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2009年11月12日 (木)

豪州の社長給与:津田

このたび、AFR(Australian Financial Review)による恒例の豪州企業の役員給与(2009年)が発表された。前例のない金融危機を経験してさすがに豪州トップ企業の経営陣の給与も軒並み2桁減額となっているようだ。今回のAFRによる調査は豪州のトップ300社の企業トップ(社長)の給与パッケージの調査という形でなされた。
結果は300社の社長年収の平均は2.3mio豪ドルで2008年の2.9mioドルから20%の減少となった。同期間にベンチマークのS&P/ASX200 index24.2%下落し、企業収益は平均で19%減少、株式配当は25%減少し、企業のバランスシートは46bioドルの評価損を計上した。
しかし1mioドル以上稼いだ社長は180人に増え、全体の中間値は6%上昇したが、その理由は、多くの場合短期、または長期のインセンティブボーナス(奨励金)の大幅減少をアワードベース(成功報酬金)の増加で補った結果であった。
トップ300社の社長の短期インセンティブボーナスは40%落ちて平均500,283ドルとなり、全企業の中間値は74%落ちて64,323ドルとなった。
保険大手AMPやカンタス航空、バージンブルー航空、石油ガス開発大手SANTOSなどいくつかの企業ではコスト軽減と人員削減を緩和するために役員報酬の凍結を実施したが、その動きも株主の怒りをなだめることはできず、カンタス、鉄道・交通大手United GroupTransurbanBendigo Bankなどの最近の株主総会では役員報酬に対して激しい抗議がなされた。多くの企業では役員報酬に関するProductivity Commissionのレポートを不安げに待っているが、このレポートでは2年連続で25%の抗議決議がなされた企業はその取締役メンバーの変更を余儀なくされることとなる。豪州労働組合の委員長Sharan Burrow女史は「社長連合の不評はわかるが組合は企業トップの年収は従業員の平均給与の10倍以内にとどめるべきであり、また1mioドル以上の役員報酬に対する税率を別建てにすべきである」と主張している。
次に豪州トップ300社の社長報酬で本年最も伸び率が高かったのは農業関連のWestfarmersCEOであるRichard Goyderで年棒は60%アップの$8.1mioであった。同期間における同社の株主配当は28%減少したが、ネットプロフィットは44%増加した。
次が資源大手BHP BillitonCEOであるMarius Kloppersで年棒は51%アップして$10.39mioであった。同社の株主配当は17%減少したが、ネットプロフィットは30%増加した。次は石油関連のOil SearchCEO Peter Bottenで年棒45%アップの$4.3mio。株主配当は2%減少したが企業のネットプロフィットは70%増加した。このほか石油関連のWoodsideCEO Don Voetleやスーパー大手WoolworthsCEO  Michael Luscombeも勝ち組であった。
一方負け組筆頭はMacquarie GroupCEO Nicholas Mooreであるが、役員報酬全体は99%減少して$290,000のみとなっている。ただ彼は2008年最も年棒の高いCEOの一人で$33mioを稼いでいたが、Macquarieフェロー特別賞与のパッケージが11mio減少して20mioとなったことや、格式オプションプールの損失などで大幅減となったとのこと。同社の株主配当は40%減少し、またネットプロフィットは52%減少した。
また資源大手リオ・ティントのCEO Tom Albaneseの役員報酬も83%減少して$2.2mioとなり、BHP Billitonと明暗を分けた。同社の株主配当は70%減少し、ネットプロフィットは50%減少した。また衣料メーカーPacific Brandの女性CEO Sue Morphet の役員報酬も43%ダウンの$1.07mioとなったが、株主配当は40%減少し、ネットプロフィットは$234.2mio減少した。豪州においても高額の役員報酬が問題となっており、ラッド政権は今年3月にProductivity Commissionに対して役員報酬の見直しを依頼し、15のドラフト案が提出されている。もっとも論争を巻き起こしているのは上述の“株主総会で2年連続で25%の抗議決議がなされた企業はその取締役メンバーの変更を余儀なくされ”との条文である。
一方、政府は“株主は役員退職金として1年間の基本年棒以上の退職金を認める”という法律を制定したことは注目すべきである。また金融機関の報酬ガイドラインとして当地の豪州版金融監督局であるAustralian Prudential Regulation Authority(APRA)は金融機関の役員報酬を短期からより長期のパーフォーマンスに基づいたインセンティブボーナス(奨励金制度)に移行するように勧告している。


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