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2009年11月11日 (水)

一連の中央銀行ミーティングを終えた市場の反応:水谷

FOMC声明文で文言に変化はなく、低金利政策維持が確認されました。金利市場の反応は短期と長期では正反対の動きのようです。フェッド・ファンド先物を中心とした短期金利はFOMC後も低下傾向を示しています。グラフは来年3月限のFed Fund Futureのチャートです。価格が99.805と利回りベースでは0.195%FRBの誘導目標0.000.25%の範囲内に収まっています。6月限は99.680と利回りベースでは0.32%とやっと誘導目標の上限0.25%を上回った利回りとなっています。利上げが想定される時期と推測します。LIBOR(ロンドン銀行間取引)3ヶ月物でもFOMC以来下落基調が続いています。先週から0.2725%10月下旬の0.2806%から切下がっています。短期金利の低下傾向はドルを調達原資とした所謂「ドル・キャリー・トレード」センチメントを強力にサポートします。米金融機関は投資銀行業務に注力し、株式投資、為替投資、商品相場投資と安心して低金利のドルを原資として投資し、そして収益向上に寄与しているようです。対顧客向けの融資を中心とした地道な営業分野の収益向上は、依然として不透明感漂う経済状況では、厳しいようです。商業用不動産市場が厳しい状況が端的に表していると思います。FRBとしても本音の部分で、投資銀行業務を低金利から後押しし、金融機関の決算内容が改善してくれることは喜ばしいことと思っているのではと推測します。ということでFRBお墨付きの低金利での資金調達が可能な限り、「ドル・キャリー・トレード」は続くと思うのは、ちょっと不謹慎な発言かと個人的には思っています。しかし、収益が上がることは良いことですね。

Fedfundnov11

反対に長期金利は上昇気味です。10年債では私が基準と見ている3.50%近辺で安定しているようです。米国債の発行は過去最大規模となり、需給面での懸念があります。中国、日本を中心とした外貨準備金黒字国が、引続き買ってくれるように、オバマ大統領、ガイトナー米財務長官を中心に、中国、日本詣で、「強いドル政策」を確約して米国債投資継続を約束させ頭を下げる訪問をするのではと推測します。日本は民主党政権になっても、諸問題でアメリカには頭が上がらないような印象であり、何とか「Sales Talk」に引き込むことが出来ると米国筋は読んでいると思います。しかし、中国は一筋縄ではいかないようです。色々な材料を交渉の場で持ってくるのではと思います。外貨準備にしても、IMF債へのシフトを匂わせています。その情報リークにしても、巧妙です。中国人民銀行のハルピン支店の主席調査官の名前での外貨準備金のシフトを1ヶ月前に示唆するなど巧妙度が益々高い。金保有高も600トンから今年は1054トンに倍近く増やしています。オバマ・ガイトナー・チームでは子ども扱いされるのではと危惧していますが、現実のものとなるか注目です。

米金利のイールドカーブ的にはスティープニングの傾向がしばらく続きそうです。

Shortsterlingnov11

欧州では、ポンドとユーロ金利も低下傾向を示しています。2番目のグラフはショート・スターリング(Short Sterling)3ヶ月物金利先物3月限のチャートです。BOEは資産買い取りプログラムの250億ポンド拡大を決定しました。市場に資金供給することで、不安感を取り除こうとするBOEの意図が見え隠れします。ただ、BOEメンバーの意見が量的緩和解除と継続で分かれているようです。その意味からBOE議事録の発表を待ちたい。全会一致かそれとも意見が分かれているのか注意する必要があるのではと思います。ポンドはBOEの金融政策とは違った動きとなっています。リスク志向のドル売りの対象通貨にされているようです。

ECBも先週の定例理事会後の記者会見はオペの期間を縮小するなど出口戦略をちらつかせているものの、短期金利の動きは引続き下落基調に変化はなさそうです。やはり寝た子にはぐっすりと眠っていてほしい金融市場ではないかと思います。

日本に長期金利の上昇傾向が鮮明になっています。10年債で1.46%近辺です。今朝の朝刊では、国債、借入金、政府短期証券残高が9月末時点で約864兆円、国債だけでは約564兆円とのことです。金利が1%上昇すると単純に国債の利払いは5.64兆円増え、この数字は法人税収の56兆円に匹敵する。恐ろしい数字です。政府・日銀は低金利政策継続する以外に方策はなさそうに思います。

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