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2009年7月20日 (月)

調整完了!?(その1) : かかし

米国株に比べて日本株の動きの鈍さが目立ちます。先週のダウ平均株価は7.3%と大きく上昇したのですが、日経平均株価は僅か1.2%の上昇にとどまりました。20090718_4

政局の不透明感や、円高に伴う企業業績の悪化が、株価の頭を押さえていると指摘されています。

その通りかもしれないのですが、私の見方はちょっと違います。米国株に比べた動きの鈍さは、これまでの日本株の上昇スピードが米国株を上回ってきたことの反動に過ぎないと見ています。しかも、その調整もほぼ終了し、再び上昇局面に入るものと考えます。

まず、政局の不透明感なのですが、気になって調べては見たものの、政治と株価とのきれいな関連性が見えません。内閣支持率と株価の動きにある程度の連動性が見られた程度です。もっとも、3月からの株価急騰は麻生内閣の支持率とは何の関係もなかったようですが。

また、選挙と株価の関係を見ても、衆議院の場合で、公示日以降選挙日にかけて多少上昇し、選挙日以降は下落する傾向がありますが、投資判断に決定的なインパクトのある関係ではないようです。

したがって、政局の不透明感が相場の重石になっているのは事実であるにしても、特別に重要な要因というわけではなさそうです。

次に対ドル円レートの推移と株価の関係ですが、政局とは異なって、かなり大きな絵影響力を与えているようです。特に2004年以降は、対ドル円安=株高、対ドル円高=株安という関係が明瞭です。20090718_5

ただ、注意しなければならないのは、いつもこのような関係が成立しているわけではないということです。図が示す通り、2003年までは、対ドル円安=株安、対ドル円高=株高でした。実は、もっと長期に見ても、両者の間安定的な関係は見られません。

現在は対ドル円高に振れる場合は、株価を抑える重要な要因となると思います。

問題は、あとどれだけ円高になるかという点でしょう。対ドル円レートの長期的な推移をみると、これから85/ドルになる可能性より、105/ドルになる可能性が高いように思うのですが、どうでしょうか。20090718_6

ということで、政局の影響は限定的、為替の影響は大きいものの、一段と深刻になる可能性は小さくなりつつあると考えています。

それでは、日経平均株価の調整完了というのは、どういうことなのでしょうか?

日経平均株価が底値を付けた3月9日を基準に指数化して、日米の株価動きをグラフにして見ました。このグラフは、日経平均株価の上昇のペースがダウ平均株価を大きく上回ったことの反動にすぎないことをかなり鮮明に示唆しています。090309100_20090718

そして重要なことは、その調整もほぼ完了して、日米の株価は再び上昇局面に入りつつあるシグナルを出し始めたように見えることです。

日経平均株価は再び上昇局面に入る可能性が高いと考えています。

ところで、話は変わりますが、先週16日に、ニューヨーク大学のルービニ教授(Prof. Nouriel Roubini)が、経済と金融の環境は最悪局面を過ぎたという発言をしたことが話題となりました。悲観論の旗頭ともいうべき教授の楽観的な発言で米国の株式市場が大きく上昇しました。

もっとも、教授のホームページを見ると、「私は別に楽観論者に転向したわけではない。もともと、厳しい上昇が2年(24カ月)は続くと言ってきており、もうすでに19カ月が過ぎたということにすぎない」と言っておられます。「なるほど」という感じです。

教授の著書(共著)に「政治サイクルとマクロエコノミー」(Political Cycles and Macroeconomy : MIT Press)があります。読んだわけではないのですが、政治サイクルの分析は面白そうです。

日本の政治が日本の株式市場に与える影響は限定的なのですが、米国の政治サイクルが米国の株式市場に影響を与え、その米国の株式市場と高い連動性を持つ日本の株式市場も影響を受けるということです。

その観点から、日本の株式市場にとって政治要因は重要だか、その政治とは、日本の政治ではなく、米国の政治であるというところが面白いですね。

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