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2009年7月 9日 (木)

ウイグル自治区の暴動:竜河

野村さんからもウイグル自治区での暴動が治まるのかとの問い合わせがありました。

ウイグル問題は根の深い問題で、暴動が治まっても怨念が燻り続ける可能性は大きい。

 

まず、ウイグル民族と漢民族が違う立場、異なる状況に置かれ、お互いに理解し協力し合うことは期待し辛い。

 

その立場・状況とは自分の力だけではどうにもならないものです。例えば、ウイグル族の家庭に生まれていたら、大学に進学する際、或いは就職する際、少数民族専用の枠があるため、漢民族の子より優先的に受かる可能性は大きい(その学校と企業が本当に行きたい所かどうかは別として)。一方、自治区の主要なポストは殆ど漢民族に占められ、ウイグル族にとっては権力への道が閉ざされています。それに、経済が自由化(放漫、弱肉強食)するにつれ、持っている人脈の広さがビジネスの決め手になりましたが、ウイグル人ではそのような人脈を持つケースが稀で、経済社会においてもどんどん隅に追いやられています。

 

従って、今のままでは、権力・富に縁のない漢民族の普通の人から見ると、ウイグル族が受けている優遇策が羨望・不満の的で、ウイグル族から見れば、漢民族が権力、富、そして世論まで独占し、嬉しくない存在である可能性が大きい。

 

両者の間の不満が長い間放置され、徐々に高まってきたと大分前から耳にし、いつか臨界点を超えてしまって、元に戻れない状況になるのではとずっと危惧していました。大規模な暴動がおこり、ウルムチが世界から注目された現在、中国政府が漢民族とウイグル民族との共生策を真剣に考える時期であると思います。

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