トレンドとサイクル : かかし
今年も今日を含め、あと4日となってしまいました。
年末、年始の恒例は年間パフォーマンス。「出遅れの目立った09年の日本株」、「日本株だけが底値に低迷」などの表現が新聞や雑誌を賑わせています。たぶんそれが圧倒的なコンセンサスなのでしょう。
そこで、年間パフォーマンスを見てみましょう。
上海(SSE) 1880.72(1/5) 3141.35(12/25) +67.0%
ダウ平均株価 9034.69(1/2) 10520.10(12/24)+16.4%
日経平均株価 9043.12(1/5)10494.71(12/25)+16.1%
CRB指数 233.25(1/2) 280.92(12/24) +20.43%
ドル円 92.02(1/5) 91.18(12/25) +0.9%
確かに、日経平均株価の上昇率は16%程度に過ぎません。しかし、日々に株価の動きを追っていると、日経平均株価に対するイメージはずいぶん違います。
3月10日から8月21日まで日経平均株価は約50%上昇しています。そして、11月27日から12月24日まで約16%上げました。かなり恵まれたマーケットだったと感じています。
同様のことは、ドル円についても言えそうです。対ドルでの円の変化幅は僅かに0.9%。ほとんど動かなかったということになるわけですが、実感とは随分異なっているようです。
そこで、基本に戻って、トレンドとサイクルの関係について考えておきたいと思います。
株でも為替でも、およそマーケットで変動するものの価格を分析する場合には、トレンドとサイクルに分解して考えてみるのが一般的なようです。
トレンドは、長期的な価格の趨勢を示します。年間パフォーマンスのように、「年の初めに買って、暮れに売ったらば・・・」というのもトレンドを重視する見方と言えそうです。
一方、実際の価格はトレンドからの乖離を繰り返して変動しています。この変動部分がサイクルです。
一般的には、トレンドを重視した投資が好まれるようです。しかし、サイクルに対する機敏な動きによって、投資成果は大きく異なってきます。
たとえ、マーケットが下落局面にあっても、サイクルの上昇局面で買い、下落局面で現金にしておけば、投下資金を増殖することが可能です(投資収益A)。下落局面で売り建てておくことができるなら、パフォーマンスをさらに高めることも可能です(投資収益B)。
これが投資の魅力でしょう。昔と違って、マーケット指標そのものが投資対象となり、売り買いが自由に出来て、しかも保証金、証拠金や手数料が大きく低下してコストもかからなくなりました。デイトレードやスイングトレードの環境も整っているわけですから、「年初に買って、年末に売る」ことにこだわる必要が薄れてきたように思います。
とすれば、年間パフォーマンスにこだわることもなくなってきたようです。株や為替は銀行の一年物定期預金ではないのですから。
先週は2010年の年間の動きを予想してみましたが、年間のパフォーマンスは今年を下回る可能性もありそうだと見ています。しかし、サイクルを重視しながら、マーケットの変動を追っていくことで、十分な投資成果を上げることができそうだとも考えています。
来年もよろしくお願いいたします。
先週の株価の動きについてのコメントは、紙面の制約もあり、今回は割愛させていただきました。スケアクロウ投資経済研究所の「先週の株式市場を振り返る」をご参照いただければと存じます。
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