クリスマス週間の金利レビュー！：水谷

今日は天皇誕生日ですが、スペインでは大変なイベントがある日です。「La Loteria del Navidad el Gordo」と呼ばれる宝くじの発表日です。“クリスマスの太った宝くじ”という意味です。Navidadとはクリスマス、Gordoとは太ったという意味です。マドリッドの抽選会場は一種独特の盛り上がりです。抽選風景の写真を載せましょう。去年のスペインの新聞から拝借。この抽選のメンバーに選ばれることは大変な名誉です。少年少女が選ばれるのですが、スペイン語独特の発音で数字を読上げるのです。一等賞金は確か300万ユーロ（約3億9千万円）です。スペインではテレビ局がどこで当選くじが売られ、そして当選者探しをします。人々は当選するとそのくじを見せびらかせ、そして周りの人々にシャンパンを振舞います。日本のようにこっそりとは正反対の国民性です。シャンパンを振る舞いそして大騒ぎする風景をテレビ局は追いかけるのが恒例の風景です。失業率が18%を超えるスペインですが、国民性は全く楽天的です。これがなくなったらスペインでなくなってしまいます。日本では年末ジャンボの宝くじと洋の東西では同じ光景ですね。スペインにいらしたら、是非街角で“宝くじ”を買って夢を追いかけましょう。

為替市場を見ると先月後半からドルの金利上昇、特に短期金利先物をきっかけに今週からは長期金利の上昇が顕著ですね。先週からは短期金利先物　例えばフェッド・ファンド先物は調整局面のようです。

グラフはフェッド・ファンド先物3月限です。調整局面が明らかです。現在99.81と利回りベースでは0.19%です。まだFRBの政策金利誘導目標の0.00～0.25%の範囲内です。調整局面を終え、再び売り基調（金利上昇）になれば、本格的に利上げ機運が盛り上るのではと推測します。利上げをするとなると0.25%が予想されます。半分の0.125%の可能性も否定できませんが。このように考えると3月限は99.75（0.25%）を目指した動き、そして99.50(0.50%)の方向と読みます。期先では6月限99.71(0.29%), 9月限99.435(0.565%)とまだまだ利上げを織り込んだ水準ではないと思います。9月限は0.75%を目指した動き、つまり99.25あたりが目標ではないかと思います。短期金利先物が再び売り基調になった時にはドルの上昇推進力が付くのではと推測します。

ユーロとポンド金利の先物では共に買い基調（金利低下）です。ユーロ金利先物Euribor3月限のチャートを紹介します。現在99.22です。利回りベースで0.78%　本来3ヶ月物金利である先物は政策金利を0.25%上回って取引されると言われています。その意味では先物価格から見た政策金利は0.53%です。先物価格が買い基調で動いていることからは、当分ECBの利上げはないように思います。米国の長期金利10年が昨日3.75%まで上昇、ドイツ国債の10年が3.26%とますます長期金利差拡大の動きのようで、ユーロ売り／ドル買いの材料にされる傾向が強いと思います。ECBは非伝統的措置を解除する動きであり、1年物オペを今年で終了、そして6ヶ月物を3月末で終了するシナリオです。その後経済が順調に回復すれば、利上げに踏み切るとではと思われます。ECBとFRBの温度差にはかなりの差があるようで、このことからもドル買いの動きが強まりそうだ。シカゴ筋は既にユーロ・ショートポジションに転換しています。米金利がユーロ金利よりも早く上がるという観測が主たるドル買いの要因であり、ギリシャなど格下げのニュースなどは副次的なユーロ売り材料のように思えてなりません。

次にポンド金利先物（Short Sterling）3月限です。こちらもどちらかと言えば買い基調です。英国第３四半期GDPはマイナス成長と主要国がプラス成長に転ずる中では、例外的存在です。このことからも英国経済の景気回復度合いが低いと見ているファンド筋も多いと言えよう。シカゴ筋は元々ポンドショートを維持しています。

各通貨短期金利の動き、ドルインデックスで大雑把なドルの動きをチェック、そしてシカゴ先物市場の動向を調べることで大きな流れをつかみましょう。

それでは。

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