が取りやすいのではないかと見ています。特に、財政面での不安がギリシャから、ポルトガルやスペインにまで広がるという事態は極めて危険な状況であるだけに、かえって早期に、かつ思い切った対応策が打ち出される可能性があるのではと考えています。
ただ、5日の欧州の動きを見ると午後にはかなり落ち着きを見せてきたようです。ポルトガルのマーケット(ユーロネクスト・リスボンPSI20)は1.36%下落したのですが、午後には回復感が出ています。
スペイン(マドリッド・ジェネラル)も1.38%の下げでしたが、ポルトガルと同様の展開でした。
欧州のこのような動きもあって、シカゴ・オプション取引所のVIX指数は、大引けにかけて急速に下げています。
1週間のVIX指数の中で見ると、このような動きです。
楽観はできませんが、投資家のリスク許容度が高まったわけですから、原油などの商品市況の戻りを期待して、シェブロンなどの石油株が金曜日の終盤になって反発しています。
この動きはマーケット全体にとっても、かなり強力な支えとなったようです。2時には167ドル安と低迷していたダウ平均株価が、一気に10ドル高まで反発しました。(5日金曜日の動向の詳細は「米国株式市場を振り返る 2月5日」をご参照ください)
以上のような動向を見ると、予断は許さないものの、グローバルな株価下落が避けられる可能性は十分にあるだろうと考えています。
さらにもう一つ付け加えると、2月4日に商務省の発表した12月の「出荷・在庫・受注統計」による全製造業の在庫循環モメンタムは大きく上昇しています。(在庫循環モメンタムについては「在庫循環図」をご参照ください)
この景気指標の上昇局面では、株式市場も上昇する可能性が高いのです。
ということは、何らかの形で、現在の重石が外れると、マーケットは本来の均衡水準を取り戻すために、急速で大幅な反騰に転じることは十分にあり得そうです。
以上から、弱気のセンチメントが世界を覆う中で、敢えて反発の可能性を考えています。ただし、繰り返しになりますが反発すると断定しているわけではないので、ご注意ください。
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