注意報発令!(その4) : かかし
日米の株式市場はそろって調整局面でした。
大型連休のあった日経平均株価は1.01%、ダウ平均株価も1.58%下落しています。
調整こそあったものの、今年3月9日の大底でダウ平均株価を買っていれば47.6%上昇しています。同じ時期に、ダウではなく日経平均株価を買っていれば上昇率は44.9%。差は僅かです。日米の株価の連動性が高い状況が続いています。
ところで、毎回日米の株価の連動性の高さを強調していますので、他の株式市場も連動していると思われる方々もいらっしゃるでしょうが、必ずしもそうではありません。
そこで、今回だけ、御参考までに上海総合指数の動きを図の中に入れてみました。同じ時期に、ダウ平均株価や日経平均株価ではなく上海総合指数を投資対象として選択した場合、現在までに34.0%の投資成果となっています。
上海の場合は厳しい調整局面に入って、もうすぐ2か月になります。かなり長期の低迷ですから、そろそろ反騰の兆しが見えてもおかしくないと期待しているのですが、先週も4.2%の大幅下落となってしまいました。
したがって、今後の日経平均株価の動向を読む上では、やはり連動性の高いダウ平均株価の動向が気になるところです。
この米国の動向に関しては、9月14日に「注意報発令(その2)」というタイトルで、多少詳細にお話しましたので、ここでの重複は避けたいと思います。
そこでは、米国経済の回復と株価の上昇にとっては、在庫圧縮などのコスト削減余地がなくなってきているので、出荷金額、つまり売上の回復が不可欠であると指摘しました。
その出荷金額の推移を把握するための指標が、商務省の「製造業出荷・在庫・受注統計」です。これをベースにして全製造業在庫循環モメンタムという指標を作成して、定期的にここでご報告しているわけです。
この商務省の統計の一部が速報として早めに公表されます。「耐久財受注」と呼ばれるものです。
先週金曜日に8月分が発表されました。
そこで、「耐久財受注」の主要なものを上げてみたいと思います。受注が時間の経過とともに出荷となっていくわけですから、極めて重要であると思っています。
7月には回復を鮮明にしていた多くの分野で、8月は悪化しました。
自動車を含む輸送用機器の新規受注の反落が大きいのが目立ちます。また、民間向けの資本財の下落も気になるところです。
半導体に関して商務省は新規受注の公表はしていませんが、出荷の数字は出しています。やはり大きく減退しています。
というわけで、先週金曜日には耐久財受注の発表を契機として、株式市場が大きく調整したのはやむを得ないことだと考えています。
結論としては、繰り返しになりますが、在庫圧縮などコスト削減による業績回復が行き詰まりを見せつつある中で、出荷の回復が経済全体と株式市場の上昇にとって不可欠になっているわけですが、その出荷の先行指標である新規受注の低迷が鮮明になっているというわけで「注意報」は継続する必要がありそうです。
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