« 月曜早朝シドニー概況:津田 | トップページ | ドル円、ユーロ円、朝市需給 »

2009年11月16日 (月)

「注意報再解除!」(その2) : かかし

先週の日経平均株価は僅かに下げてしまいました。と言っても、下げ幅は0.19%。その前の2週間は、2.4%、2.5%と立て続けて大きく下落していますから、ようやく下げ止まったという感じです。

一方で、ダウ平均株価は好調です。先週は2.5%上昇しました。その前の週も3.2%と大幅に上昇しています。

日米の株価はずいぶん差がついてしまったように見えます。しかしながら、年初からの両市場の動向を追ってみると、実は、それほどの大差にはなっていないようです。

20091116_2 

そこで、これからの株価の行方が気になります。果たして、乖離が拡大していくのか? あるいは、縮小に転じるのか? 実は、先週も同じ問題提起をしています。

私は縮小していくと見ています。

第一の理由は、日米の在庫循環モメンタムが上昇を続けていることです。この点については、先週に投稿した「『注意報再解除!(その1)』:かかし」をご参照いただければと存じます。景気サイクルの上昇局面では、株価は上昇する可能性が高いというのがポイントです。

引き離され気味の米国市場に追いついていくために、今後の上昇率はむしろ日本のほうが高いのではと考えています。

しかしながら、そうは言いながらも、気になる点もあります。為替、つまりドル円の動きです。米ドルと日本円との関係において、ドルが安くなるということは、相対的に円が高くなることを意味します。ドル安の恩恵を受けた米国企業の収益改善から、米国株は高くなる一方で、円高のダメージによって、日本企業の収益は悪化するために、日本株は低迷するという議論には説得力があります。

ただ、良く考えてみると、為替が両国の企業の収益に及ぼす影響は、昔から変わりません。これからも、基本的に変わることはないでしょう。

ところが一方で、日米の短期的なマーケットの動きは同期しています。この連動性もずっと続いて来ていて、今後も基調に変化はなさそうです。つまり、為替が日米の企業収益に対して相反する影響を及ぼすにもかかわらず、株価の動きは日米が同調するというわけです。

そう考えると、円高を理由として、日本の株式市場の低迷が続くと単純に判断するのは気をつけたほうが良さそうです。

そこで、視点をちょっと変えて、日本円と米ドルの実効為替レートから考えてみたいと思います。

日本銀行のデータを使って、1月を100として指数化した円の実効為替レートの推移を描いてみます。そして、米国連邦準備銀行が算出した米ドルの実効為替レートを。同様の処理をしたうえで、同じグラフの上に重ねてみます。

20091116_3

面白いのは、現在の円の実効為替レートが、年初に比べて幾分低い水準にあるということです。

一方で、米ドルの減価が日本円の減価に比べて、著しく速いことが特色です。そのため、相対的にみれば、日本円が米ドルに対して加速的に上昇しているように見えるということになります。

図が示す通り、9月に入ってから、ドルの減価が一段と目立ってきました。そのあたりから、米国株以上のペースで順調に上昇してきた日本株の減速が目立つようになってきたのは、偶然ではないのかもしれません。

ドルの暴落に対する恐怖をマーケットから簡単に消し去ってしまうことは期待できそうもありませんから、用心するに越したことはありません。

しかしながら、どうも米ドルに対しての比較感だけで円を見て、株式市場の動向を判断するのは気をつける必要がありそうです。実効為替レートの動向を念頭に置きながら、グローバルなマーケットの中で日本円がどのように評価されているかを常に把握しておくことが大切だと自分に言い聞かせています。

このあたりの議論は、私のブログである「スケアクロウ投資経済研究所」の1115日付投稿記事「日経平均株価の底堅さを評価」の中で、より詳細に触れていますので、ご参照願えれば幸いです。

野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社

|

« 月曜早朝シドニー概況:津田 | トップページ | ドル円、ユーロ円、朝市需給 »

日本株」カテゴリの記事

6かかし(2)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 月曜早朝シドニー概況:津田 | トップページ | ドル円、ユーロ円、朝市需給 »