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2010年1月 7日 (木)

「為替悠々12」

「為替悠々12」

 (放物線理論)

 ポジションを横軸、収益を縦軸にとる。そのグラフはどこまでも右肩上がりではなく ある点から下げ始めるであろう。 その放物線の頂点を自分で把握しなければならない。為替ディーラーのポジションは例えば、ジュニアーディーラーは5本(5百万ドル)、シニアーは20本(2千万ドル)、マネージャーは50とか全体の100本とかを上限とする内規がどこの銀行にでも課されている。 

では 5本の人に30本を、50本の人に200本持たせれば結果はどうなるかと言えば経験では瞬間的な操作を省けば、そのポジションの重みに耐えかねて自滅してしまう人が多い。 売買を短期的に繰り返す作業がそれぞれのディーラーで最適にできる金額がある。5本の人が月1千万稼ぎ出していたのが、30本を常に持たされても操作が遅くなったり、損切りができなくなったりする。1千万稼げなくなるかもしれない。

中には5本ならアゲンストになったとき上手にひっくり返してポジションを逆に張って難を逃れるテクニックをもっていたのに、30本になってアゲンストになると机の前で硬直して声も出ず、金縛りにあっている人がいる。気が動転して時々おかしなことを口走る人までいた。 このように自分の操作しやすいポジションをディーラー自身がまたその上司が把握することが重要だ。つねにポジションを相場変動で緊張しながら 「恐怖と欲望」のハザマで右往左往しているのがディーラーであるが、ある一点を超えると我を失う。それはポジションの重みであり、損の大きさである。 

そのときは上司は介護士のように世話をしたり、 あるいは武士のように介錯してあげて楽にしてあげなければならない。 最適なポジションと回復可能な損はいくらかを知ることが効率的な毎日をおくれる要因となろう。

 

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