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2009年10月 9日 (金)

ボベスパ指数6万3000ポイントを回復

 10月8日のブラジル市場では、ボベスパ指数が前日より1.66%上昇し、6万3679.19ポイントで引けました。ボベスパ指数の終値が6万3000ポイントを超えるのは、昨年7月1日以来です。

 そのブラジルでは、経済が順調に回復しているようです。

 地理統計院(IBGE)やブラジル自動車工業協会、サンパウロ商業協会(ASC)などのよると、8月の自動車生産は前月比4・7%増、同じくサンパウロ市の現金売上は5・9%増、工場の設備利用率は81・3%に達し、7月の工業給料水準は今年1月より4・8%の上昇したそうです。
 
 また、政府の公式インフレ指数IPCAは、4月に0・48%に達したものの、8月には0・15%まで低下するなどインフレも落ち着いています。内訳を見ると、住居費が7月には1・11%上がったものの、8月には0・47%とダウン。食費は6月の0・05%ダウンから7月には0・01%ダウンへ、さらに下がっています。
 
 ブラジルでは豊かな人々が増えつつある…という記事もありました。

 地理統計院IBGEが9月半ばに発表した08年国勢調査に基づき、ゼツリオ・ヴァルガス財団FGVの社会政策センターCPSが分析した結果によると、ブラジルではルーラ政権が発足した03年から08年の間に3190万人が、底辺層から上のクラスに移動したそうです。

 CPSの調査では、家族所得でクラスを分類し、
 ・ABクラス=4807レアル(約24万7060円)以上
 ・Cクラス=1115(約5万7300円)~4807レア
 ・Dクラス=768(約3万9400円)~1115レアル
 ・Eクラス=768(約3万9400円)レアル以下
 としています。
 
 調査によると、03~08年の間にもっとも増えたのはABクラスで、37.1%増加しているそうです。特に、07~08年の2年間の増加が大きく、7・0%増えています。その次に増えたのはCクラスで31・1%増。07~08年にかけては4・9%増えています。これに対し、Dクラスは03~08年に8・9%減少、Eクラスは同じく43・0%減ったそうです。
 
 03年と08年のクラス別人口を比較すると、Eクラスの人口は4930万人から2990万人に、Dクラスは4690万人から4540万人に減少しています。その一方で、Cクラスは6590万人から9180万人に、ABクラスは1330万人から1940万人に増加しています。Cクラス、ABクラスが全人口の59.6%を占めているわけですから、国民の半数以上が比較的豊かな暮らしを営むことができるようになったと言えるのでしょう。

 これについてCPSでは、家族補助計画での所得増と経済成長の影響が大きいと分析しています。事実、ブラジルでは同期間中に消費は14・98%、所得は28・32%上昇しているそうです。さらに、最低所得層10%の所得は72・45%増加し、最富裕層10%の所得は11・37%増加しているのだとか。CPSでは「3190万人の人口が、底辺から上のクラスに移動するという激しい変動を遂げたことを考えても、ブラジルは国際舞台に立てるようになった」と評価しています。

 これはCPSの身びいきな評価ではないようです。

 フォーリャ・デ・サンパウロ紙によると、バークレーキャピタル投資銀行新興市場主席エコノミスト、オリベイラ氏 はブラジルについて「回復には自信が持てる。鶏の羽ばたき(短期)ではない。過去10年の経済安定、民主主義が他のBRICsよりも定着していることは競争上で有利だ。中国はブラジルの倍以上の成長を遂げる、それだけ事務の煩雑さが少なく、企業に対する税負担も少ないからだ。(ブラジルでは)公共支出の質を改善することが優先されるべきだ」と述べたそうです。

ブラジル経済は回復しているものの、今後も持続的に成長し続けるためには、民間投資の拡大が必要だというわけです。ちなみに、ブラジル政府の8月の公共債務は、1兆5000億(約77兆939億円)レアルで、ブラジル人1人あたり約8000(約41万1167円)レアルの借金がある計算になります。

 では、民間投資は増えるのでしょうか? こんな分析がありました。

 ブラジルの経済国際化多国籍企業研究会Sobeetが国連貿易開発会議の資料をもとに行った分析によると、08年の海外からのブラジルへの直接投資は、前年比30・3%増の451億ドルで、投資対象国での順位は前年の14位から10位に上がったそうです。

 GDP比の投資額をBRICs4カ国で比較すると、ブラジルは18・3%、ロシアは12・7%、インドは9・9%、中国は8・7%だそうで、Sobeetは「BRICs4か国で最も国際化が進んでいる。2011年には直接投資額で世界4位に上がるのではないか」と分析、予想しています。

 もしそうなら、ブラジルは今後も持続的な経済成長が可能になるはずです。とすれば、長期的に見ればブラジル株は、まだ買えるということになるのですが、どうなんでしょうね。そうあって欲しいものだと個人的には思います。

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