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2010年2月16日 (火)

為替悠々64、破局のシナリオその2

「為替悠々64、破局のシナリオその2」

1997年の旧大蔵省発行の小冊子「財政構造改革への取り組み」の中で「破局のシナリオ」という項目がある。官僚にしては大胆な題名である。2025年度を予測したものであるが、その予測と中途であるが現状を比べてみよう。

財政健全化目標

財政赤字

赤字国債発行

政府債務残高

 

社会保障制度

2025年度

GDP3%

ゼロ

2025年度

GDP比153

2025年以前に底をつく

現在

6%

30兆円超

現在

160

 

経常収支

GDP比

国民負担率

 

国債及び借入金

 

1994年度

2.70%

1994

39.20%

199612

344兆円

2025年度予想

-14.30%

2025年予想

70%

2009

800兆円

現在

0.6%

 

 

 

 

 *2003年にEU並みのGDP比3%財政赤字はまったく目標に到達せず倍になっている。EUクラブの会員権はおりない。マナーを守りなさいというところか。

   2003年に赤字国債ゼロも達成出来ていない。

   政府債務残高は2025年にGDP比153%に達する予想だがすでに128%を超えている。

   2025年に社会保障制度資金は底をつくとしている。さもありなん。

   経常黒字は2025年にGDP比マイナス14.3%となっているが、これが予想に反し黒字が増えている。ISバランスの均衡はとれないようだ。所得収支の黒字も大きいことも予想通りにならない原因だ。これが円高を後押ししている。

   国民負担率は2025年に70%と予想されている。欧米比低いとされているが日本は公共料金の高さなど統計に入らない負担が大きくこの比較はどうか。しかし70%の負担なら脱北者ならぬ脱本者が出てこよう。増税逃れの一時避難先探しが出てこよう。日本人は団体行動なのでそのような現象が起きるときにはどっとくる。

   国債および借入金の増加の勢いはとまらない。

結論としてはさすが日本の英知の大蔵省だけあり、経常黒字を除けば良い予想と言えよう。それゆえ「破局のシナリオ」と名づけられたのだが、橋本首相の増税騒ぎと小渕さんの大判振る舞いでどうしようもなくなった。まあ日本経済の規模は大きいのですぐに破局はくるわけでもなく、多分ここまで読んでいただいた方が生きている間は大丈夫かもしれない。

子どもの数の減少を予想できず旅館を作ってしまい資金難の年金や、車の通行量を多く見積もり道路を作りまくる道路関係者よりはすぐれた予想だと思う。 ただ問題は解決しようとしていないだけだ。

(まるで私の大学時代の野球のようだ。盗塁のサインを見やぶるが刺せない)

 

今週は日本の第4四半期GDPの発表が注目されるが、年率5%近辺の成長が予

想されている。この成長率、2003年15兆円の経常黒字、失業率の改善の日本経

済のファンダメンタルズでは介入の大義名分が立ちにくい。世が世でプラザ合意時

代の空気なら、円売り介入ではなく、円買い介入してもおかしくない。かたや中国に

元高を求め、かたや円売り介入をする矛盾だが、矛盾なことをしないと市場は活性

化しないので、今後も気にせずにいろいろとやって欲しいのが市場の希望だろう。

終始一貫していないことを政府がやることは驚きでもなんでもない。

 15兆円の経常黒字のうち、その半分は所得黒字が生み出しているもので、これは

景気に関係なく円高要因となっている。

 米国の貿易赤字は5000億ドルに近づいてきた。赤字が悪で黒字が良でもない。

ドルの価値はプラザ合意の半分以下になったが米国貿易赤字は1000億ドルから5

000億ドルになった。「世界はひとつ」と考えれば貿易赤字に問題はない。

 大きな問題はやはり貿易赤字より財政赤字であろう。確実に国民負担が増えてい

く。しかし金利が上昇しないところから見れば問題は顕在化していない。財政赤字

で債券を売る動きは数年前から時々出るがすべていなされてきた。日本でのポ

イントはやはり2007年頃から増える年金の支払い増の時だ。団塊世代60歳突入と

なる2007年だ。

          

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