住宅ローン金利引き上げのリベンジ?:津田
今週発表されたRBA議事録(6月2日理事会分)ではやはり主要国における金融当局と同様の景気認識”期待感と警戒感”が示された。要旨は:
・利下げを正当化する理由はなし。
・豪州経済は以前より力強い。
・住宅市場は改善されつつある。
・インフレ見通しから必要とあれば利下げの余地あり。
・金融・財政刺激策の効果はまだ完全ではない。
ところでこちらのマスコミでは従業員慰安パーティー開催を予定する現地銀行への辛らつな記事が出た。
”コモンウエルズ銀行(CBA)は住宅ローンの変動金利を引き上げた直後に800人の一部行員のために約十万ドルのお金をかけてパーティーを計画している。”
銀行のスポークスマンBryan Fitzgeraldによるとパーティーは”1920年代のギャング衣装”をまとい今週シドニーにおいて行われる予定であった。しかし彼はヘラルド・サン紙(シドニー・モーニングヘラルド紙の日曜版)が報じたように費用が五十万ドルであり、フランスの高級シャンパン”Krugとキャビア”を目玉とするパーティーであることは否定し、豪州ワインとミニバーガーの質素なものだと述べた。彼は「コストは一人当たり100ドルでこれは昨年と同じだ。これら従業員の多くは既に銀行が発表しているように新年度(7月から)に昇給がない人達だ。また今回パーティーが催される金融サービス部はクリスマス・パーティーを行わない」と述べた。
このパーティーは例年行われる年1回の期の打ち上げファンクションであり、今期過酷な長時間にわたる業務をこなした金融サービスチームへの褒章と感謝のためのパーティーであるとのこと。
ただこの記事が出たあと銀行は声明を出し”1920年代のギャングをテーマとした”パーティーを延期したことを明らかにした。古今東西、銀行は派手なことをするとすぐ叩かれる運命にある??
コモンウエルズ銀行は先週変動住宅ローン金利を0.1%引き上げて5.74%とすることを発表したが、これは三十万ドルの住宅ローンで年間220ドルの金利負担増となる。
銀行側は金融市場の停滞を背景に調達コストが増大していること、預金金利が短期市場金利と比較して非常に高いことを理由とした。現在調達金利は3ヶ月ごとに0.1%拡大する傾向にあり、今後も調達コストの増大が続くようであれば更なる金利引き上げもやむなしとの見解を明らかにしている。
これに対してケビン・ラッド首相は「この銀行の行動ははまだ覚束ない豪州経済の回復を脅かすものであり、全国民が怒りを覚えて当然である」と述べ、またスワン財務相は銀行の行動を”利己的”と断じた。
現時点ではコモンウエルズ銀行を除く他の大手3行は同様の金利引き上げを検討していないもようであるが、コモンウエルズ銀行の変動金利は引き上げ後も4大銀行の中ではナショナル・オーストラリア銀行(NAB)とならぶ低水準を維持している。15日時点での主な銀行の変動住宅ローン金利はコモンウエルズ銀行とNABが5.74%であるのに対してウエストパック銀行とANZ銀行が5.81%、地銀大手セント・ジョージ銀行が5.79%となっている。
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