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2009年12月28日 (月)

南アランド見通し

「南アランド見通し」

外為どっとコムさんで毎週月曜日に発行しております「喜望峰」リポートです

12月21日版、今年最終号です

「金以外下げ幅小さい」

昨年8月の世界金融恐慌前の14円からリスク回避の流れで同10月には7.66までの安値をつけていたが09年に入ってからは堅調に推移してきたランド円である。09年1月は9.56で始まったがその後は上昇7月に12.55の今年高値をつけたそれ以降はランドにとっては珍しく横ばい推移している。金利は2008年12月に12%から11.5%へ引き下げられ2009年8月には7.0%となった。その後は7%で据え置かれている。利下げが続いた期間はランド円は上昇しているので必ずしも利下げがランド売りとなっていたわけではなかった。むしろ利下げが打ち止めとなった8月以降にランド円は上昇を止めている。

 大きな出来事は政権交代であった。94年から99年まで初代大統領を務めた南アの父とも呼ばれるマンデラ氏が去ってからは、アパルトヘイト体制の廃止と民主政権の設立という共通の目標がなくなり次のムベキ政権となってからは成長重視派と貧困層救済派とでの政争が続いた。内部抗争の末、本年4月貧困層に支持されたズマ政権が設立された。また10年以上中央銀行総裁を務めたムボエニ総裁も飽くなき金融緩和を要求する組合との軋轢からか3期目途中で辞任、マーカス新総裁に代わった。

 景気については3QGDPがリ前期比年率+0.9%増となり、17年ぶりのリセッションから脱却した。製造業が持ち直し、来年開催されるサッカーのワールドカップに向けた公共投資が景気回復につながった。もちろん世界景気回復に伴う金、またプラチナ、パラジウムなどの鉱業資源価格の上昇も南ア経済を潤すこととなった。

 一方米国経済も回復途上にあり、FRBの2月から流動性供給停止で金融出口政策を模索し始めていることもありドル高推移する見通しもあるが、南ア経済もゆっくりと回復の道を辿っているのでドルランドは少々上昇してもデフレと財政赤字に悩む日本とは差異がありランド円は堅調に推移するだろう。

 本年は本号が最終となります。1年間ご講読ありがとうございました。新年は1月4日からスタートさせて頂きます。

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