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2009年10月20日 (火)

P.S.参加者の横顔、日本の仕手筋

「参加者の横顔=日本の仕手筋」

 日本で為替の仕手筋はいるのだろうか。派手に大口売買を繰り返す参加者はいたが、完全に純粋に為替の売買をしているのではなくそれは輸出業者であり、商社であり、生保などであり、時には自らの輸出入取引や資本取引とも結びついていたのではないだろうか。またそのような日本的仕手筋も名前がそれとなく知られ新聞でも特定はしないがある程度名前が推測されるような頃になると、その仕手筋は消えさっていくことも多かった。

 仕手筋は一度に大きな金額を数行の銀行で捌く(取引)するため、銀行は損害を受けることが多い。一度に1億ドルずつ、数行を同時に叩いた時には、実際の市場にはその全体の金額に見合う金額の注文は置かれていない。株の現物取引のようにあるものだけを売るのではない。為替取引では、ないものも銀行は売る(取引する)。要は銀行は空売り、空買いを強いられる。悪い言葉では飲み行為とも言われるが、飲まざるを得ない状態に置かれる。1億ドルを仕手筋から120円で買わされた瞬間に、他の銀行も買わされている。実際の市場には5千万ドルしか買い注文がないとすると相場はどんどん下がって行く。銀行は瞬時に大損する。そこから儲けにもっていくのもディーラーの技術だが、あまりしたくない取引だ。

一度に同時に大きな金額を叩くことはアンフェアーなのだが、明文化されたルールではないので、時にはそういう行為をする仕手筋も出てくる。ただ銀行は一度はそれで損をしても次からは対応策をとり、そう簡単には仕手筋の思うままにさせなくする。そうすると仕手筋も収益を上げられなくなる。また他の参加者にも仕手筋の動きが知られると、皆が同じポジションを持ち、仕手筋の利食うチャンスは減少する。実需筋と異なり、仕手筋は買えば売り、売れば買わなければいけない。その手口を参加者に読まれれば取引が効率的な回らなくなる。日本の外為市場は参加者の名前が漏れやすい。名前が知られると、その仕手筋は消え去っていく傾向がある。

 また日本の仕手筋は実需筋から派生したものだが、その仕手筋の所属する業界では大手ではない場合が多い。大手はどの業界も手堅く、コツコツと儲ける為替取引を行っている。中堅からやや下位に属する企業が一儲けを狙って仕手筋化することが多いと思う。その寿命は短い。

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