7月の消費者信頼感指数大幅改善:津田
WESTPACメルボルン研究所が8日に発表した7月の消費者信頼感指数は前月比9.3%上昇して109.4となり、2007年12月以来1年7ヶ月ぶりの水準に達した。6月の12.7%上昇に続く大幅改善となった。この2ヶ月間で22%の上昇は本統計が1975年に始まって以来となる。アナリストは総じて7月は信頼感が後退すると予測していた。7月の内容を見ると、向う1年の景気見通しに関する指数が19.6%上昇したほか、向う5年間の景気見通しに関する指数も15.7%上昇した。
WESTPACのチーフエコノミストBill Evansによると、今回の驚くべき消費者信頼感のジャンプアップは、従来型のたとえばガソリン価格の下落や金利の低下によるものではないところが特徴となる。つまりガソリン価格は6月に3.6%上昇したし、RBAは6月の利下げを拒絶している。また彼は「6月の消費者信頼感の急上昇は、第1四半期に豪州がリセッション入りを免れたことによる影響が大きかった。だが7月の数字は政府による給付金の影響が大きい」と分析する。
ここまで政府は2度にわたる定額給付を実施している。一度目は昨年12月に84億豪ドルの支出でこれは主に年金生活者と要介護人に対してであったが、3月~5月の間で実施された127億豪ドルの給付金は中低所得者層に対して実施された。
「経済刺激効果に乏しくお金の浪費である」との“そしり”も当時はあったが、最初の給付がかなり限定された対象であったのに比べて2度目の実施にそのような“そしり”は当てはまらないというのが現在の評価である。
Evansによると「給付効果は現在十分に行き渡り小売売上げを即座に持ち上げ、信頼感の上昇に貢献した」と評価する。
また今回の消費者信頼感指数の予想外の上昇の背景として、住宅市場立ち直りの兆しと、労働市場の足元の持ち直しを挙げる見方もある。
最近の住宅市場の回復基調が労働者の資産価値意識に好影響を与えていること、並びに一時峻烈に雇用削減を図った主要企業が正規雇用からパートタイム雇用に切り替えて、雇用の確保に動いたことから、足元雇用環境の改善がなされて、消費者信頼感が増加したとの分析である。
ただ、今後の豪州経済を標榜すると、依然として不透明感が漂う。第2四半期の成長率が再びマイナスに転じるとの観測があるし、また現在5.7%の失業率についてはWESTAPCは今年年末には7.5%に達すると予想しているし、政府見通しでも2010年末までに8.5%に達するとの見方である。
特に雇用に関しては、前回のリセッション時(2000年~2001年)を振り返っても、一旦雇用の悪化が進み出すと消費者の信頼感が一気に低下する事実があることは明白である。
その意味で本日発表される6月雇用統計は注目されるところ。
就業者数 失業率
5月実績 -1.7千人 5.7%
6月予想 -20千人 5.9%
|
野村雅道と楽しい投資仲間達おすすめFX会社
| 固定リンク
「2津田穣」カテゴリの記事
- 今週の豪ドル見通し:津田(2010.03.08)
- シドニー概況:津田(2009.07.13)
- 今週の豪ドル相場:津田(2009.07.13)
- 野村さん分かりました:津田(2009.07.09)
- 津田さん、インドバッシングはこれです(2009.07.09)
コメント