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2009年6月24日 (水)

米金利:水谷

今日は注目のFOMC(米連邦公開市場委員会)の最終日と市場関係者は声明文発表の動きとなっているようです。そこで米金利市場を冷静に見てみましょう。

Intspreadjun24

政策金利のフェッド・ファンド・レート(Fed Fund Rate)は0.000.25%の現行金利の据え置きが予想されます。短期金利は先週からの相対的に落ち着いた動きをしています。ユーロ1ヶ月物とドル1ヶ月物の金利を並べてみました。ドルは0.3137%と変化はなく、よく見ると最近の上昇傾向を消す動きです。ユーロは0.90%とこちらも下げ気味です。ということで現物の短期金利の利下げは当分ないと思います。先物市場ではまだ利上げ期待があるようです。

長期金利は10年債3.62%2年債1.09%とこのところの下限のようです。特に2年債が68日に1.42%と高い利回りをつけた後、低下を続け1.00%割れ寸前といった所です。5月の雇用統計(非農業部門雇用者数)が予想外に良い数字に、短期金利が反応した結果です。雇用統計の数字で一旦燃え上がった利上げ期待と出口戦略がFRB(米連邦準備理事会)から出されるのではないかという期待感が、最近の依然低迷する経済統計内容そしてベージュブック(地区連銀経済報告)の内容から経済活動は停滞しているとの発想に向かってしまい、急速にそうした期待感が冷え込み、そして長期金利の低下となったようです。世界銀行の経済見通しも効いているようです。

前回の4月下旬のFOMCを振り返ってみましょう。FRBは総額1.50兆ドルを上回る住宅ローン担保証券、政府機関債、そして秋までに最大3000億ドルの米国債の購入を決定し、全体の購入額と購入時期については経済状況と金融市場の動きを見ながら検討するとしました。経済状況は依然として部分的には良い兆候が出てきている状況から、出口戦略は見えてきません。出口戦略を表に出すと金利上昇観測が再燃することをメンバーは十分に承知していると思います。金融市場では、長期金利と一時短期金利上昇を見ました。FRBは住宅ローン金利の上昇を警戒しているようです。金利上昇が住宅投資意欲の目を摘んでしまう危険性があります。米国債の購入継続は声明文に盛り込まれると予想します。そして海外投資家(特にBRICs)にも魅力ある米国債であるとした文言を入れたいところです。

流れ的には金利の上昇が押さえられた内容になるのではないのでしょうか。出口戦略は各メンバーのこれからの講演、議会証言の場で市場にメッセージとして流すことになるのではと思います。そうなると、リスク志向の「良い金利上昇」と財政赤字懸念からの「悪い金利上昇」が、一旦間を置いてから再度浮上してくるのではないかと思います。

あれこれ考えるよりも、明日早朝のFOMC声明文を読み、そこから流れを判断する方が良いと考えます。

それでは。

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