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2010年1月11日 (月)

為替悠々15

「為替悠々15」

 「需給分析の基本ツールは国際収支表」

 さて需給の基本となるのはやはり国際収支表だ。国際収支は居住者と非居住者との資金の取引を表したものである。いわば資金の流出入における国境のようなものだ。ただ為替取引にとって難点はその資金の入り払いに為替取引が付随したものかどうかは表ではわかりにくいことだ。すべてが円を介して海外との流出入ではなく、時にしてドルとドルの取引のような為替取引を要しないものも多いところが分析にやっかいだ。また複式簿記の為、資本収支には貿易収支の見合いである記帳がなされさらに為替に影響する取引の分別をわかりにくくしている。

国際収支表の経常収支における資料、データは分かりやすいが難点は資本収支のデータである。機関投資家のデータもいろいろ工夫をしてデータを集め加工しなければならない。

国際収支表を補助するものとしては貿易統計、対内対外証券取引状況、外貨準備、平衡操作(介入)、本邦対外資産負債残高などが上げられる。これらは財務省のホームページ(http://www.mof.go.jp/index.htm)から誰でもアクセスできる資料である。

 機関投資家は公的(年金運用資金、郵貯、簡保など)なものも民間もその投資方針や残高を各ホームページにのせている。海外投資意欲やヘッジ方針などもつかめよう。

 海外投機筋のポジションもIMMのポジション表からヒントを得ることが出来る。その他は証券会社の海外債券の販売や外貨預金の残高推移などの情報も入手できる。

大きな銀行の為替のトレーディングルームはさながら生きた国際収支表だ。輸出入や資本の取引が活発になされる。それらの合計が国際収支表のデータとなる。機会があればそのような情報も入手したい。

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