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2009年8月12日 (水)

難しい局面に入った株式投資: 呂 新一

中国の上海総合株価指数は昨年10月にボトムを打ち、その後、今年の7月までに倍以上の上昇を見せました。それに遅れて今年3月にボトムを打った米国のダウ平均も今までの間65%前後の急上昇を見せました。

 

ただ、これからは今までのような急上昇が期待できないだけでなく、大幅調整の可能性すらあります。というのは、今までの米株価急上昇は主に次の3つの要因に押されましたが、そういった要因は急速に消えつつあります。その3つの要因とは、1)金融市場のパニック状態で一部の株が過剰に売られていたこと;2)FRBによる洪水のような流動性提供;3)オバマ政権の金融システム・自動車産業救済策が奏功したことです。そこで、1)の株の売られすぎは株価の急上昇によって解消されました;2)のFRBによるなりふり構わぬ流動性供給策は見なされる時期に入ってきました(報道によれば、今週のFOMCは国債買い入れの9月終了を発表する可能性が高い);そして、3)の金融システム・自動車産業救済策が奏功したことはそろそろインパクトが薄れ、代わりに投資家は今のオバマ政権の政策・人気度に注目しています。そこで、伝えられているのは医療保険改革への支持率の低さであり、筆者が資源浪費と過剰消費を助長するでしかないと認識している自動車買い替え補助金策などであります。

 

下のチャートは過去2年弱のNYダウの推移であるが、チャートから3月以後の株価急上昇はある意味では1月から3月上旬にかけて急落したことへの反動に過ぎないとみて取れます。振り返ってみると、過去数カ月の間、市場に恐怖感が蔓延していましたが、ここにきて楽観的な見通しが幅を利かせています。楽観的な見通しが増えれば増えるほど既に株を購入した投資家が多く、そのため、株価の上昇が難しくなると思われます。


Indu


また、中国株について言うと、下半期入りにつれ、不当に流用され、株式市場に流入した固定資産投資資金、およびその他の各種資金がそろそろ本業へ還流せざるを得ず(資金を還流させなければ、政府の検査で流用が発覚するリスクが大きい)、株価上昇の勢いが削がれる可能性が非常に大きい。次のチャートは中国上海総合株価指数の推移を示すものです。


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