« アジアでも資源続落中 | トップページ | 「ドル円、ユーロ円、ランチタイム」 »

2009年12月 9日 (水)

格付け:水谷

昨日の金融市場は格付け会社が主役であったようです。格付け会社とは、一般には分かりづらい国家、地方公共団体、企業、そしてそこで発行される債権、プロジェクト、不動産物件などについて、専門家集団が専門知識を用いて、一般投資家に対して分かりやすく判断基準を定期的に提供するものです。国家の判断基準は長期国債の判断基準つまりレーティングにより判断されます。

以下はS&P(スタンダード&プアーズ)のホームページより引用したものです。

長期発行体格付け

AAA

スタンダード&プアーズの見方では、債務を履行する能力はきわめて高い。スタンダード&プアーズの最上位の発行体格付け。

AA

債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。

A

債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。

BBB

債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。

BB」、「B」、「CCC」、「CC」に格付けされた発行体は投機的要素が強いとみなされる。この中で「BB」は投機的要素が最も低く、「CC」は投機的要素が最も高いことを示す。これらの発行体は、ある程度の質と債権者保護の要素を備えている場合もあるが、その効果は、不確実性の大きさや事業環境悪化に対する脆弱さに打ち消されてしまう可能性がある。

BB

より低い格付けの発行体ほど脆弱ではないが、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性を有しており、状況によっては債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。

B

現時点では債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた発行体よりも脆弱である。事業環境、財務状況、または経済状況が悪化した場合には債務を履行する能力や意思が損なわれ易い。

CCC

債務者は現時点で脆弱であり、その債務の履行は、良好な事業環境、財務状況、および経済状況に依存している。

CC

債務者は現時点で非常に脆弱である。

一般に投資家が投資適格と判断される基準はBBB以上です。SPと他の有力格付け会社例えばムーディーズ社、英系フィッチとは若干違いがありますが、概ね同一と解釈してよいでしょう。今回ギリシャの長期国債がBBB+に格下げされたということは、投資適格とされるグループの一番最下位に位置します。若しもこの第一グループの格付けを失うと、世界の投資家は債務不履行になるのではとの懸念から、投資対象から外すことになります。債券は格付けが悪くなるほど、利回りが高くなります。ローリスク ローリターンからハイリスク ハイリターンとなります。欧州の長期債格付けを見ると、次のようになっています。

10年債格付け: ドイツ:AAAS&P)、フランス:AAA(フィッチ)、スペインAAA(フィッチ)、イタリア:A+(S&P), アイルランド:AAS&P), ポルトガル:AA(フィッチ)、ギリシャBBB+(フィッチ)となっています。スペインがAAAとは驚きます。不動産バブル崩壊前は財政黒字を計上していた遺産があるようです。イタリアの低格付けは要注意ではないでしょうか。東欧圏を見るとルーマニア:BBB(フィッチ)、ハンガリー:BBB+(フィッチ)とかろうじて投資不適格グループ転落を免れているようですが、その中身は危ういものである可能性があります。格付け会社に手心を加えてもらうようにありとあらゆる工作をしている可能性も否定できません。

不動産証券化では格付け会社の投資判断にLTV(Loan to Value)DSCR(Debt Service Coverage Ratio)というのがあります。これを国家の投資判断にあてはめると分かりやすいと思います。LTVとは現在の国家の価値(GDPなど)に対する借入れ額です。不動産証券化では30%から50%位がAAA格からA格に適用される基準です。60%から75%位がB格付けの基準です。これを国家にあてはめると日本はDGP500兆円、長期国債の発行額が500兆円と考えると既に100%です。財産としての個人の金融資産1200兆円、不動産を考えるとその比率は低くなるようですが、対GDP比率を考えると絶望的な数字ですね。円売りと反応しても良さそうなものですが。DSCRとは生み出すキャッシュフローに対する元本及び利払い額の比率です。AAA格付けからA格では2倍以上です。そしてB格では1.61.2場合の水準です。返済額の2倍以上の生産性をしていないとDSCRからは投資判断対象とはならないということです。日本のGDP10年前と比較すると28%の伸びです。主要国と比較すると、米国63%, 英国86%, フランス94%とかなり生産性が劣っています。そして中国4.2倍、インド2.9倍、ロシア5.9倍と後ろから追いかけてくるBRIC’s諸国が脅威のスピードです。国家としてのあり方を考えるときではないかと思います。これも円を買える状態ではないと言える数字ですね。

野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社

|

« アジアでも資源続落中 | トップページ | 「ドル円、ユーロ円、ランチタイム」 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« アジアでも資源続落中 | トップページ | 「ドル円、ユーロ円、ランチタイム」 »