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2010年1月13日 (水)

為替悠々20

「為替悠々20」

(仲値でドルが上がる理由2)

朝の早い10時時点では自分が送金する金額はわかっても、受け取る金額は未確定なのである。 よって 公表相場を決める時点での為替相場はドル(外貨買い)が多くなる。

 銀行ではそれを不足(外貨の不足)と呼ぶ。 最近は報告していないようだが、以前は当局が、毎朝 本日の不足はとか、来週の需給予測(仲値の不足状況)を聞き取っていたのである。 当局はすべての為替相場の動向を把握しようとし、この数字などを基に需給を調査し介入金額も決定できるのである。また銀行のもっとも忙しい10時までは介入を控えることもあったようだ。 ただでさえ煩雑な銀行のポジション把握が大規模介入も入ればさらに混乱しよう。 介入は午前10時以降が多い。それ以前に介入ならかなりの決意だ。

話はそれたが確定していることの多いドルの買い玉は朝10時の時点で取引される。しかし その後入金が確認されると円に換えられる輸出代金の受け取りは10時以降に散発する。1日を通せば経常黒字国の名が示すようにドル(外貨売り)が増えることとなる。 買いは10時に一気に出て、売りは1日を通してゆっくり出る。

 従って、朝 8時から10時までの平均の値動きは日々510銭の上昇となる。 スプレッドや手数料を勘案すればそんなことがわかっても儲からないということだが、売るとさらに儲からないわけである。 もちろん いわゆる、510の倍数の日にはまた月末、期末、年末、年度末の仲値はドル需要が増える。企業にとって支払いはできるだけ遅らせることが資金効率をよくするのでそうなるのだろう。もちろん一日を通じればドルが下がることのほうが多いかもしれない。

 参考までに10時の不足で相場に影響がない本数は3億ドル程度、5億ドルを超えれば やや影響がでる。10億ドルを超えればかなり大きいと言えよう。 もちろんその後の輸出玉が相殺していくのだが、すべては東京市場では仲値のドル不足は相殺しきれない。(相場を真に動かすのはこのような買い切り、売り切り あるいは それに近い長期的なポジションであり、短期的に大きくはる投機筋ではない。)

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