来週の豪ドル相場:津田
(豪ドル米ドル日足)
(豪ドル円日足)
今週の豪ドル相場
今週のレンジ AUDUSD 0.8590-0.8789 AUDYEN 78.10-80.06
今週は週初よりテーマは米ドル全面安。これは昨年来の金融危機相場においてリスク回避や安全資産として買われてきた米ドル買いポジションが、世界経済の底入れとともに調整売り戻される過程とも理解できるが、近い将来米ドル金利が上昇する見込みがないとの思惑や世界準備通貨としての米ドルの地位後退など複雑な要素を含む。かかる中米ドルの「受け皿」として豪ドルに資金が集中した。主要国中でも相対的に景気回復度における優位性、原油や非鉄金属、更には金価格の史上高値圏への高騰など商品相場の堅調、先進国中では利上げ順位が一番であろうとの思惑などが働き豪ドルは昨年金融危機
以前のレベルである88セント近辺、80円台まで上昇した。FOMCの結果(ゼロ金利据え置き、政府機関債購入のペース縮小・期間延長)は市場の予想とほぼ一致したが、週末にかけてG20に関する思惑や、昨日の米国8月中古住宅販売が予想を下回ったことからリスク回避の動き高まり、豪ドルロングポジションの調整売り戻しが出回って本日午前中86セント近辺、78円近辺まで下押しした後、86セント後半、78円台後半に反発している。
来週の豪ドル相場
来週の予想レンジ AUDUSD 0.8500-0.8800 AUDYEN 76.50-79.50
最近の米ドル全面安地合いを受けて主要各国から自国通貨高牽制発言も相次ぐ。以前からのスイスフラン、NZドル、韓国ウォンなどはもとより、カナダドル、ユーロなどなど。かかる中いまだ通貨高牽制を当局が公にしていないのは豪州と日本くらいのものである。日本はむしろ藤井財務相が円高容認と思える発言を繰り返している。ただRBAは口先介入は行っていないものの、今年6月からかなりの量の豪ドル(毎月aud 2bio-aud600mio程度)を市場に売却しており、いわば無言実行型の豪ドル高牽制を今月も活発にやっているものと思われる。
また現在世界経済の置かれている状況(景気回復の兆しと先行き不透明感の同居)を考えれば、今月になってからの豪ドルの上昇は行き過ぎ感も感じられる。
したがって、市場の多くが見ている90-93セントにすんなり行くよりは、むしろ反落して底固めを行う可能性が強いであろう。またドル円下落に過熱感が感じられないことから、ドル円のSELLING CLIMAXはまだ訪れていないと思われ、豪ドル円クロスについても80円を超えるレンジを形成する前に一度弱含む可能性があろう。
昨年金融危機直前に98セント、104円まで上昇した豪ドル相場であるが、豪ドルになだれ込んだ大量の投機資金は金融危機で一度枯渇しており、今回一気に90セントに持っていく力はまだ市場に育っていないように思える。
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