年末最終週は来年へのヒント満載!:水谷
本年も2日を残すのみとなりました。しかしこの週の動きは大変重要と思います。欧米市場参加者はクリスマス休暇明けで、休養十分。来年への試し運転をする週です。来年相場へのヒントを数多く提供してくれます。多くの主要市場参加者はディーリングルームの席に着き、久しぶりに顔をそろえた仲間と情報交換とクリスマス休暇ボケを取り除こうとします。そして他の銀行のディーラー、海外の仲間と電話で情報交換です。気の早いディーラーは新年が始まる前に先行してポジションを試しに取る動きをします。既に来年デリバリーのスポットバリューです。収益が出ても来年の収益となります。
私は来年の相場ではやはり金利動向を重視します。米金利特に短期金利の動向に一番注目しています。グラフはフェッド・ファンド先物3月限のチャートです。今週に入って売り基調(金利先物下落は金利上昇の意味)を鮮明にしています。クリスマス期間での調整を終え、新たな相場を形成するのではと推測します。現在は99.80と利回りベースでは0.20%の水準です。先週エバンス・シカゴ連銀総裁が、個人的な見解として、for an extended period (長期間という意味、英文解釈的には6ヶ月位の意味)はFOMC会合3~4回分を意味すると述べられました。このことから来年3月か4月の利上げが行われるのではとの憶測が出てきました。先物からはその動きに呼応する相場で動いています。現在のFRBの誘導目標が0.00~0.25%ですから、この上限を上回る動きをするのではと推測します。期先物を見ると6月限が99.66(0.34%), 9月限が99.32(0.68%)となっています。9月までには0.75%になると見る動きのようです。50pbsの利上げが見込まれる相場と言えます。金利先物は常に先の先を読む動きになります。利食いを消化しながらの売り基調を先物金利は辿るのではと推測します。
資金供給策の解除、資金吸収策の試し運転、そしてフェッドファンド金利の引き上げというプロセスを取る動きを来年早々からFRBは取りそうです。この動きを米ヘッジファンド、機関投資家は既に察知しており、為替市場では「ドル・キャリー・トレード」の解消の動きが継続しています。これはシカゴ先物市場のポジション具合で分かります。先週火曜日時点では円・ネットショート1,011枚、ユーロ・ネットショート14,327枚、ポンド・ネットショート24,577枚、スイスフラン・ネット4,568枚、豪ドル・ネットロング32,425枚とドル買いの動きを強めています。特に円とスイスフランの動きがロングからショートに転換と「ドル・キャリー・トレード」が近い将来の米金利調達コストの上昇からワークしなくなることを予想しているのではと思い巡らせます。
再び米金利の話しに戻りますが、この所短期金利上昇に連動してか、長期金利まで上昇が激しくなりました。10年債は私が基準線を見ていた3.50%を12月中旬につけてからその動きを加速しているようです。現在は3.80%です。材料のない中、米経済指標の予想より良い数字が出る傾向にあり、それに反応しているようです。今週の米国債入札は一喜一憂の動きで、過剰反応気味。来年も米財政赤字を懸念する声、中国などBRIS’s諸国がIMF債にシフトするなどドルの一極支配を嫌った動きが予想され、債券売り(金利上昇)の動きが相場を支配するのではと思い巡らせています。これは悪い金利上昇からドル売りの動きに一時的に反応します。利食い要因として市場参加者は格好の利用材料にされると思います。
欧州は来年も引続きECBもBOEも積極的には出口戦略には動かないと予想されます。そしてデフレ経済進行の日本もゼロ金利政策の継続が予想されます。今週発表のデパートの売上額が前年比でマイナス9.6%はその象徴と言えます。私もこの所デパートで買い物をする機会はほとんどなく、郊外の大型ショッピングセンターでするのが行動パターンとなっています。
何となく来年の為替相場が金利の動きからヒントを提供してくれる年末相場ですね。
それでは皆さん来年が良い年になりますように!
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